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Q学習とは何?特徴やSARSAとの違いについてわかりやすく徹底解説!

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近年高い注目を集めている機械学習の手法の1つに強化学習があり、その強化学習にもいくつか手法が存在します。

強化学習の中でも、ゲーム開発やロボット工学で活用されることの多い手法に「Q学習」があります。

今回は、Q学習の特徴やSARSAとの違いについてわかりやすく徹底解説します。

強化学習とは?

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強化学習とは、機械学習の手法の1つであり、AIが与えられたデータを試行錯誤して学習し、最適な結果を導き出す手法のことです。

強化学習の基本用語

この強化学習では、主に以下の用語が重要になります。

  • エージェント:強化学習を行う学習者のこと

強化学習ではAIがエージェントになる

  • 環境:エージェントが行動するための基盤のこと

エージェントは与えられた環境を活用して学習を進めていき、結果を導き出す

  • 状態:エージェントの今の状態のこと

エージェントは与えられた環境で行動して今の状態から次の状態へ変化する

  • 行動:エージェントが学習のための起こす行動のこと

エージェントが学習のために行動すると報酬が与えられて状態が変化する

  • 報酬:エージェントの行動で状態が変化した際に環境から与えられる値のこと

エージェントの行動の結果、変化した状態を数値化したもので、その数値がエージェントに報酬として付与される

強化学習の仕組み

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強化学習の仕組みを理解するには、上記で解説した5つの用語が重要になります。

主に強化学習では、AIはエージェントとして学習を進めていきます。

そして学習のための行動を起こして結果を出すごとに環境が変化し、環境が変化すると状態が次の状態に進む仕組みです。

ここでエージェントが起こした行動の結果、状態が変化すると環境から、エージェントに報酬が付与されます。

AIは、この報酬を最大化させるために動作します。

Q学習とは?

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Q学習とは、Q値を用いて学習する強化学習の手法の1つです。

Q値とは、特定の状態で特定の行動の価値を数値として表したもので、このQ値を各行動割り当てることで、行動した時に報酬がもらえます。

また、Q学習では「Qテーブル」という表を使って状態と行動とQ値を管理しており、この表を元にエージェントの行動ごとにQ値を更新していきます。

Q学習以外の強化学習の手法

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強化学習には、Q学習以外にも主に以下2つがあります。

  • SARSA
  • モンテカルロ法

ここでは、以上2つの強化学習の手法について解説します。

SARSA

SARSAとは、以下5つの要素から構成されている学習方法です。

  • S:現在の状態
  • A:エージェントの行動
  • R:報酬
  • S2:行動後の状態
  • A2:S2で判断されたエージェントの次の行動

SARSAでは、「新たな行動」ではなく「実際に行動した結果」で期待値を見積りQテーブルの値を更新することが、Q学習との大きな違いであり特徴の1つです。

そのため、SARSAではエージェントが現在の状態を更新するためには再び行動を起こす必要があります。

モンテカルロ法

モンテカルロ法(MC法)とは、エージェントの行動によって付与された報酬が不明な状態で利益を最大化させるように学習する手法のことです。

主に、エージェントが同じ行動を繰り返し行って出力された結果の報酬の平均値を算出し、その後平均値よりも高い平均値を得られるように学習します。

Q学習やSARSAなどの手法よりも計算時間が長くなる傾向がありますが、同じ行動を繰り返す回数が多いほど、平均値の高い結果を算出させられるというメリットがあります。

強化学習でできること

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強化学習でできることには、主に以下6つがあります。

  • エレベーターの抑制システム
  • 広告の最適化
  • ゲーム開発
  • コンテンツのレコメンド
  • 自動運転
  • ロボットの抑制

ここでは、以上6つの強化学習でできることについて解説します。

エレベーターの抑制システム

強化学習はエレベーターの抑制システムで活用されています。

エレベーターの抑制システムは、エレベーターを効率的に稼働させるための仕組みを構築する必要があります。

強化学習では、利用者を短時間で目的のフロアまで移動させるための方法を構築して、より快適なエレベーターの稼働を実現させることが可能です。

広告の最適化

広告の最適化にも強化学習が活用されています。

Webサイトにアクセスしたユーザーに対してどの方法が最も効果的に広告を配信できるか、AIが試行錯誤して結果を導き出します。

そしてその結果を実際に実践することで検証し、さらに試行錯誤を繰り返すことで、より効果的な広告配信が可能です。

ゲーム開発

ゲーム開発では、テスト作業に多くのコストが必要です。

さらに、スマホアプリのリリースでは、リリースした後も何度もアップデートを行う必要があるので、その都度コストがかかります。

強化学習では、以上の作業を効率的に行うための方法を学習し、テストやアップデートにかかるコストを削減させることが可能です。

また、ゲームバランスの調整作業の効率化や開発工数の削減にも貢献します。

コンテンツのレコメンド

強化学習を活用することで、効果的にコンテンツのレコメンドシステムを構築できます。

インターネット上には、数え切れないほどのコンテンツが存在しているので、ユーザーは完全に自分の好みのコンテンツを見つけることが困難です。

しかし、強化学習によってユーザーにおすすめのコンテンツを提供するためのシステムを構築することで、利用率や売上に貢献します。

強化学習では、ユーザーの利用率や興味、属性や流行りなどのデータを学習し、それぞれのユーザーに最適なコンテンツがどれなのかを学習していきます。

自動運転

自動運転は、強化学習を活用した学習が必要な分野の1つです。

人間であれば、体のさまざまな器官を使って柔軟で瞬時に障害物や信号、人間へ対応できますが、AIは学習していないデータに対して対応することができません。

そこで、強化学習を活用して安全な運転を実現させるための方法を学習させて、人間のように障害物や信号などにスムーズに対応できるように開発が進められています。

そのため、将来的に実用化されていく自動運転車のほとんどに強化学習によるシステムが搭載されていることでしょう。

ロボットの抑制

ロボットの抑制システムにも、強化学習は活用されています。

さまざまなセンサーを搭載している産業用のロボットから家庭用のロボットまで幅広いロボット製品に強化学習による抑制システムが搭載されています。

強化学習によって、ロボットはより効率的で最適な動作を学習し、状況に応じた柔軟な判断が行えるようになります。

例えば、掃除ロボットでは効率的にゴミを回収するために最適な動作を学習し、精度を向上させていくことが可能です。

そのため、ロボットの抑制システムには強化学習がとても効果的に活用できます。

Q学習・強化学習に適しているPythonとは?

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Q学習や強化学習をはじめとした機械学習は、Pythonを使うことが最も適しています。

ここでは、機械学習でPythonが適している理由をPythonの特徴を交えて解説します。

初心者でも扱いやすい

Pythonは、ソースコードがシンプルで可読性が高いことが特徴的なので、初心者でも比較的扱いやすいプログラミング言語です。

これからプログラミング学習を始める方やプログラミング初心者であっても理解しやすく短期間で機械学習を行うこともできます。

そのため、気になる方はPythonをインストールして学習してみることをおすすめします。

ライブラリやフレームワークが豊富にある

Pythonは、機械学習やディープラーニングに使える以下のようなライブラリやフレームワークが豊富に提供されています。

  • NumPy
  • Pandas
  • Matplotlib
  • Seabor
  • TensorFlow
  • PyTorch

そのため、複雑な計算やデータ分析、膨大なビッグデータの解析などを効率的に行うことができ、強化学習も効果的に行えます。

また、無料で使えるライブラリやフレームワークも多く存在しているので、気になる方は1度試してみることをおすすめします。

参考資料や情報が多い

Pythonは、世界中で多くの企業やユーザーが扱っており、豊富な実績があります。

そのため、Pythonに関する書籍や論文、Webサイトや動画などの情報が大量に公開されており、誰でも気軽に学習することが可能です。

さらに、プロのPythonエンジニアによって公開されている情報や初心者向けの情報まで幅広く存在しているので、効果的に学習できます。

これからPythonを学習する方は、無料で始められるインターネットを活用して学習してみることをおすすめします。

Q学習の活用事例

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Q学習は、強化学習でできるゲーム開発の中でも迷路ゲームや脱出ゲームなどのプレイヤーが戦略を練って最適な結果を導き出す必要のあるジャンルのゲームで活用されています。

さらに、ゲームだけでなくロボットの設計・製作・制御を行うロボット工学でも活用されることが多いです。

また、Q学習を含む機械学習はPythonを用いることで、誰でも仕組み構築することができるので、柔軟に活用できることが特徴的です。

まとめ

Q学習は、強化学習の手法の1つでありゲームやロボット工学に活用されています。

さらに、Pythonを使うことで誰でも仕組みを構築することができるので、AIや機械学習に関心のある方は挑戦してみることをおすすめします。

ただ、初心者にとっては少し難しい部分も多いので、しっかりと知識を身に付けてから行うようにしましょう。

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