AIとDXの関係性とは?それぞれの違いやAIを活用したDXの推進事例、成功事例と注意点をわかりやすく解説
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令和の時代に入り、DXというワードを見聞きした方も多いのではないでしょうか。DXは私たちの生活にいい影響を与えるものであり、DXを実現させるのに存在するのがAIです。AIとDXがどのような関係性にあるのか、気になる方も多いはずです。
今回はAIとDXの関係性やAIを活用したDXの推進事例、推進するメリットや注意点などを解説していきます。
AIとDXそれぞれの違い
ここからはAIとDX、それぞれの違いについてご紹介します。
DXとは
DXは「Digital Transformation」の略ですが、Transformationを略する際にTransをXで略することになっているため、結果としてDXになります。
DXという考え方が出てきたのは今から20年ほど前で、当時盛んになり始めてきたITをピックアップし、ITの浸透がよい影響を与え、いい方向に変化していくことを示すために作られました。
日本においては、デジタル技術を通じて産業、経営の改革、業務効率化などにつなげていく意味合いで用いられることが多く、AIを用いた事業などをDXとして表現するケースが目立ちます。
AIとは
AIは「Artificial Intelligence」の略で、日本語訳において「人工知能」と訳されるなど、一般的に知られています。AIはたくさんのデータの中から傾向を見つけ、その傾向を活用して様々なことを行っていくのが狙いです。
機械学習、ディープラーニングなどがあり、AIを活用して行っていきたいことに合わせて設計を行っていきます。
AIとDXの関係性
ここからはAIとDXの関係性についてご紹介していきます。
目標とツール
DXは技術革新を通じて産業の改革を行っていく、もしくは経営などの抜本的な改革を行っていくことを指します。つまり、DXは1つの目標です。この目標を達成するために、ツールとして用いられるのがAIとなります。
DXはあくまでも技術を使って改革を行うという「掛け声」的なもので、実際に改革を行うにはAIが欠かせません。この関係性は今後も揺らぐことはないです。
AIを活用したDXがなぜ日本で遅れているのか
日本のデジタル競争力は決して高いものではなく、2020年の調査では全体の27位と低いものになっています。デジタル庁の誕生はこうした状況を踏まえてのものです。日本で遅れている理由には、そもそもDX関連の人材が不足している点やビッグデータに対する認識の問題、またDXの重要性を企業側が分かっていない点などがあります。
またレガシーシステムを使い続け、レガシーシステムからの脱却を目指そうとしない姿勢も問題視されています。DX関連の人材が慢性的に不足していることで、まずはその人材を確保するところから始めないといけないため、それだけの余裕を持たないところはなかなか手を出せなくなるでしょう。
推進した方が改革につながるため、積極的に行う企業も増えていますが、あくまでも大企業中心です。中小企業までDX推進の動きは出てこない限り、なかなか格差が縮まることはないでしょう。
AIを活用したDXを推進するメリット
AIとDXの関係性がわかったところで、ここからはAIを活用したDXを推進するメリットについてご紹介していきます。
ビッグデータを有効活用できる
デジタルの力を使って産業の改革などを行う場合に避けては通れないのがビッグデータの活用です。ビッグデータは人間でも根気強く分析していくことは可能ですが、途方もない時間がかかるでしょう。その点、AIであれば瞬時に終わってしまいます。
AIを活用したDXを推進することで、ビッグデータはかなり活用できるようになるでしょう。企業が抱えるデータは膨大であり、AIを活用する中でこれまで気づかれなかった傾向をつかむことができます。そうすれば、周囲を納得させる形で新しいことへのチャレンジが行えるようになるでしょう。
業務効率化につながる
AIを活用していくことで、今まで人間が担っていた作業をAIに置き換えることができるため、効率化を図ることができます。単純作業はAIに任せ、人間はクリエイティブな仕事をこなすというすみ分けが行えるようになりました。
またAIは基本的に間違うことなく、ひたすら同じことを繰り返します。人間だとどれだけスペックが高い人も体調次第でパフォーマンスを落とすことがありますが、AIはひたすらに淡々と作業をこなします。
DXでは業務効率化などを行い、利益体質を強化することも狙いの1つとしてあるため、AIを導入することはまさにその目的を達成することにつながるのです。
AIを活用したDXを推進する際の注意点
ここからはAIを活用したDXを推進する際の注意点についてまとめました。
DX関連のビジョンを明確にする
そもそもなぜDXを推進するのかを、事前に明確にしておく必要があります。結局ビジョンがはっきりとしなければ、何のためにDXを行うかがわかりませんし、効果的な対策を立てられません。DXを推進しようとして失敗し、新たな挑戦に時間がかかることにもなるでしょう。
逆にビジョンが明確だとやるべきことがはっきりし、コツコツとこなしていけるため、着実に成果が得られます。ビジョンを明確にすれば、おのずとやるべきことも絞られていくことから、DXの推進ではビジョンを明確にすることは必須と言えます。
社員教育の徹底
DXを行っていく中で、結局のところ、社員の理解が欠かせません。社員からすれば、AIによって自分のポジションがなくなってしまうのではないかという不安があります。そのため、DXに対して後ろ向きな反応を示し、なかなか浸透が難しくなることも考えられるでしょう。
DXの推進を図り、協力してもらうには社員教育の徹底が欠かせません。そして、DXの推進が決して社員のポジションを奪うものではなく、むしろより柔軟に働けるようにするために必要なことであると認識してもらうことができます。
DXに必要なAIなどのチョイス
DXに欠かせないのは何と言ってもAIです。これらのチョイスを失敗すると、せっかくDXを推進しようとしているのにムダに終わってしまいます。ムダに終わらせないためにも慎重にAIの選定を行うことが求められます。
何を用いるかに関しては、どのような改革を目指し、どの部分を変えたいかに大きくかかわる部分です。結局はビジョンを明確にしているかどうかが大事であり、疎かにすることが許されない部分と言えるでしょう。
AIを活用したDXの推進事例・成功事例
ここからはAIを活用したDXの推進事例・成功事例についてご紹介していきます。
無人の店舗での買い物
AIの導入に伴い、レジに人がいなくても入場から退場まですべてAIが管理し、決済を含めた対応が行えるようになっています。レジに並ぶ時間を始め、様々な部分で時間をとられ、それが機会損失になることもありました。
無人の店舗で買い物が行えるようになれば、より利便性が高まることは明らかです。懸念されるのが決済せずに退場しようとする人の存在ですが、これもAIを活用すれば、人物の特定は可能です。セキュリティ対策も万全に行えるからこそ、無人店舗は今後増えることが予想されます。
フードロスをなくすAI需要予測
飲食業において問題視されるのがフードロスの問題です。どれだけ繁盛する店でも天気によって需要が大きく左右することが多々あります。事前にわかっていれば、仕入れを減らしてフードロスに対応することもできるようになります。
そこで人流や天気のデータなどを用いて需要予測を行うAIが登場しています。需要予測を行うことで、おおよその需要がわかり、それに合わせた仕入れ、発注が行えるようになりました。フードロスをなくせるだけでなく、無駄な費用を支払わずに済むため、より効率的な経営が行えるのも特徴的です。
顔認証ゲート
入国管理には慎重を期すのが普通であり、どうしても時間がかかってしまうのが実情です。しかしながら、入国管理に時間がかかりすぎるのも利便性を考えるとマイナスであり、効率よく入国管理を行えるようになるのが理想的です。そこで用いられるのが顔認証ゲートです。
この顔認証ゲートはパナソニックシステムソリューションズジャパンが開発した、主に日本人を対象に入国管理を行うのに用いられています。ちょっとした変化があっても柔軟に対応するため、入国管理を円滑に行うのに適しているツールです。
パナソニックシステムソリューションズジャパンの顔認証ゲートのコンセプトとして、「初めての人・高齢の人でも、抵抗感なく間違わない・迷わない」というものがあり、まさに安心して入国管理の時間を待つことができます。
まとめ
AIとDXの関係性は密接なものであり、AIの出来がDXに大きな影響を与えることは間違いないでしょう。ゆえに、DXの成功はAIにかかっていると言っても過言ではありません。同時にDXの成功のためには、AIを通じてどのように改革を行いたいかという方針が定まっている必要があります。
結局のところ、DXを行いたいと思っても、なぜ行いたいかが不鮮明であれば、効果を発揮することは難しいと言えるでしょう。もっと言えば、この方針がしっかりとしていれば、AIの選定などを行う上で間違いをする可能性は少なくなります。
DXの達成のためにいかにAIを使いこなせるか、ここが大きなポイントになります。それに向けてどんなアクションを起こしていけるかがカギとなるでしょう。
さらに、今注目を集める生成AIリスキリングの第一歩を。生成AIパスポートとは?
生成AIパスポートは、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が提供する、AI初心者のために誕生した、生成AIリスクを予防する資格試験です。AIを活用したコンテンツ生成の具体的な方法や事例に加え、企業のコンプライアンスに関わる個人情報保護、著作権侵害、商用利用可否といった注意点などを学ぶことができます。
⽣成AIの台頭により、AIはエンジニアやデータサイエンティストといった技術職の方々だけではなく誰もがAIを使えるようになりました。今、私たちがインターネットを当たり前に活用していることと同様に、誰もが生成AIを当たり前に活用する未来が訪れるでしょう。
そのような社会では、採用や取引の場面で、生成AIを安全に活用できる企業・人材であることが選ばれる前提条件になり「生成AIレベルの証明」が求められることが予測できます。生成AIパスポート試験に合格すると、合格証書が発行されるため、自身が生成AIを安全に活用するためのリテラシーを有する人材であることを、客観的な評価として可視化することが可能です。
ぜひあなたも生成AIレベルを証明し「生成AI人材」に仲間入りしましょう!