PyTorchとは何?特徴やできること|インストール〜実装、メリット・デメリットまでわかりやすく解説
INDEX
- PyTorchとは?
- フレームワークとは?
- PyTorchの特徴
- PyTorchでできること・事例
- PyTorchのメリット
- 直感的に扱うことができる
- 世界中でコミュニティが活発
- define by run方式を採用している
- GPUを使用して計算できる
- 有名クラウドサービスに対応している
- PyTorchのデメリット
- 情報収集には英語力が必要
- APIのレベルが低いから難易度が高い
- ほとんど研究がメインに使われている
- PyTorchのインストール方法
- Pythonをインストールする
- PyTorchをインストールする
- 適切なインストールコマンドを選択する
- PyTorchの学習方法
- まとめ
- さらに、今注目を集める生成AIリスキリングの第一歩を。生成AIパスポートとは?
機械学習を行う方は年々増加していることから、機械学習を効果的に行うためのライブラリも数多く提供されるようになりました。
PyTorchもそんな機械学習ライブラリの1つであり、世界中で利用されている人気の高いライブラリです。
今回は、PyTorchの特徴やインストール方法、メリット・デメリットまでわかりやすく解説します。
PyTorchとは?
PyTorchとは、Meta社(元Facebook社)のAI研究グループが開発したオープンソースの機械学習ライブラリのことです。
主に、Pythonで機械学習を行う場合に利用するための機械学習ライブラリで、AI開発やIot開発、Webサービス・アプリ開発などの分野で活用されています。
さらに、テンソル計算やディープラーニングを気軽に行うための機能などが搭載されているので、世界中で高い人気があります。
さまざまな分野に活用できることから、今後ビジネスや生活で応用されていくことでしょう。
フレームワークとは?
そもそもフレームワークとは、「枠組み」という意味の言葉であり、コンピュータの世界ではプログラミングに必要な機能を1つにまとめた枠組みのことです。
このフレームワークを利用することによって、1からプログラミングを行わなくても1部のプログラムを修正するだけで利用できます。
そのため、プログラミングを効率的に行うことができ、短期間で高機能な開発が可能です。
PyTorchの特徴
PyTorchには、主に以下のような特徴があります。
- 誰でも無料で使うことができる
- 構文がわかりやすく可読性が高い
- 直感的にコードを書くことができる
- GPUを使用して計算できる
- Alibaba Cloud・AWS・Google Cloud Platform・Microsoft Azure などの有名なクラウドサービスに対応している
- 豊富なPyTorchコミュニティが活発に活動している
- 動的な計算グラフで設計された「define by run方式」を採用している
- 利用者が多く参考文献や資料が豊富に提供されている
- ディープラーニングの開発・研究で効果的に使える
PyTorchでできること・事例
PyTorchには、さまざまな特徴があることから機械学習を行う世界中の人々から高い人気を集めています。
そんなPyTorchでできること・事例には、主に以下のものがあります。
- 自然言語処理による文章生成・機械翻訳
- 画像認証システム
- 物体検知システム
- 画像解析システム
- 音声認識機能
以上の機能やシステムは、PyTorchを使用した研究・開発を利用して行われてることが多いです。
PyTorchのメリット
PyTorchは、構文がわかりやすく世界中で人気なことやできることが多いことなどのメリットがあります。
ただ、具体的にどのようなメリットがあるのか気になる方も多いと思います。
ここでは、PyTorchのメリットについて解説します。
直感的に扱うことができる
PyTorchの1つ目のメリットは、直感的に扱うことができることです。
PyTorchは、Pythonエンジニアが扱いやすいようにPythonの数値計算を効率的に行うための拡張モジュール「NumPy」とインターフェースが似ています。
そのため、これまで「NumPy」を利用していたエンジニアは、PyTorchを直感的に扱うことが可能です。
また、テンソル計算や操作も比較的すぐに行えるようになります。
世界中でコミュニティが活発
PyTorchは、世界中で高い人気があるので、コミュニティが活発です。
海外の研究者や開発者はPytorchを使用していることが多いので、活発に活動しているコミュニティも多くあります。
そのため、PyTorchの操作方法や機能などで疑問に思うことがあった場合に迅速に解決させることが可能です。
さらに、インターネット上にも参考文献や資料が多いので、初めて扱う方でも問題を解決させやすいです。
define by run方式を採用している
define by run方式を採用していることも、PyTorchのメリットになります。
define by run方式とは、動的な計算グラフで設計されているアルゴリズムのことです。
データを流しながら計算グラフを構築することが可能なので、処理結果を随時確認しながら動作でき、デバッグもしやすくなります。
直感的にコードを書きながら実装できるというメリットにも繋がっており、初心者でも扱いやすいことが特徴です。
GPUを使用して計算できる
PyTorchは、CUDAというNVIDIA社が自社製GPU向けに開発・提供しているソフトウェアをサポートしているので、NVIDIAのGPUを使用した高速なテンソル計算が可能です。
以上のメリットによってPyTorchは、大規模なシステムやデータセット、複雑なモデル構築にも対応することができます。
さらに、1秒あたりの処理データ量がとても多いので、膨大なデータが必要なディープラーニングも効果的に行うことが可能です。
有名クラウドサービスに対応している
PyTorchは、主に以下のような有名クラウドサービスに対応しています。
- Alibaba Cloud
- AWS
- Google Cloud Platform
- Microsoft Azure など
PyTorchは、クラウド上で利用できるので、場所に縛られることがありません。
さらに、デバイスのスペックや環境に依存しないので、スムーズな研究・開発が可能です。
そのため、PyTorchを利用するための手間があまり多くありません。
PyTorchのデメリット
PyTorchには、さまざまなメリットがありますが、反対にデメリットもいくつかあります。
これからPyTorchの利用を考えている方は、デメリットもしっかりと理解しておくことが大切です。
ここでは、PyTorchのデメリットについて解説します。
情報収集には英語力が必要
PyTorchは、世界中で人気がありコミュニティも活発ですが、日本語での情報やコミュニティはあまり多くありません。
PyTorchに関するほとんどの情報や公式ドキュメントは、英語表記になっており情報収集のためには英語力が必要になります。
さらに、PyTorchのコミュニティに参加して効果的に情報収集したい場合は、日常会話が行えるレベルの英語力や英語のIT・プログラミング用語を覚えることが必要不可欠です。
そのため、PyTorchを利用したい方は、以上のデメリットを理解しておきましょう。
APIのレベルが低いから難易度が高い
PyTorchのAPIは、比較的レベルが低いことから、初心者には難易度が高いです。
主に、他のフレームワークとは操作方法や概念が大きく違うことが多いので、PyTorch以外のフレームワークで得た知識やスキルをあまり活用できません。
さらに、コンピュータの処理言語に近いので、ある程度使い慣れている方でなければ、理解するのにかなり時間がかかります。
そのため、PyTorchを扱うためにPyTorchのAPIについてある程度理解しておくことが大切です。
ほとんど研究がメインに使われている
PyTorchは、主に研究者や開発者による研究を効果的に行うために開発されたフレームワークです。
そのため、AI開発やWebサービス・アプリ開発、Iot開発などの分野での活用もできなくはありませんが、利用用途としてはあまり多くありません。
さらに、実用のための機能やツールがあまり充実していないこともあるので、他のフレームワークよりも使用制限が多いと感じてしまうことが多いです。
PyTorchのインストール方法
ここでは、PyTorchのインストール方法について解説します。
Pythonをインストールする
最初に、Pythonをインストールします。
Pythonのインストールは、Pythonの公式サイトからダウンロードしたPythonパッケージを実行して、「Add Python 3.x to PATH」にチェックを入れて行います。
インストールが完了したら、Windowsなら「コマンドプロンプト」MacOSなら「ターミナル」を選択して、Pythonを出力して起動します。
PyTorchをインストールする
Pythonのインストールが完了したら、続いてPyTorchのインストールをします。
PyTorchの公式サイトからトップページにある「Get Started」をクリックし、その後「START LOCALLY」で環境を選択します。
環境は、使っているOSごとに最適なものを選択します。
なお、何を選択すればいいのかわからない場合は、サイト下部の説明を確認しましょう。
適切なインストールコマンドを選択する
PyTorchは、最適なインストールコマンドを選択することが大切です。
PyTorchのインストールコマンドには、主に以下のものがあります。
- PyTorch Build
- Your OS
- Package
- Language
- CUDA
使用しているOSやPyTorchのバージョンに応じて、最適なインストールコマンドを選択することで、うまくPyTorchを動作させることが可能です。
PyTorchの学習方法
PyTorchについて関心を持っている方は多く、これから学習しようと考えている方も少なくありません。
そんなPyTorchの学習方法には、主に以下のようなものがあります。
- PyTorchの公式チュートリアルを使う
- 本やコミュニティで独学する
- PyTorchを扱える人から学ぶ
PyTorchの学習は決して簡単ではありませんが、しっかりと継続して続けていれば身につけることができるので、これから学習を始める方は参考にしてみてください。
まとめ
PyTorchは、世界中で人気を集めている機械学習フレームワークの1つで、今後も多くのユーザーを抱えていくことでしょう。
ただ、現状では日本語情報が少ないことや研究向けでAPIが低レベルなどの問題点も多くあります。
そのため、PyTorchを十分に利用することが難しいと感じる方も多いでしょう。
しかし、しっかりと学習することで扱えるようになるので、PyTorchに興味のある方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
さらに、今注目を集める生成AIリスキリングの第一歩を。生成AIパスポートとは?
生成AIパスポートは、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が提供する、AI初心者のために誕生した、生成AIリスクを予防する資格試験です。AIを活用したコンテンツ生成の具体的な方法や事例に加え、企業のコンプライアンスに関わる個人情報保護、著作権侵害、商用利用可否といった注意点などを学ぶことができます。
⽣成AIの台頭により、AIはエンジニアやデータサイエンティストといった技術職の方々だけではなく誰もがAIを使えるようになりました。今、私たちがインターネットを当たり前に活用していることと同様に、誰もが生成AIを当たり前に活用する未来が訪れるでしょう。
そのような社会では、採用や取引の場面で、生成AIを安全に活用できる企業・人材であることが選ばれる前提条件になり「生成AIレベルの証明」が求められることが予測できます。生成AIパスポート試験に合格すると、合格証書が発行されるため、自身が生成AIを安全に活用するためのリテラシーを有する人材であることを、客観的な評価として可視化することが可能です。
ぜひあなたも生成AIレベルを証明し「生成AI人材」に仲間入りしましょう!