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IBM Watson(ワトソン)とは?何ができる?仕組みや技術、ビジネスへの活用事例まで紹介!

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IBM Watson

皆さんはIBM Watson(ワトソン)をご存じですか?IBM Watsonはビジネスに特化したAI、そしてデータ・プラットフォームとなっています。その中身はどのようになっているのか、気になる方も多いはずです。

本記事ではIBM Watsonにスポットを当て、IBM Watsonで何ができるのか、その仕組みや導入事例などをご紹介します。

IBM Watson(ワトソン)とは?

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IBM Watsonとはどういうものなのか、IBM Watsonの基本的な解説を最初に行っていきます。

質問応答システム

IBM Watsonは、質問の応答や意思決定をサポートしてくれるサービスです。たくさんのデータを学習していくことでビジネスにおける意思決定のサポートを行っていきます。

IBM WatsonはAIのカテゴリーとされていますが、IBM Watsonは人工知能としてのAIではなく、Augmented Intelligence、拡張機能としてのAIであるとIBMは説明しています。

拡張機能とは何か

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同じAIでも人工知能のAIではなく拡張機能のAIであるIBM Watsonですが、この拡張機能とは、人間がコントロールを行っている中で学習などを行い、人間の指示通りに最大限動くものが挙げられます。

人間がこうしてほしいと指示したら、機械の側はそれに沿ったものを行います。機械側は自由に判断できるわけではなく、このケースではこう動いてほしいと人間側で決められます。その点は人工知能のAIとは大きく異なる点です。

IBM Watson(ワトソン)の歴史

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IBM Watsonの開発は2005年にスタートしました。この少し前にチェス世界王者をAIが負かす出来事があり、IBMはクイズ番組でクイズに応えられるようなものを作りたいと考え、質問応答システムの開発が始まります。

IBM Watsonには日本人も関与するなど、世界的な一大プロジェクトとなり、IBM創立100周年の2011年、ついにクイズ番組においてアメリカのクイズ王に勝利しました。

この出来事のあと、IBM Watsonは世界的に話題を集め、質問応答システムを様々な分野で応用していきます。そして、ビジネス向けに2017年提供が開始され、今に至ります。

IBM Watson(ワトソン)では何ができる?

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拡張機能としてのAIとしてサービスが提供されているIBM Watsonですが、できることは実に多彩です。IBM Watsonができることについてご紹介します。

音声の認識

IBM Watsonは音声認識が行えます。この音声認識も本格的に行えるため、例えば、話の内容を文字起こしすることも可能です。文字起こしは人間でもなかなか難しく、手間がかかりますが、IBM Watsonにかかれば、簡単に行ってくれます。

文書検索

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IBM Watsonでは文書検索のシステムが存在しており、IBM Watsonを使うことで簡単に見つけ出すことができます。IBM Watsonを用いたシステムではPDFのような形式でも見つけ出すことができます。

特に注目すべきはクエリー機能です。クエリーとは検索文を意味し、文章を検索していく中で分析が行えるという機能になっており、ニュースをたくさん見た上でその傾向を探るというのもできます。

人間の感情や性格の分析まで

IBM Watsonのすごいところは、人間の感情や性格の分析まで行える点です。その方法は文章から喜怒哀楽を感じ取り、その人の性質を分析していきます。Twitterの投稿を分析していく中でその人が持つ本質を見極められます。

感情に関してもテキストから読み取れるため、明らかに怒っているテキストであれば、その怒りを読み取った上で最良の判断を下せるようになります。人間同士の応対でも明らかに怒っている人がいれば最大限の配慮を示しますが、IBM Watsonはまさにこれと同じことを行えるのです。

IBM Watson(ワトソン)の仕組み

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感情の分析などびっくりするようなこともできるIBM Watsonですが、その仕組みはどのようになっているのか、気になる方も多いはずです。ここではIBM Watsonの仕組みについてご紹介します。

コグニティブ・コンピューティング・システム

IBM Watsonはコグニティブ・コンピューティング・システムと呼ばれています。コグニティブとはIBMが作り出した考え方で、直訳すると認知です。まるで人間のように知識を理解した上で考えて学習していくことがコグニティブ・コンピューティング・システムの根幹にあります。

コグニティブ・コンピューティング・システムは人間をサポートする役割を担っており、自然言語処理やバイアスに左右されない仮説の処理、学習などの機能を持ち合わせています。IBM Watsonは質問応答システムとして有名ですが、自然言語処理の能力を活用していると言えます。

まさに人間の脳

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多くのAI、コンピューターは知識を蓄積していく中でそれを引き出していくことを得意としましたが、デザインを創造するような働きがなかなかできないのが弱点とされてきました。

しかし、IBM Watsonはコグニティブ・コンピューティング・システムを活用することで、より人間の脳の仕組みに近づき、感覚的に認知するなどより柔軟な動き方を見せるようになりました。あえて人工知能のAIではなく拡張機能としてのAIにIBMがこだわるのも納得です。

IBM Watson(ワトソン)の技術

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IBM Watsonには人工知能としてのAIの技術が多分に使われています。IBMは拡張機能としてのAIをアピールしますが、IBM Watsonの根底にあるのは人工知能としてのAI、いわゆるディープラーニングです。

ディープラーニングはニューラルネットワークを生かしながら答えを見つけていくため、脳の仕組みに近い形で様々な処理を行っていきます。IBM Watsonのベースもこうしたディープラーニングが大きく、ゆえに自然言語処理なども行えるのです。

IBM Watson(ワトソン)はどうすれば使える?

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IBM Watsonはどのように使うことができるのか、用意すべき環境などをご紹介していきます。

IBM Watson Studioの用意

IBM Watsonを使うにはIBM Watson Studioで行います。IBM Watson StudioはIBM Watsonを使っていく上で必要となる機能がすべて詰まった環境であり、クラウド上での構築が可能となります。

APIがわかりやすいこともあり、IBM Watsonの機能を知識さえあれば簡単に使いこなせるほか、これまで培ってきたAIの技術をしっかりと活用できるため、IBM Watsonを使ってみたい企業の方にとっても環境は整えられていると言えます。

そのため、色んなプログラミング言語も活用できることから、開発に取り掛かるまでのハードルはそこまで高くはありません。

学習済みWatson

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AIを活用していくにはビッグデータが欠かせず、そのビッグデータを用意することが求められてきました。しかし、IBMはこうしたビッグデータを必要としない「学習済みWatson」を用意し、IBM Watsonの開発を容易にさせました。

学習済みWatsonは多彩なデータを用意しており、わざわざビッグデータを集めたり、機械学習の知識をつけていなくてもすぐにIBM Watsonを導入できるようになりました。

IBM Watson(ワトソン)のビジネスへの活用事例

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IBM Watsonの可能性は普通のAIよりもかなり奥深いものを感じさせますが、既に多くのビジネスの場で活用が進んでいます。その活用事例をご紹介します。

カスタマーサポートへの活用

IBM Watsonの真骨頂は何と言っても質問応答システムにあります。この質問応答システムの最たる例といえば近年企業のホームページに現れる「チャットボット」です。このチャットボットのシステムにIBM Watsonが使われていることも珍しくありません。

IBM Watsonを活用したカスタマーサポートは、色々な分野に活用できるほか、音声案内への活用、原因の究明など色んな使い方ができます。会話を重ねていく中で利用者にとっておすすめなプランを提示してくれるなど、かなり柔軟な対応ができるのもIBM Watsonの魅力と言えます。

コールセンターでのサポート

IBM Watsonが持つ文字起こしの速さや検索能力の高さを最大限に活用できるのはコールセンターです。日々多くの問い合わせがあり、どちらかといえば怒りや不安、悲しみの電話がかかってきやすい場において、IBM Watsonは威力を発揮します。

電話の内容を文字起こしした上で検索をかけ、IBM Watsonを活用したシステムが答えとなるものを提示してくれます。オペレーターはそれを見た上ですぐに答えられるため、すぐに答えを出してくれた消費者は高い満足度を感じながら電話を切ってくれるでしょう。

まとめ

IBM Watsonは人間のような機能を持ち、相当な可能性を秘めたシステムです。顧客満足度を高めてくれるようなシステムであり、コールセンターなど多くの不満を抱え来るユーザーが目に付く中で、できる限りの応対を見せてくれるのはとても魅力的です。

しかも、その開発はこれまでのプログラミングの技術があれば十分に対応できるのもいいところです。今後に否応なしに注目したくなるシステムであることは言うまでもありません。既に日本語版も登場しているので、コールセンター業務を行う企業にとっては導入の検討をしておくべきシステムではないでしょうか。

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