強いAI(汎用型)と弱いAI(特化型)とは?特徴やそれぞれの違い、シンギュラリティとの関係性を解説!
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皆さんは強いAIと弱いAIをご存じですか?強いとか弱いとか聞くと、武力的、腕力などを思い浮かべるかもしれませんが、もちろん違います。ある観点から強い・弱いと分けることができます。
今回は強いAIと弱いAIにスポットを当て、それぞれの特徴や違い、活用事例について解説していきます。
強いAIと弱いAIとは?
強いAIと弱いAIとはそれぞれどういうものなのか、2つのAIの解説を行っていきます。
強いAIと弱いAIの由来
そもそも強いAIと弱いAIの由来は哲学者ジョンサールが発表した論文がベースになっています。1980年にジョンサールが論文の中で強いAIと弱いAIの考え方を発表しています。この論文の中でジョンサールは強いAIは実現不可能としています。
元々人工知能に懐疑的な立場をとっており、人工知能そのものを批判していました。ただ、ジョンサール自身は哲学者に過ぎず、人工知能の開発者ではないあたりは留意すべき点です。
強いAI
ジョンサールが定義づけをする強いAIは、コンピューターが道具ではなく、精神が宿るとしています。ジョンサールは脳そのものは機械とし、エネルギーを転送する中で意識が生じるという考え方を持っており、精神が宿るようなAIが強いAIであると考えられます。
AIそのものが自意識を持っており、その自意識から様々な行動を起こせるのが強いAIです。アニメなどで見かけるロボットたちがいわゆる「強いAI」となりますが、現状では強いAIは存在していないというのが多くの人の見解です。
弱いAI
一方、弱いAIは与えられたことをこなしていくようなAIであり、特定のことに特化したものを指します。先ほどのように自意識などはなく、特定の分野に関することだけをこなしていくような形です。
例えば、将棋ソフトのAIは将棋のことだけを考えて作られているため、将棋以外のことを考えるようには作られていません。こうした弱いAIが世の中に大量に出回っており、強いAIに進化を遂げるような状態ではないと言えます。
強いAIと弱いAIの特徴
強いAIと弱いAIにはどのような特徴があるのか詳しくご紹介していきます。
強いAIの特徴
強いAIはまさに人間と同じような知能や自意識を持っていることが特徴です。人間と同じように意識を持ち、まるで人間のようなことを考えられるのが強いAIと言えます。ディープラーニングなどの登場で、AIは人間の想像を絶するような考えや答えを思いつくようになったと言われています。
その一方で、結局のところ、プログラミングの範疇から脱することができない、いわゆる「フレーム問題」に直面している状況です。強いAIはこれからも登場はしない、もしくは登場しても相当な時間がかかるという見方もあります。
弱いAIの特徴
弱いAIは特定の分野における能力は高いものの、人間が持つような知能、自意識を有していないのが特徴です。与えられたことを行い、人間が期待する以上の結果を残せるかどうかが、強いAIの存在意義となります。
弱いAIとはいえ、その進化は加速度的なものであり、わずか数年、もっと言えば半年、1年で状況は大きく変わります。しかしながら、弱いAIは弱いAIのままであり、自意識を持たない限りはどれだけ優れたAIであっても弱いAIと称されてしまうのです。
強いAIと弱いAIでは語れない理由
そもそも強いAIと弱いAIのような区別の付け方は適切ではないという見方があります。そもそも強いAIと弱いAIは自意識を持つかどうかの差であり、現状ではどれだけ性能のいいAIだろうが、欠陥だらけで話にならないAIだろうが、弱いAIに変わりはありません。
しかし、現状のAIを見ると、明らかにAIの差は激しく、そのAIが行える範囲などを考えると、強いAIと弱いAIで区別しようとすること自体が間違いであり、何の意味もなさないことが言えるでしょう。
そもそも強いAIと弱いAIという区別は1980年に哲学者が考案したものであり、その当時のテクノロジーの状況では細かな区別はつけにくいと考えられます。こうしたことを踏まえ、最近では強いAIと弱いAIではなく、特化型AIと汎用型AIという分け方が一般的です。
強いAIと弱いAIではない、特化型AIと汎用型AIの違い
強いAI、弱いAIではない形の、特化型AIと汎用型AIの分け方について詳しくご紹介していきます。
特化型AIとは
特化型AIは文字通り、特定の分野などに特化して用いられるAIです。決められたプログラムの中で決められた仕事をこなしていくため、いわゆる「弱いAI」の最たる例と言えます。
こうした特化型AIは自動運転や将棋囲碁のAIなどが該当します。これらは運転・将棋・囲碁以外のことはこなせません。1つのことに特化しているAIなので特化型AIと言われています。
汎用型AIとは
一方、汎用型AIは複数の役割が期待されているAIで、特化型AIと比べるとやれることの幅が広く、守備範囲が広いのが特徴的です。強いAIではないですが、やれることの幅が広い分、柔軟な対応がしやすいのが汎用型AIのポイントです。
実際のところ、汎用型AIはまだまだ実用的なAIではなく、研究が続いているAIの1つです。この汎用型AIが登場することで、いよいよ強いAIへの階段が作られていくことが言えるでしょう。
人工超知能の存在
仮に汎用型AIが登場し、急成長を遂げたとして次に登場するAIに人工超知能があります。人工超知能は人間を超える知能を持つAIであり、強いAIの範疇に入ってくるであろう存在と言えるでしょう。
自分の頭で考え自分で決定できることから、「自意識」がなかったとしても人類からの指示がなかったとしても自分で考えられるため、強いAIの部類に入ると言えます。
強いAIと弱いAI、シンギュラリティとの関係性
強いAIと弱いAIを語る中でいずれ問題になるとされているのがシンギュラリティの問題です。シンギュラリティはAIが人間の知能を超えるポイントを指しており、その時期が近々訪れるのではないかと以前から指摘されています。
AIが人間を超えると、人間がAIをコントロールできなくなり、様々な問題に発展するのではないかと言われ続けており、シンギュラリティをこのまま迎えても大丈夫かと問題提起をする人も珍しくありません。
そのシンギュラリティですが、2045年に到達すると人工知能の世界では大変有名なレイ・カーツワイル氏が予測しています。その一方、人間が学習させて成長させてきたのがAIであり、AIだけで自主的な学習を行って成長し続けるのは難しいのではないかという見方もあります。
それでいてAIを支える半導体そのもののキャパシティの問題も指摘されており、シンギュラリティを迎えるまでに成長カーブが止まるのではないかという見方もあるのです。
強いAIと弱いAIそれぞれの事例
最後に強いAIと弱いAIそれぞれの活用事例についてご紹介します。
強いAIの場合
強いAIで盛んに例として登場するのはドラえもんです。ドラえもんは22世紀からやってきたとされる猫型ロボットであり、その誕生日は2112年9月3日です。既にドラえもんの誕生日まで100年を切り、あと90年もすればドラえもんの誕生日に追いつくことになります。
またキテレツ大百科に登場するコロ助もある意味では強いAIの一種と言えます。ドラえもんやコロ助が強いAIに該当するのはそれぞれが自意識を持っているからであり、決して知能が高く、何でもできるからではありません。ドラえもんにおける秘密道具の数々は弱いAIに属するものばかりで、それを強いAIであるドラえもんが扱うようなものです。
そんなドラえもんはとっくにシンギュラリティに到達しているものの、人類に配慮する形で動いています。あくまでもアニメの世界ですが、シンギュラリティを迎えた強いAIに求められる姿であることは間違いありません。
弱いAIの場合
弱いAIに関してはあまりにも活用事例が多いため、1つ1つを挙げていくことにキリがない状態です。とはいえ、チャットボットの存在やレコメンド機能など、日々の生活を豊かに、そして、利便性を高めてくれるような存在が多く存在していることは紛れもない事実と言えます。
また気象データを活用したAIも進化を遂げており、これまでは捕捉や予測が難しいとされたゲリラ豪雨に関しても瞬時に観測できるようになっています。数々のAIを開発したGoogle DeepMindは気象予測のAIである「GraphCast」を考案しました。
「GraphCast」は異常気象に関して早い段階で特定でき、自然災害が発生する前に予測が行えるため、何も起きていない段階から洪水が想定される場所を示し、早い段階で避難を行えるようにすることができます。
異常気象は頻発し、人間では想像がつかない出来事が起こり続けていますが、「GraphCast」があれば先回りして対応ができる分、異常気象への備えができるようになります。これだけのことができても弱いAIと称されるのは不思議と言えるでしょう。
まとめ
強いAIと弱いAIの違いは、自意識の有無にあり、決して能力の個体差ではないことが言えます。そして、自意識を持つAIはそう簡単に出てくるものではなく、今後出てくる可能性も断言できるものではありません。
その一方、弱いAIの中ではハイグレードなAIが数多く出ており、もはや弱いAIだけで十分ではないかという声もあります。わざわざ強いAIを目指す必要はなく、弱いAIを取りそろえるだけで何ら問題はありません。それでもシンギュラリティが訪れると力強く語り、既にシンギュラリティに到達しているという人もいるなど、多くの人を魅了させる存在であることは間違いないでしょう。
さらに、今注目を集める生成AIリスキリングの第一歩を。生成AIパスポートとは?
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そのような社会では、採用や取引の場面で、生成AIを安全に活用できる企業・人材であることが選ばれる前提条件になり「生成AIレベルの証明」が求められることが予測できます。生成AIパスポート試験に合格すると、合格証書が発行されるため、自身が生成AIを安全に活用するためのリテラシーを有する人材であることを、客観的な評価として可視化することが可能です。
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