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人事評価にAIは活用できる?活用事例やAI導入のメリット・デメリット、課題について徹底解説

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人事評価 ai

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人事評価 ai

皆さんは人事評価を気にしたことはありませんか?ほとんどの人は人事評価を気にしたことがあり、自分がどのような評価なのかと不安に感じた方もいるはずです。そんな人事評価がAIで決まってしまうかもしれない時代になっています。

本記事では人事評価にAIを活用できるかという点を中心に人事評価に関する現状の課題や導入のメリット・デメリットなどをまとめました。

人事評価にAIを用いざるを得ない現状の課題

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ここからは人事評価を取り巻く現状の課題についてご紹介します。

人事評価の業務は複雑化しやすい

人事評価の業務は基本的に煩雑であり、複雑化しやすいと言えます。複雑化しやすい要因にはいくつかのことが考えられ、その中の1つが人事評価の設計ミスです。人事評価は複数の評価項目などで構成されていますが、柔軟性に欠けてしまうような人事評価を作ってしまうと、正しい評価がされにくくなります。

また、人事評価をしようにもたくさんの情報を取り入れないことにはうまく評価ができないケースや人事評価の仕組みを作ったのはいいけれどどのように運用すればいいかわからないケースなどがあるのです。

このような環境だとおのずと人事評価の業務は複雑化しやすくなります。複雑化してしまうと担当者の業務はそれだけ多くなり、忙殺されることもあるでしょう。

複雑化は業務の難易度の高さを意味する

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例えば、シンプルな仕事は業務の難易度を考えるとそこまで高いとは言えません。もちろん慣れなどもありますが、シンプルであればあるほど難易度が高くなるというのは考えにくいでしょう。

しかし、複雑であればあるほど難易度が低くなるわけでもありません。複雑であればあるほど、仕事の中身はより専門的に、相手との折り合いが欠かせません。この折り合いがつくかどうかが大事な要素となります。

人事評価にAIを用いる意味

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人事評価にAIを用いる意味は、何と言っても人間の仕事量を減らすこと、働き方改革の一環です。煩雑であることや難易度が高いことを考えるとAIに任せるものは任した方が確実です。

複雑化すればするほど対応はしにくく、しかも、分析に長けているのがAIです。たくさんのデータを回収してその中でパターンを見出していくことはAIだからこそできることと言えます。そして、ミスなく淡々と処理できるのも魅力となるでしょう。

人事評価でAIを導入するメリット

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ここからは人事評価においてAIを導入するメリットについてご紹介します。

業務の効率化につながる

人事評価でAIを導入するメリットには、何かとシンプルとは言えない人事評価の仕事に関して効率化を図ることができます。人事評価ではできる限りフェアの評価を行うため、評価項目などを設定し、実際に運用していくことが求められます。

しかし、人間がそのすべてを管理していくことは思う以上に大変なことです。そこで、人事評価でAIを導入することで評価のポイントをどうするかなどの業務をAIに委ねて、負担を軽減させることができます。

今まで人間の手で行ってきたことはAIからすれば「お茶の子さいさい」というようなところです。それほどまでにスピーディーに仕事を行えるのがAIの特性です。

評価項目を柔軟に設定できる

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会社によっては評価項目を設定しても、どの社員にも同じ評価項目が用いられることがあります。例えば、営業の評価項目と事務の評価項目では、同じような仕事をしているわけではないのに、同じ物差しで評価しようとしてもハレーションが起きるのは当然と言えます。

そのため、営業なら営業、事務なら事務とそれぞれの職種において評価項目を柔軟に設定していくことが求められます。一方で、いかに評価項目をまとめていくかはそれなりに大変であり、それに関連した業務をこなす必要性が出てきます。

その点、AIは煩雑な作業、業務があったとしても持ち前の処理能力でカバーします。人の手でやれば時間がかかることも、AIだとすんなりこなせるからこそ、柔軟な活用につながるのです。

恣意的な運用になりにくい

人事評価で最も想定されるのは、恣意的な運用をされるのではないかという評価される側からの不信です。えこひいきの道具に使われているのではないかなど、本当にそんなことがなかったとしても、嫉妬によってそのような印象を抱かれるケースがあります。

AIにすべてを委ねるような形にすれば、少なくとも人による恣意的な運用はしにくいでしょう。それでも疑う人は疑うでしょうが、それはその人の問題と言えます。少なくともAIによって公平にジャッジをしているとなれば、多くの人には理解をしてもらえるようになります。

人事評価でAIを導入するデメリット

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一方でAIを導入するデメリットもあるのでご紹介します。

なぜその評価がよくわからない

人事評価で導入されるAIは大量の学習データによって作られており、評価に関してはAIからすればちゃんとした裏付けがある状態と言えます。しかし、人間にはその「ちゃんとした裏付け」が見えていないため、なぜその評価に至ったのかがわからないケースが出てくるのです。

評価に関する予測が人間の側では想像がつきにくいために、よくわからない評価になっていると疑問視してしまいます。すると、人事評価に対する不信感が生まれやすく、かといって、導入した側もなかなか想像がつかないために結果的に不信感をぬぐい切れない形になってしまうことが考えられます。

こうした現象を「ブラックボックス化」と言い、AIならではの問題点と言えます。ブラックボックス化をできる限り避けるような対策が必要です。

AIに委ねすぎる危険性

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AIを活用していくこと自体は何も悪いことではありません。しかし、AIに委ねすぎることは様々な危険性を孕みます。人間側で自己決定をする力が失われ、AIの評価を鵜呑みにし過ぎてしまう可能性があり、その点に注意を払わないといけません。

AIが判断してくれることは魅力の1つではありますが、あくまでも人間の補助的な存在であり、AIが実権を握ったかのような活用法だと、やはり社員たちからの指示は得られにくくなるでしょう。

人事評価でAIを導入する際の注意点

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ここからは人事評価でAIを活用していく中での注意点について解説します。

あくまでも人間が主体となる

デメリットのところでもご紹介しましたが、AIに委ねすぎることは危険であり、AIに乗っ取られている状態になったと言っても過言ではありません。言ってしまえば私たち人間が主で、AIが従な状況が理想的であり、AIの判断を全肯定することが従とは言えないでしょう。

「AIはこういう判断をしたけれど、人間の目から見て少し修正したい」という判断は十分に尊重されるべきことでしょう。むしろ、人間が主体となり、あくまでも参考意見としてAIの判断を取り入れていけば、社員の側からすれば納得してもらいやすいと言えます。

いきなり本格導入はしない

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立派なAIのシステムがあるといきなり利用したくなりますが、結局のところ、こうしたシステムにも相性が存在します。もちろんいきなりバチッとハマるケースもありますが、全くハマらず、無駄に終わってしまうケースもあるのです。

そんなことが起きるのですから、いきなり高いお金を出してツールの導入を行い、しかも空振りで終わったとなれば、社内の評価は落ちるでしょう。そのため、いきなりの本格導入は避け、まずはお試し期間で利用していくのがおすすめです。

人事評価でAIを導入した活用事例

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最後にご紹介するのは人事評価でAIを導入した活用事例についてです。

IBMの場合

日本でも知名度が高いIBMは実に40万人近い社員の評価業務に関してAIのサポートが存在します。例えば、給料などを決める際には、AIが従業員の働き方やデータなどを分析していき、結論を出す流れです。

再三ご紹介した通り、あくまでもAIの結果は参考資料であることが求められる中で、IBMも人間が主でAIが従という状態で推移しています。そのため、人間と異なる意見が出ても、最終的には人間を優先できるため、運用する側の柔軟性が見て取れるでしょう。

マイクロソフトの場合

パソコンに触ったことがあるほぼすべての人に知られているであろうマイクロソフトも人事評価にAIを用いています。従業員だけで10万人以上がいる従業員に対しての報酬管理をAIが実施しているのが特徴的です。

AIを有効活用することで得られる効果は年間だけで5000万ドルに迫ると言われています。つまり、AI導入だけで70億円以上の削減効果があると言えるでしょう。マイクロソフトでは世界各国の人が働いていますが、こうした従業員たちがストレスなく働くためにもAIは必要です。

まとめ

人事評価でどのような評価がなされたのか、誰しもが気になります。この評価がAIがつけたとなれば、多くの人が不信感を抱くかもしれませんが、AIがつけたことを言わなければ、多くの人は納得するはずです。

まだまだAIに対する信用は低く、疑心暗鬼になってしまう部分もあります。しかし、複雑化しやすい人事評価においてそつなくこなすのはAIの真骨頂と言えるでしょう。AIは淡々と、弱音を吐かずに仕事をこなしてくれます。人事評価を有効活用できれば、より一層の仕分けが進むことでしょう。

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