GLOSSARY

メタ学習とは?基本概念から最新の手法、転移学習との違いと具体的な活用事例について徹底解説!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
meta-learning

INDEX

meta-learning

皆さんはメタ学習をご存じですか?メタ学習は、人はどのように学ぶのかを学ぶやり方です。人の学習方法を学ぶことで機械学習に応用することができます。メタ学習は具体的にどのようなことをするのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

本記事ではメタ学習にスポットを当て、メタ学習の概要や最新手法、今後の課題などをご紹介していきます。

メタ学習とは何か

meta-learning

メタ学習とはどういうものなのか、基本的な情報などを踏まえてご紹介していきます。

メタ学習の概要

メタ学習は機械学習を行う中の1つの分野として存在するもので、学習のやり方を学習することを指します。単にやり方を真似るのではなく、学習のプロセスなどを取り込んでいくことで、これまでのアルゴリズムなどに柔軟な対応が行えるようになります。

人間に置き換えると、メタ学習前は勉強の仕方が全く分からず、無駄なやり方を繰り返している状態です。これだと高得点を出すには相当な労力がかかります。しかし、東大出身者などの勉強の仕方をできるだけインプットする形でメタ学習を重ねると、より効率的かつ必要なコストをかけながら勉強が行えて成績が伸びていきます。

勉強のやり方が分かれば、どのような科目をこなす際にも同じように取り組めばいいので、柔軟な対応が行えるようになります。

メタ学習が利用される分野

meta-learning

メタ学習は様々な分野で用いられており、中でも画像認識はメタ学習が頻繁に用いられています。フューショット学習のように、少ないデータから新しい物を学んでいくようなケースではメタ学習は必要不可欠な存在となります。

他にも、自然言語処理や医療系のように、難しいジャンルにおいてメタ学習は用いられます。データが少なく、しかも難しい状況においてはメタ学習の本領が発揮されると言えます。

メタ学習のメリット

meta-learning

ここからはメタ学習のメリットについてご紹介していきます。

適応力が高い

メタ学習を利用するメリットは、既存の学習モデルやデータセットに関係なく、ベストな学習方法をすぐに見つけられる点です。メタ学習ではたくさんのタスクから学習を重ねていく中で能力を高めていくため、新しいものが飛び込んできたとしても柔軟な対応を見せてくれます。

たくさんの仕事をこなしていると、似たような仕事に直面することがあります。以前やったやり方でこなしていけば他の人よりも効率よくこなせることがあるように、以前学んだ知識を別の局面で応用していくのもメタ学習の一種と言えます。

情報が少なくても対応する

meta-learning

メタ学習は少量のラベル付きデータなどで新しいジャンルへの対応ができます。例えば、ゲームで遊ぶ際、色々なルールを理解して遊びますが、このルールは別のゲームでも応用されることがあります。別のゲームで遊ぶ際に、前に遊んだゲームの知識があり、その知識から効率的に学べるようになりますが、これもメタ学習の一種と言えるでしょう。

今までの機械学習だと、どうしてもたくさんのデータセットが必要とされてきましたが、メタ学習があればその必要がありません。事前のコストをかなり減らせるのもメタ学習のいいところです。

新しい知識をすぐに得られる

以前学んだ知識を応用できるようになることは、どのような新しい知識が取り込まれたとしても、以前学んだ知識との類似性をつかみ、その類似性からできる限り学ぼうとします。その結果、新しい知識をすぐに得られるというのがメタ学習のいいところです。

少ないデータから学習を行うのがメタ学習なので、新しいデータセットに対してもすぐに順応できるのが魅力と言えます。

メタ学習のデメリット

meta-learning

ここからはメタ学習のデメリットについてもご紹介していきます。

計算コストの問題

能力が高いメタ学習ですが、能力が高いということはそれだけコストもかかりやすいと言えます。何より学習のプロセスが決してシンプルとは言えないため、シンプルではないものを運用するとなると計算コストはそれなりにかかってしまいます。

普通に機械学習をこなすにも一定の計算コストを要するため、最初の段階で計算コストをある程度見越して、メタ学習を行うことが求められます。

設定が複雑

meta-learning

メタ学習を取り込むとなると、いかにメタ学習を行っていくのかという設定部分で難儀することがあります。タスクをどれにするかだけでなく、パラメータの設定ややり方の設計など、色々と決めごとがあるのもメタ学習のデメリットと言えます。

しかしながら、細かな設定や決め事があるのはあくまでもメタ学習を最大限に活用するためであり、必要なことと言えます。その分、メタ学習で得られるメリットは大きいので、必要なコストと言えます。

メタ学習の最新手法

meta-learning

ここからはメタ学習の最新手法についてご紹介します。

MAML(Model-Agnostic Meta-Learning)

MAML(Model-Agnostic Meta-Learning)は、ベストな学習方法をすぐに見つけてくれるような能力を持つ手法です。事前に様々なタスクで学びを得ることで、新しいタスクに触れても、これまでの知識をフル回転して少ないデータだけで一定以上の成果を出すことができます。

MAMLの仕組みは二段階で、たくさんのデータを使ってモデルを構築する段階と、新しいタスクにおけるデータを使って最適化を目指すという段階があります。日々刻々と変化するジャンルに頻繁に用いられており、医療や金融の世界において重宝されています。

Siamese Neural Networks

meta-learning

Siamese Neural Networksは、ニューラルネットワークを活用し、データ同士の関係性を学習していくシステムです。全く同じニューラルネットワークを組み合わせることから「シャム双生児」から転じてつけられました。

全く同じニューラルネットワークなので同じように学習されるほか、それぞれの入力データの類似性を判断できます。Siamese Neural Networksも少ないデータから学習できるだけでなく、汎化能力が高いのが特徴的です。

またたくさんのデータを扱えるのもSiamese Neural Networksの魅力であり、様々なビジネスの場面において用いられているシステムでもあります。

メタ学習と転移学習の違いと類似点

meta-learning

ここからはメタ学習と転移学習の違い・類似点をそれぞれまとめていきます。

メタ学習と転移学習の類似点

メタ学習も転移学習も基本的に新しいタスクにいかに対応させていくかがポイントになります。そのため、手法に違いはあれど、その目的という点ではかなりの類似性があると言えるでしょう。

また、メタ学習も転移学習もベースになるのは、それまでに学んだタスクやデータセットであり、その中でパターンなどを見つけて対応させていくことが類似点になります。どちらも柔軟性などが高く、少ないデータを用いる場面において効果を発揮する点でも似たような存在です。

メタ学習と転移学習の違い

meta-learning

メタ学習も転移学習も目的は一種ですが、違うのは目的までのプロセスです。メタ学習では「学習方法を学習することが大前提」であるのに対し、転移学習は「学習したものを再利用するすることが大前提」なので、大きな違いがみられます。

といっても、決定的な違いはそれぐらいなもので、適応性の高さなどを考えると、あとは計算コストなどの兼ね合いから判断していくことになるでしょう。

メタ学習の具体的な活用事例

meta-learning

最後にメタ学習の具体的な活用事例についてご紹介していきます。

医療系

医療系において新しいジャンルに挑戦しようにも、基本的にデータが不足しやすいために、機械学習の活用には慎重でなければなりません。その際に用いられるのがメタ学習です。少ないデータの中で学習し応用していくため、医療分野での画像認識や診断支援において効果を発揮します。

一方でAIを用いた診断において最終的な責任を取るのは医師であると厚生労働省医政局医事課長からの通知文書が出されており、メタ学習によって作られていく医療分野における画像認識のレベルアップなどが求められています。

自動運転

自動運転においてもメタ学習は用いられています。自動運転ではディープラーニングの活用が進んでいますが、ディープラーニングの場合、データがないと予測できないのがネックになっています。

その点、メタ学習はデータが少なくても学習を進められ、予測があやふやな状況にあっても不確実性にも十分に対応できる特性があります。自動運転においては、様々な点への対応が求められ、その都度予測していかないといけない大変さがありますが、メタ学習を用いれば、ディープラーニングだけではカバーしきれない部分までカバーできると言えます。

まとめ

メタ学習は機械学習をより進化させるのに一役買っています。ディープラーニングでは扱いきれない部分をメタ学習がカバーしていくことができれば、今後ますますAIの活躍の舞台、幅が増えていくことでしょう。

一方でメタ学習が完璧なものかと言えば、そうとは言えない部分、まだまだ改良の余地が残されている部分もあります。計算コストの問題を含め、どの局面においてメタ学習が効果を発揮するのかも慎重に検討していくべきでしょう。

とはいえ、メタ学習にはかなりの可能性があり、様々な局面で応用されていることも事実です。あとはその可能性をいかに最大化させていくかが問われています。

さらに、今注目を集める生成AIリスキリングの第一歩を。生成AIパスポートとは?

生成AIパスポートは、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が提供する、AI初心者のために誕生した、生成AIリスクを予防する資格試験です。AIを活用したコンテンツ生成の具体的な方法や事例に加え、企業のコンプライアンスに関わる個人情報保護、著作権侵害、商用利用可否といった注意点などを学ぶことができます。

⽣成AIの台頭により、AIはエンジニアやデータサイエンティストといった技術職の方々だけではなく誰もがAIを使えるようになりました。今、私たちがインターネットを当たり前に活用していることと同様に、誰もが生成AIを当たり前に活用する未来が訪れるでしょう。

そのような社会では、採用や取引の場面で、生成AIを安全に活用できる企業・人材であることが選ばれる前提条件になり「生成AIレベルの証明」が求められることが予測できます。生成AIパスポート試験に合格すると、合格証書が発行されるため、自身が生成AIを安全に活用するためのリテラシーを有する人材であることを、客観的な評価として可視化することが可能です。

ぜひあなたも生成AIレベルを証明し「生成AI人材」に仲間入りしましょう!

詳細はこちら