ラズベリーパイとは?機能や特徴、AIや機械学習との掛け合わせでできることを徹底解説!
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皆さんはラズベリーパイをご存じですか?ラズベリーパイはイギリスで作られたもので、日本ではまだなじみがありませんが、今後導入されるかもしれないハードウェアです。
本記事ではラズベリーパイとは何かに着目し、ラズベリーパイで行えることやどのような活用方法があるのか、日本での状況などを解説します。
ラズベリーパイとは?
ラズベリーパイとはどういうものなのか、まずはラズベリーパイに関する基本情報をご紹介します。
ラズベリーパイの概要
ラズベリーパイはイギリスで作られた教育用のハードウェアです。ラズベリーパイはイギリスにあるラズベリーパイ財団が開発し、2012年に販売され、現時点で数千万台を出荷し、日本でも使われているケースがあります。
教育用パソコンなので、値段の安さが魅力的で、安いものではたった1,000円で購入可能です。最新モデルでも1万円ないし2万円で購入できるのも魅力的な存在です。
むき出しになったパソコン
ラズベリーパイは教育用コンピューターとされていますが、実際の見た目は基板の上に電子部品などがついているもので、コンピューターの見た目とは異なります。こうしたコンピューターのことを「シングルボードコンピューター」と言います。
シングルボードコンピューターが手のひらサイズが特徴的で、手のひらに乗っかるような基板の中にコンピューターとしての最低限の機能が詰め込まれているのが特徴的です。
ラズベリーパイの歴史
ラズベリーパイは元々イギリスにおいて、コンピューターに関する教育を学校で広げていくことを目的に作られたものです。当時イギリスにあるケンブリッジ大学では、コンピューターサイエンスに取り組む学生が大きく減っており、危機感を抱いたグループがシングルボードコンピューターの開発に着手しました。
ラズベリーパイは自分の手でプログラミングを行ったり、実験をしてみたりできるような形を目指していました。当初は1000台程度を目標に販売されたものの、本来の教育用ではないところで人気が出て、わずか1年ほどで出荷数200万台を突破するという驚異的なペースで出荷台数を伸ばしていきます。そして、月の生産台数が100万台を確保され続けている状況です。
ラズベリーパイを使用する流れ
ここからはラズベリーパイを使用する流れについてご紹介します。
ラズベリーパイを動かすアイテムを準備する
ラズベリーパイを動かすには、ACアダプターで電源を供給する必要があるほか、ディスプレイやOSをインストールするためのmicroSDカード、マウス、キーボードなどが必要です。
これらをすべて取りまとめたものがAmazonなどで売られている場合があるので、それを購入するのが確実です。
セットアップを行う
まずラズベリーパイにOSをインストールする必要があるため、パソコンにラズベリーパイを動かすOSをインストールし、microSDカードに移します。このカードをラズベリーパイに挿入して準備したものを接続して立ち上げます。
あとはラズベリーパイの初期設定を行い、インストールなどを行っていけばこれで使えるようになります。英語表記など難しい点もありますが、1つ1つ段階を踏んでこなしていけば簡単にセットアップが行えます。
ラズベリーパイの機能
ラズベリーパイにはどのような機能があるのか、ラズベリーパイに搭載されている機能をご紹介します。
カメラ機能
ラズベリーパイにはカメラ機能が搭載されています。もちろんカメラそのものがついているわけではなく、ラズベリーパイとカメラモジュールを接続することで活用します。接続自体は簡単に行えるほか、プログラミングの画面を立ち上げてコマンド入力をすれば、撮影が行えるようになります。
ラズベリーパイにはUSBも搭載されているのでマイクを接続すれば音声も録音できます。ラズベリーパイを監視カメラのような形で利用することもできるなど、ラズベリーパイの汎用性の高さをうかがわせます。
無線LAN・Bluetooth
ラズベリーパイの汎用性の高さをサポートするのが無線LANやBluetoothの存在です。これらがあることでIoT的な使い方が行えるほか、教育用コンピューターだけでなく、産業用にも用いられるケースが増える要素となりました。
しかも、ラズベリーパイは省エネで動かせるため、常に動かし続けることも可能です。常時接続し続けるような形でも利用できるのがラズベリーパイです。値段が高いラズベリーパイのモデルであれば有線LANもつくなど、ハイテクぶりがよくわかります。
ラズベリーパイの特徴
ここからはラズベリーパイの特徴についてご紹介していきます。
とにかく小さくて軽い
ラズベリーパイの特徴はとにかく小さくて軽いことが特徴です。最も有名なモデルであるラズベリーパイ4の場合、その大きさはクレジットカードとほぼ同じ、重さもたった47グラムと破格の小ささ、そして軽さです。
これだけ小さくてしかも軽いとなると、ラズベリーパイをプログラミングする形でIoT的な使い方が行えるようになります。
性能はすごいのに安い
ラズベリーパイの性能は素晴らしく、IoT的な使い方ができるくらいにハイスペックです。AIや機械学習との相性も抜群なラズベリーパイですが、そんな高性能なのに価格は安く、数千円で購入可能です。
中でも高性能で、色んなパーツがついてくるとなると値段も高いですが、それでも1万円台に収まります。しかも、その値段も至れり尽くせりな状態で1万円台、Amazonでも手に入るため、全国どこでもすぐゲットできるような状態と言えるでしょう。
この値段に収まっているのは、元々教育用コンピューターとして作られた経緯があり、今もその方針に変わりがないためです。半導体不足が叫ばれている中でもまだ手が出しやすい値段にとどまっています。
自宅で簡単に電子工作ができる
値段も安く、少々の知識さえあれば自宅で簡単に電子工作ができます。近年は人感センサーや超音波の距離センサーなどが安い値段で手に入り、しかもそんなに値段がしません。例えば自宅前にセンサーを置いてチャイムが聞こえにくいところでも誰が来たかを確かめられるものを作り、ラズベリーパイが通知するというのも可能です。
これまで高い値段を出して立派なシステムを購入していたケースでも、自作することが可能になります。子供の自由研究にもいいですが、個人で創意工夫をしたい方でもラズベリーパイがあれば簡単にできます。
ラズベリーパイとAI・機械学習との掛け合わせでできること
ラズベリーパイとAI・機械学習を掛け合わせる中でできることをまとめました。
自動運転
ラズベリーパイでは自動運転を行うラジコンなどを作ることができます。走行させる道、操作などを覚えさせれば、あとはラズベリーパイを搭載して動かすだけです。
シンプルなコースを走らせる形であればそこまで多くのデータも必要とはなりません。サーキットを走らせるような形で進めていったり、障害物を部屋の中において走らせたりしてデータを増やしていきます。カメラをいくつか用意しておけば、より効率よく学習が行えます。
自動運転といっても実際の車を動かすことはできませんが、ラジコン程度であれば自動運転が行えます。この技術はラジコン以外にも応用することが見込めるので、自動運転のメカニズムを知るのに役立つことは確かです。
手書きの書類を電子化する
ペーパーレス化が進み、できるだけ電子化することが一般的になりつつあります。その中で手書きの書類を電子化するためにラズベリーパイを活用する手が存在します。ラズベリーパイがあれば、手書きの書類をカメラで読み取り、そのデータをAI-OCRを使って読み取って、修正すべきところを機械学習を行って正確に認識していくことが可能です。
最初のうちはなかなか認識してもらえなくても、機械学習を重ねていく中で次第に精度は高まっていきます。領収書など紙の書類を管理するのは本当に大変であり、電子化の波は激しく押し寄せています。その中でラズベリーパイを活用する形で電子化できるのであれば、非常に便利になることは間違いありません。
検品作業が行える
カメラが接続できるラズベリーパイの性能を最大限に活用して行えるのが、工場での検品作業です。元々検品作業はAIを用いて行うことができますが、これをラズベリーパイに担うことが可能です。
今までは人間の目で検品作業が行える中で、機械学習で画像の認証を行っていけば次第に検品作業の自動化につなげられるようになります。ラズベリーパイにカメラモジュールを取り付けて、あとはAIのセッティングさえしてしまえばどこでも検品作業が行えます。中小企業、スタートアップ企業でも検品作業が行えるようになるのはまさにラズベリーパイのおかげです。
まとめ
ラズベリーパイが日本の教育現場でも使われ始めており、プログラミングなどをやってもらってラズベリーパイを活用して作品を作ってもらう活動も一部で展開されています。この時、ゴールを設定せず、その都度課題を出して取り組んでもらうことで、どんどん意欲を引き出して挑戦をさせていくことができます。
その一方、ラズベリーパイを活用するのは一部にとどまっているのが実情です。日本の教育機関全体で用いられるようになればAI人材、IT人材の底上げにつながることは間違いありません。楽しくプログラミングに挑めて、場合によっては日常の生活をよりよいものにできる体験がラズベリーパイで行えることはプラスです。
ラズベリーパイはまだまだ日本で知られていませんが、今後多くの人に知られることを期待せずにはいられません。
さらに、今注目を集める生成AIリスキリングの第一歩を。生成AIパスポートとは?
生成AIパスポートは、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が提供する、AI初心者のために誕生した、生成AIリスクを予防する資格試験です。AIを活用したコンテンツ生成の具体的な方法や事例に加え、企業のコンプライアンスに関わる個人情報保護、著作権侵害、商用利用可否といった注意点などを学ぶことができます。
⽣成AIの台頭により、AIはエンジニアやデータサイエンティストといった技術職の方々だけではなく誰もがAIを使えるようになりました。今、私たちがインターネットを当たり前に活用していることと同様に、誰もが生成AIを当たり前に活用する未来が訪れるでしょう。
そのような社会では、採用や取引の場面で、生成AIを安全に活用できる企業・人材であることが選ばれる前提条件になり「生成AIレベルの証明」が求められることが予測できます。生成AIパスポート試験に合格すると、合格証書が発行されるため、自身が生成AIを安全に活用するためのリテラシーを有する人材であることを、客観的な評価として可視化することが可能です。
ぜひあなたも生成AIレベルを証明し「生成AI人材」に仲間入りしましょう!