Web3とは?分散型インターネットの概要やメリット・デメリットを解説
INDEX
- Web3とは?
- Web3は分散型のインターネット
- Web2.0との違い
- Web3が注目される理由
- 個人が情報データを自分で管理できるため
- より効率的なやり取りが可能になるため
- Web3のメリット・デメリット
- メリット:セキュリティが強化される
- メリット:直接取引ができるため手数料が不要になる
- デメリット:ある程度の知識が必要
- デメリット:法的な整備が追いついておらず規制を受ける可能性がある
- デメリット:スケーラビリティ問題
- Web3の代表的な技術は?
- GameFi
- NFT(非代替性トークン)
- DeFi(分散型金融)
- DAO(自立分散型組織)
- Web3を活用したサービスの事例
- Brave(ブレイブ)
- OpenSea(オープンシー)
- MyCryptoHeroes(マイクリプトヒーローズ)
- Uniswap(ユニスワップ)
- CyberConnect(サイバーコネクト)
- まとめ
- さらに、今注目を集める生成AIリスキリングの第一歩を。生成AIパスポートとは?
時代とともに進化を遂げているインターネットですが、次世代インターネットとして注目されているのがWeb3です。
Web3により、これまでのインターネットでは考えられなかった、さまざまな技術やサービスが新たに登場しています。
最近よく耳にするWeb3ですが、どのようなものか良く分からない方もいるでしょう。
本記事では、Web3とはどのようなものかご紹介します。また、Web3が注目される理由・メリット・デメリット・代表的な技術なども解説します。
Web3について知りたい方は参考にしてください。
Web3とは?
Web3とは簡単にいえば、ブロックチェーン技術などを利用した、分散型の次世代インターネットです。
すでに2018年ごろから始まったといわれているWeb3ですが、有名なところでは、仮想通貨などが挙げられるでしょう。
これまでのWeb2.0との大きな違いは、中央集権的な管理者(企業)のサービスを利用しなくても、情報のやり取りが可能になったことなどが挙げられます。
Web3の特徴やWeb2.0との違いについて詳しく解説します。
Web3は分散型のインターネット
Web3の特徴の1つは、次世代分散型のインターネットである点です。
管理者がいなくてもブロックチェーンを始めとする技術を利用することにより、ユーザー同士でのデータ管理・個人間でのコンテンツ提供・デジタルデータの販売・送金などが可能になっています。
Web3を支えているのは、おもにブロックチェーン技術です。ブロックチェーン技術とは簡単にいうと、取引の履歴を鎖のようにつないでデータを管理する技術を指します。
仮想通貨やNFTなどにも利用されている技術で、データの改ざんが困難なため、個人情報の漏洩などのリスクを抑えながら情報を共有することが可能になりました。
Web2.0との違い
Web3とWeb2.0との大きな違いとしては、中央集権的な管理者がいるプラットフォームが必要かどうかという点が挙げられるでしょう。
これまでのWeb2.0では、Google・Amazon・Appleなどの巨大IT企業が提供するプラットフォーム内でしか、情報の発信・共有ができませんでした。
もし、管理者が決めたルールに違反すると、アカウントの凍結・サービスの利用停止などのリスクがあります。
一方で、Web3では管理者がいなくても個人間の交流が可能です。
P2Pと呼ばれるシステムを利用することで、特定のサーバーを利用しなくてもネットワーク端末につながった端末同士でデータ通信ができます。
Web3が注目される理由
Web3が注目される主な理由としては、次の2つの理由が挙げられます。
- 個人が情報データを自分で管理できるため
- より効率的なやり取りが可能になるため
それぞれの理由について詳しく解説します。
個人が情報データを自分で管理できるため
Web3が注目される1つ目の理由は、個人が情報データを自身で管理できるためです。
これまで、個人データはGoogle・Amazon・Appleなどの巨大IT企業により収集され、管理されてきました。
しかしながら、個人情報がどこでどのように使用されているかは不透明です。そのため、個人が情報データを自分で管理したいとのニーズが高まっていました。
Web3ではブロックチェーン技術を活用することで、個人データを一部の巨大IT企業に収集・管理してもらう必要がありません。
個人が情報データを管理できる期待から、Web3は注目を集めています。
より効率的なやり取りが可能になるため
Web3が注目される別の理由は、より効率的なやり取りが可能になるからです。
これまでは、特定のサーバーにネットワークが依存していたため、サーバーの不具合により機能障害が発生するケースもありました。
Web3は、サーバーを介さずに端末同士で直接やり取りが可能になるP2Pによるネットワーク接続を利用しています。
そのため、アクセス制限がないほか、サーバーのアクセス集中も防げて、機能障害を回避しやすいです。より効率的なデジタル資産・各種情報のやり取りが可能になるでしょう。
Web3のメリット・デメリット
Web3のメリットとしては、次の2点が挙げられます。
- セキュリティが強化される
- 直接取引ができるため手数料が不要になる
一方、デメリットとしては次の3点が挙げられるでしょう。
- ある程度の知識が必要
- 法的な整備が追いついておらず規制を受ける可能性がある
- スケーラビリティ問題
メリット・デメリットを1つずつ解説します。
メリット:セキュリティが強化される
Web3のメリットの1つとして、セキュリティが強化される点が挙げられます。
これまでのWeb2.0では、ハッカーが大企業のプラットフォームをサイバー攻撃することにより、大勢のユーザーの個人情報が漏洩するリスクがありました。
Web3の分散型ネットワークでは個人情報をプラットフォーム企業に提供する必要がないため、プラットフォームに対するサイバー攻撃の被害に巻き込まれる心配はありません。
また、Web3で使用されるブロックチェーン技術は、データの改ざんや破壊などが事実上不可能とされています。
メリット:直接取引ができるため手数料が不要になる
Web3の別のメリットは、直接取引ができるため手数料が不要になることです。
現在、巨大企業のプラットフォームを利用する場合、手数料を支払わなければならない場面が多くあります。
たとえば、Amazonのようなプラットフォームを利用して商品を販売する場合、販売手数料として10~15%程度の手数料がかかるでしょう。
また、アプリ内課金などの有料コンテンツでは、15~30%程度の手数料がかかるケースもあります。
Web3ではプラットフォームを利用する際の手数料を支払わなくても良いため、販売者は利益が増えるでしょう。また、コンテンツの販売価格が下がるため、購入者の負担する金額も軽減される可能性があります。
デメリット:ある程度の知識が必要
一方で、Web3のデメリットとしては、利用するためにある程度の知識が必要になることが挙げられるでしょう。
これまでのWeb2.0では、中央管理者がサービス利用のサポートをしていましたが、Web3では基本的にすべてが自己責任です。
また、日本語ではないサービスが多く、英語利用が前提になります。ある程度のIT知識も求められるため、サービス利用のハードルが高いといえるでしょう。
デメリット:法的な整備が追いついておらず規制を受ける可能性がある
Web3のデメリットには、法的な整備が追いついていないため、規制を受ける可能性がある点も挙げられます。
ブロックチェーン技術はWeb3は新しいサービスなので、法的な制度や税制の面で追いついていないのが現状です。
実際に日本の税制が原因で、Web3関連企業が海外に流出する状況がみられています。
政府はWeb3を国家成長戦略の柱に据えることを公言しており、将来的には法整備されていくと考えられますが、まだ時間がかかるでしょう。
デメリット:スケーラビリティ問題
スケーラビリティとは、拡張可能性のことを指します。
Web3のネットワークは、多くのトランザクションやデータを処理する必要がありますが、現在の技術ではそうしたデータを処理する能力はまだ十分ではありません。
そのため、多くのユーザーが同時にアクセスすることによってネットワークの遅延や、トランザクションの確認時間が長くなることが問題となっています。
このトランザクションの確認を優先的に行ってもらうために、高い手数料が必要となる場合もあります。
このように、スケーラビリティの問題は手数料の高騰にも関連してくる重要な問題です。
そのため、インターネットやそこで行き交うデータの増加にどの程度対応できるかというスケーラビリティは解決すべき重要な課題といえるでしょう。
Web3の代表的な技術は?
現在のところ、まだあまり普及していないWeb3ですが、代表的な技術には次のようなものがあります。
- GameFi
- NFT(非代替性トークン)
- DeFi(分散型金融)
- DAO(自立分散型組織)
それぞれの技術について詳しく解説します。
GameFi
Web3の代表的な技術として、「GameFi(ゲーミファイ)」があります。GameFiは、「Game(ゲーム)」と「Finance(金融)」を組み合わせた造語です。
ブロックチェーン技術を活用したゲームのことで、ゲームをプレイすることによって利益を得られます。ゲーム上で暗号資産やNFTを獲得し、マーケットプレイスで売買することによって稼げる仕組みです。
GameFiで稼ぐには、ステーキングで利回りを得る方法もあります。ステーキングとは、自分の保有する仮想通貨を特定のプラットフォームに預け入れて報酬を得る仕組みです。
また、スカラーシップと呼ばれるレンタルシステムもあり、ゲームによってはゲーム内のNFTを貸し出すことにより稼げる可能性があります。
NFT(非代替性トークン)
NFT(ノン-ファンジブル トークン)とは非代替性トークン「Non-Fungible Token」の略で、簡単にいえば、デジタルデータに唯一無二の資産的な価値を与える証明書のようなものです。
これまでのデジタルデータはコピーや改ざんが容易にできましたが、ブロックチェーン技術を使うことにより、本物のデジタルデータであることが証明できるようになりました。
結果として、デジタルデータを実際の骨とう品やトレーディングカードのように、希少価値を上乗せしてインターネット上で取引することが可能です。
実際、中には数億円の価値がつくデジタルアート作品もあります。NFTアートの購入・販売は、NFTマーケットプレイスで可能です。
ほかには、オンラインゲームのアイテム・トレーディングカード・学位の証明などの分野でもNFTは活用されています。
NFTで資産を増やす方法としては、NFT関連銘柄や関連通貨に投資する方法も挙げられるでしょう。
DeFi(分散型金融)
DeFi(ディーファイ)とは「Decentralized Finance(分散型金融)」の略で、ブロックチェーン技術を活用した、中央集権的な管理者を必要としない金融サービスです。
銀行・証券会社・仮想通貨取引所などの中央集権的な管理者のサービスを利用すると、入出金に時間がかかったり、手数料が高かったりするなどのデメリットがあります。
DeFiは管理者を介さずユーザー同士が直接取引するため、入出金が高速で、手数料も安いことがメリットです。
また、口座を開設するために特別な手続きや審査も必要がなく、住んでいる地域に関係なく利用できます。
一方で、利用するためには必ず仮想通貨が必要になることや、何が起きても自己責任になるなどのデメリットもあります。
DAO(自立分散型組織)
DAOは、ブロックチェーン技術を基盤とした組織の形態です。
従来の企業や組織とは異なり、DAOは中央集権的な管理者や経営者が存在せず、すべての意思決定はコミュニティのメンバーによって行われます。
これにより、透明性が高く、公平な組織運営が可能です。
DAOの採用により、多くのプロジェクトやコミュニティが新しい組織の形態を模索しています。
Web3を活用したサービスの事例
Web3の技術を活用したサービスは、近年急速に増えてきました。
これらのサービスは、従来の中央集権的なシステムとは異なるアプローチを取り入れ、ユーザーの権利を重視した新しい価値を提供しています。
Web3を活用した注目の主なサービスとしては以下のサービスが挙げられます。
- Brave(ブレイブ)
- OpenSea(オープンシー)
- MyCryptoHeroes(マイクリプトヒーローズ)
- Uniswap(ユニスワップ)
- CyberConnect(サイバーコネクト)
ここでは、これら5つの新たなサービスについて詳しく解説をしていきましょう。
Brave(ブレイブ)
Braveは、ユーザーのプライバシーを守ることを主眼に置いたWebブラウザです。
広告をブロックすることで高速なブラウジングを実現しつつも、ユーザーが希望する広告の選択的な表示も可能です。
そして、広告を表示させた場合、BAT(Basic Attention Token)という仮想通貨を獲得できる仕組みが特徴です。
このBATは、好きなコンテンツクリエーターへの寄付や他の仮想通貨との交換が可能です。
OpenSea(オープンシー)
OpenSeaは、NFT(非代替性トークン)の取引が行えるマーケットプレイスとして知られています。
アート・音楽・ゲーム内で利用できるキャラクターやアイテムなど、さまざまなデジタル資産の取引が可能です。
一般的にデジタル情報はコピーが容易であり、オリジナルのものとコピーされたものを見分けられません。
しかしながら、OpenSeaでは、ブロックチェーン技術を活用して各資産のオリジナル性や所有権を証明できるようになっています。
MyCryptoHeroes(マイクリプトヒーローズ)
MyCryptoHeroes(マイクリプトヒーローズ)は、ブロックチェーンを活用した戦略的バトルゲームです。
プレイヤーは歴史上の英雄を収集・育成し、他のプレイヤーとのバトルを楽しめます。
ゲーム内のアイテムやヒーローはNFTとして取引が可能で、また、ゲーム内で発行される仮想通貨は換金も可能です。
このように、MyCryptoHeroesは独自の経済圏を形成しており、プレイしながら稼げるゲームでもあります。
Uniswap(ユニスワップ)
Uniswapは、イーサリアム上で動作する分散型の仮想通貨取引所(DEX)です。
スマートコントラクトを活用して、中央集権的な取引所を介さずにユーザー間で直接取引が行えるのが特徴です。
これにより、取引手数料の削減や取引の透明性が向上しています。
CyberConnect(サイバーコネクト)
CyberConnectはブロックチェーン技術を核にした新世代のデジタルアセットプラットフォームです。
このプラットフォームは、デジタルアセットの取引や管理をよりシンプルかつ安全に行うことを目的として設計されています。
特に、基本的なウォレットの作成や取引の実行だけでなく、高度なセキュリティ機能も提供している点が特徴です。
これにより、ユーザーは安心してデジタルアセットの取引や管理を行えます。
まとめ
本記事では、Web3とは何かについてご紹介しました。Web3とは簡単にいえば、ブロックチェーン技術などを利用した、分散型の次世代インターネットです。
Web3が注目されているのは、個人が情報データを自分で管理できたり、より効率的なやり取りが可能になったりするためです。
Web3には、セキュリティが強化されることや、直接取引ができるため手数料が不要になるなどのメリットがあります。
一方、デメリットとしてはある程度の知識が必要なことや、法的な整備が追いついておらず規制を受ける可能性があることが挙げられるでしょう。
Web3の代表的な技術には、GameFi・NFT・DeFiなどがあり、今後需要が高まっていくでしょう。
さらに、今注目を集める生成AIリスキリングの第一歩を。生成AIパスポートとは?
生成AIパスポートは、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が提供する、AI初心者のために誕生した、生成AIリスクを予防する資格試験です。AIを活用したコンテンツ生成の具体的な方法や事例に加え、企業のコンプライアンスに関わる個人情報保護、著作権侵害、商用利用可否といった注意点などを学ぶことができます。
⽣成AIの台頭により、AIはエンジニアやデータサイエンティストといった技術職の方々だけではなく誰もがAIを使えるようになりました。今、私たちがインターネットを当たり前に活用していることと同様に、誰もが生成AIを当たり前に活用する未来が訪れるでしょう。
そのような社会では、採用や取引の場面で、生成AIを安全に活用できる企業・人材であることが選ばれる前提条件になり「生成AIレベルの証明」が求められることが予測できます。生成AIパスポート試験に合格すると、合格証書が発行されるため、自身が生成AIを安全に活用するためのリテラシーを有する人材であることを、客観的な評価として可視化することが可能です。
ぜひあなたも生成AIレベルを証明し「生成AI人材」に仲間入りしましょう!