AGI(汎用人工知能)とは?AIやASI、ANIとの違い|ChatGPTとの関係性や社会的課題を解説
INDEX
- AGI(汎用人工知能)とは?
- AGI(汎用人工知能)の意味
- AGI(汎用人工知能)を構成する要素
- 機械学習
- 認知アーキテクチャ
- 認知ロボティクス
- AGI(汎用人工知能)とAIやASI、ANIとの違いについて
- AGIとAIの違い
- AGIとASIの違い
- AGIとANIの違い
- AGI(汎用人工知能)は何ができるのか
- 人間と同じようなコミュニケーション
- 自分で考えて意思を示す
- 新たな世界への対応
- 奇抜なアイデアを生み出す
- AGI(汎用人工知能)とChatGPTの関係性
- ChatGPTはAGIの一部に過ぎない
- AGI(汎用人工知能)の普及で働き方はどのように変わるか
- AGI(汎用人工知能)が持つ社会的課題とは
- シンギュラリティの問題
- まとめ
- さらに、今注目を集める生成AIリスキリングの第一歩を。生成AIパスポートとは?
皆さんはAGI(汎用人工知能)をご存じですか?AIは聞いたことがあってもAGIに聞きなじみがない方もいるかもしれません。人工知能は人工知能ですが、普通の人工知能とは少し違います。
本記事ではAGIとは何かを中心に、AIとの違いやChatGPTとの関係性などをご紹介していきます。
AGI(汎用人工知能)とは?
AGI(汎用人工知能)とはどういうものなのか、言葉の意味など基本的な情報についてご紹介していきます。
AGI(汎用人工知能)の意味
AGIはArtificial General Intelligenceという言葉の頭文字をとったものです。Artificial Intelligenceで人工的な知能という意味合いとなり、私たちがよく知るAIになります。Generalは一般的なという意味があるため、AGIは一般的な人工知能という直訳が可能です。
汎用は、様々なジャンルや用途に用いる様子を指しているため、AGIは様々な用途に応用できる人工知能と解釈することができます。
AGI(汎用人工知能)を構成する要素
AGIは3つの構成要素によって成り立っています。ここからは3つの構成要素についてご紹介します。
機械学習
機械学習は、機械自らが学習を行っていく手法です。人間がルールを決めて学習を行わせるやり方ではなく、状況だけを与えてあとは自由に学習してもらうのが機械学習です。機械学習自体はAIも行いますが、AGIはAGIで行っています。
機械学習で近年最も有名なのがディープラーニングです。より深いところまで学べるようになることで加速度的な進化が遂げられるようになります。
認知アーキテクチャ
認知アーキテクチャは、人間がどのような認知機能を持っているのか、その機能をモデル化したものです。人間の認知機能をAIに学ばせることにより、人間の認知機能を持たせ、人間の考えを持たせ、再現させることが可能です。
AGIにおいて認知アーキテクチャを理解させることで、より汎用性のある認知アーキテクチャの構築につながっていきます。
認知ロボティクス
認知ロボティクスは、事前に与えた状況の中で、状況を理解して課題を解決していくための認知プロセスをどのようにもたらしていくかを研究する分野です。
より高度な人工知能にしていくべく、これまでのAIとは異なる環境において認知機能に関する研究を行っていきます。
AGI(汎用人工知能)とAIやASI、ANIとの違いについて
人工知能には従来のAIやASI、ANIもあります。これらとAGIがどのような違いにあるのか、ご紹介していきます。
AGIとAIの違い
同じ人工知能でも、AIの場合は特定の分野に特化した専門的な要素に絞られることがほとんどです。画像なら画像、音声なら音声と特定の分野に特化して学習を行って、進化を遂げていきます。
AGIは文字通りゼネラリスト的な要素が強く、画像でも音声でも特定せずに取り組んでいくことができる人工知能です。そのため、同じAIでも既存のAIは弱いAIと称され、AGIは強いAIと称されるなど、大きな違いを見せています。
AGIとASIの違い
ASIはAIにSuperがつけられているため、別名「人工超知能」と呼ばれています。人間の知能を超えた人工知能の意味合いがあり、AIと比べれば強さがあると言えるでしょう。
AGIが出るまではAIとASIで弱いAI、強いAIと称することができたと言えるので、AGIとASIでは、ASIをより強化させたものがAGIと考えることもできます。
AGIとANIの違い
次にANIですが、Artificial Narrow Intelligenceの略称で、Narrowには狭いや特化などの意味合いがあります。そのため、ANIは特化型人工知能と称され、意味合いとしてはAIと変わりません。
つまり、AIとAGIの違いとほぼ似ており、ANIもまた弱いAIの一種です。世の中で活躍することが多いAIの多くはANIです。
AGI(汎用人工知能)は何ができるのか
強いAIであるAGIですが、いったいどんなことができるのか、できることについてご紹介します。
人間と同じようなコミュニケーション
AGIは人間の認知機能を学習させているため、結果的に人間のような考えを持つようになり、人間が持つ感情を理解するようになると言われています。そのため、人間が持つ喜怒哀楽もマネできるところまで来ているのです。
そのため、人間がするようなコミュニケーションをAGIは行えます。AGIが当たり前になれば、人間とそん色ないコミュニケーションが行える時代を迎えることになります。その場合には介護の現場などで活躍する可能性もあり得るでしょう。
自分で考えて意思を示す
AGIは自分で学習ができるため、たくさんの問題を与えたとしても、その中で何がベスト化を自分で考えて、意思を示すことが可能になります。
この場合、人間でも複雑すぎて処理できないようなデータなどを踏まえ、人間では瞬時に判断できないことすら、ズバリと決めていくこともできるとされています。特に自動運転など、人間だからこそできてきたことがAGIがこなせるようになることで実用的になる可能性を秘めているのです。
新たな世界への対応
人間は新しいことには消極的になりやすく、保守的になりやすい部分があります。その点、AGIは人間が持つ保守性までは理解していないので、新しい場面や未知の領域に遭遇したとしても、マイナスなことから考えず、その場面でのベストを模索できます。
そのため、人間では全く想像もつかない未曽有の災害なども想定でき、その際に何をすればいいのかを示してくれる可能性があります。思考の範囲外にあることを淡々と示してくれるのがAGIなのです。
奇抜なアイデアを生み出す
人間が持ちえない突飛なものなど、AGIは恐れもなく奇抜なアイデアをどんどん表に出す可能性を秘めています。もちろん、人間的な感覚も持ち合わせているので、思いつかなかっただけで実際にあれば利用したくなるようなものを生み出してくれます。
AGI(汎用人工知能)とChatGPTの関係性
AGIの知名度はまだまだ高くなく、近年話題を集めるChatGPTの方が知られているかもしれません。AGIとChatGPTにはどんな関係性があるのかをご紹介していきます。
ChatGPTはAGIの一部に過ぎない
ChatGPTは生成AIの1つであり、強いAIの要素を一部持ち合わせているとされています。だからこそ、ChatGPTは持てはやされ、生成AIを巡る各社の開発競争が激しさを見せている状況です。強いAIの要素があるからAGIとして完成されているかと言われると、実はそうではない部分もあります。
AGIはあくまでもゼネラリストの要素が必要なので、まだまだゼネラリストとしての要素に欠けている部分があります。AGIは単に情報を提供するほかに、実際に作業を行って人間と同等の動きを見せて初めて完成するとされています。そのため、ChatGPTは実際に動けるわけではないため、まだまだAGIとしては未完成と言われてしまうのです。
つまり、AGIが完成するということは、完全に人間からAGIへと移行する可能性が劇的に高まることを意味します。今までは人間がコンピューターを管理してきましたが、これからはAGIが動かすコンピューターを人間が見守るような仕事が増え始め、主従関係の逆転も視野に入り始めます。ChatGPTは主従関係の逆転に向けた最初の一歩と表現することも可能です。
AGI(汎用人工知能)の普及で働き方はどのように変わるか
AGIの登場、普及によって人間の働き方は大きく変わってしまうと言われています。これまでの物理的な作業はAGIが担うようになるため、わざわざ人間が現場に行く必要がなくなる可能性が考えられます。すると、人間がわざわざ出社するようなこともなくなり、コロナ禍で一般的になったリモートワークが当たり前になるでしょう。
人手不足になりやすい単純作業の分野もAGIが行えるようになれば、人間はより複雑で専門性の高い作業に特化できます。
AGI(汎用人工知能)が持つ社会的課題とは
AGIが普及することで仕事を奪われる人間で溢れかえるという不安があります。しかし、物事はそのように単純なことではありません。もちろん仕事を奪われる人間は増えるでしょうが、さらに問題になる社会的課題があります。
シンギュラリティの問題
AGIを語る上で問題になるのがシンギュラリティの問題です。シンギュラリティとは技術的特異点と呼ばれるもので、AGIの能力が人間を超えてしまう瞬間を意味します。つまり、人間の能力を超えた時、どんな動きを見せるのかが予測できなくなるのです。
予測できなくなるということは、AGIが暴走し人間に不利益をもたらす可能性があることを意味します。シンギュラリティは2045年に訪れるのではないかと言われており、2045年問題というものも出始めています。また2045年よりも前にシンギュラリティが訪れる可能性があるという見方もあり、それまでにAGIを巡る法整備などをしないと、重大な悲劇をもたらす可能性も想定できるのです。
まとめ
AGIの普及は間違いなく人間の生活を劇的に進化させ、よりスムーズな生活につながっていくことでしょう。しかし、AGIの普及は一部の分野に限られ、平和な日常を過ごす一般市民にどれだけの恩恵をもたらすことになるかはまだまだわかりません。
シンギュラリティが起きるとこの世界がどのように変容していくのか、わからないことも多々あります。そして、AGIに教えていくべきこともまだまだたくさんあり、人間がコントロールできる余地がまだまだあると言えるでしょう。
さらに、今注目を集める生成AIリスキリングの第一歩を。生成AIパスポートとは?
生成AIパスポートは、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が提供する、AI初心者のために誕生した、生成AIリスクを予防する資格試験です。AIを活用したコンテンツ生成の具体的な方法や事例に加え、企業のコンプライアンスに関わる個人情報保護、著作権侵害、商用利用可否といった注意点などを学ぶことができます。
⽣成AIの台頭により、AIはエンジニアやデータサイエンティストといった技術職の方々だけではなく誰もがAIを使えるようになりました。今、私たちがインターネットを当たり前に活用していることと同様に、誰もが生成AIを当たり前に活用する未来が訪れるでしょう。
そのような社会では、採用や取引の場面で、生成AIを安全に活用できる企業・人材であることが選ばれる前提条件になり「生成AIレベルの証明」が求められることが予測できます。生成AIパスポート試験に合格すると、合格証書が発行されるため、自身が生成AIを安全に活用するためのリテラシーを有する人材であることを、客観的な評価として可視化することが可能です。
ぜひあなたも生成AIレベルを証明し「生成AI人材」に仲間入りしましょう!