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金融業・銀行にAIが与える影響とは?AI導入で何が変わる?メリット・デメリットや導入事例についても解説

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金融 ai

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AIを各業種が積極的に導入しようとしています。いかにAIを活用できるかに注目が集まる中で、金融業でもAIの導入が進められています。なぜ金融業でAIの導入が必要なのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

本記事では金融業や銀行で行われているAI導入に着目し、AI導入のメリットデメリットや導入事例などをご紹介します。

金融業がAI導入を検討せざるを得ない現状の課題

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ここからは金融業が現在抱えている課題について解説していきます。

コスト面の問題

日本は今も低い金利の状態にあり、金利差の影響で円安が進行している状況にあります。金利が低い状況は金融業にとってみると収益が下がりやすい状況にあり、コスト面において色々と厳しい状況に追い込まれます。

近年銀行などで手数料を始めとする費用が軒並み上がったり、今まで無料だったものが徴収されるようになったりしています。これは現状コスト面が結構きつく、収益に影響を与えかねないためです。

ゆえに、銀行では支店の統合なども進んでいます。いかにこれらのコストを切り詰めていくかが大事なことになります。

セキュリティの問題

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銀行にとって懸念すべきことはセキュリティの問題です。近年セキュリティの問題に頭を悩ませるケースが増えており、サイバー攻撃による被害も目立ち始めています。特に仮想通貨など新しい技術でのセキュリティ対策も重要視されており、金融業においても無視できない要素です。

何より手口が巧妙になってきているのも対策を立てるのが難しい要素と言えます。こうした動きは日本の金融業に限ったことではありません。世界中で起きていることであり、それぞれの銀行が対策を立てています。

こうしたセキュリティ対策もまたコストにつながっており、金融業の経営に少なからず打撃を与えています。ゆえにセキュリティの問題はやらなければいけないことだけど、できる限りコスト面で何とかしたいという状況にさせていると言えるでしょう。

新しい収益源の問題

今までの金融業のスタイルと言えば、融資を積極的に行い、企業などに貸し出した利息などで収益を上げていくのが一般的でした。ところが、低金利の時代が続いており、利息で稼ぐケースは限られています。銀行系のカードローンなどに手が伸びる銀行が多いのも結局のところ、収益源となっているためです。

裏を返せば、これまで常識とされてきた収益の出し方が通用しない状況になっていると言えます。そして、企業に積極的に貸し出すやり方もバブル崩壊を契機にやりにくくなっているのが実情です。

いわば新しいビジネスモデルを銀行側も求めていかなくてはならなくなっています。そのビジネスモデルはそう簡単には生まれるものではないでしょう。いかにビジネスモデルを生み出していくかが現状の課題と言えます。

金融業がAIを導入することで何が変わるのか

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金融業がAIを導入することでどのような変化があるのか、ご紹介していきます。

業務の効率化が図れる

AIを積極的に導入していくことで、これまで金融業、銀行が行ってきた業務の多くはAIに取って代わるようになります。だからといって、行員の人たちがいらなくなることではなく、人間が行うべき仕事とAIが行うべき仕事で分けることができるというわけです。

これまで多くの手間やコストがかかると言われていた問い合わせに関する対応もよりしやすくなります。チャットボットの活用や問い合わせの際のスムーズな受け答えにつながるシステムなどAIを活用することでよりスマートに行えるようになるでしょう。

人件費も抑制できるほか、窓口で働く行員の負担を軽減できるのもポイントです。AIを活用することで利用者1人1人の利便性に目を向けて仕事を行っていくことができるようになるのです。

新たなビジネスモデルを作り出せる

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金融業、特に保険を扱う業界では新たなビジネスモデルが多く作り出されています。特に保険に関しては今までのありがちな保険ではないものまで登場し、若い世代が安心して利用できるようなものが多く出ています。

若い世代からすると保険に入るという選択肢が意外とない人が目立ちますが、若い世代の人も興味を持って保険に入れるようにするには、AIを活用する中で魅力を生み出していくことが求められます。その点でもAIの活用は欠かせないと言えます。

セキュリティの強化

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AIを活用することで、セキュリティ対策が格段にしやすくなります。AIが24時間365日いつでも監視を行うため、少しでも不正があればそれを感知してすぐさま対応を立てられるようになります。セキュリティの強化につながるので、個人情報の流出などの大事件が起きにくくなるでしょう。

また、これまで人力で行っていたモニタリングなどもAIに置き換えられるので人件費を削ることができるほか、人間がやりがちなミスをAIが警告してくれるため、人件費を削減しつつ安全性を高めるという極めてプラスな状態になります。その点でもAIを導入にする意義はあると言えるでしょう。

金融業がAIを導入するメリット

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ここからは金融業全体がAIを導入することで得られるメリットについてご紹介します。

様々な部分で業務が効率化する

AIの導入では色々な部署で業務の効率化が進みます。今までのルーティンワークはもちろんのこと、例えば、ローンなどの審査も簡単に行えます。近年スコアリングと呼ばれるやり方が主流になっており、AIが今までの傾向を学習した上で、返済可能かどうかを見極めてくれるようになりました。

スコアリングを行うことで審査にかけていた時間をかなり削減できています。丁寧さを生み出すのであれば人の目を入れるのもいいでしょう。他にも業務の効率化が進んでいる部署は増えており、より効率的な経営につながりやすいと言えます。

雇用面で選択と集中が行える

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限られた人件費をいかに有効活用していくかもこれからの金融業界に求められる部分ですが、雇用面において選択と集中が行えるようになります。コールセンター業務など問い合わせの部門にかけていたコストを、別の分野に振り分けることができるようになるでしょう。

コールセンター業務で今まで負担になっていた業務をAIが介入することでサポートが進むようになれば、利便性を高めつつ、効率的になります。切り詰められるコストを切り詰め、AIや仮想通貨など今後戦力になるであろう分野に投資していくことも大事な要素と言えるでしょう。

利用客が利便性が高まる

AIをうまく導入することで、ムダがなくなる分、利用客の利便性は高まるでしょう。例えば、銀行は5もしくは0のつく日はとにかく混んでおり、イライラさせられた経験を持つ方もいるのではないでしょうか。特定の日に混雑することは明白なので、それに合わせて人員を増やすなどの対策もできるようになります。

今までは人間が色々考えて行ってきたことが、AIが管理するようになり、人間が従うような形になるでしょう。それでも利便性が高まることは間違いなく、お客さんからすれば素晴らしいことです。

金融業がAIを導入するデメリット

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現状では金融業がAIを導入するデメリットはあまりないと言えます。それほど金融業にはこれまで色々なムダが指摘されたほか、営業時間が午後3時で終わるなど、24時間営業のお店が多い状況にあって、あまりに異質と言えます。いわばテクノロジーを使って改善すべき点がたくさんあるのです。

ですので、導入することで「大切なもの」が失われるということは考えにくく、むしろムダが省かれることは言うまでもありません。ただでさえATMの手数料にお怒りの方が多くいるわけですから、AI導入によって利便性が高まることに好感を持つ方が多いでしょう。

金融業がAIを導入した導入事例

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ここからは実際にAIを導入した事例についてご紹介していきます。

不正検知

クレジットカード会社を中心に、不正利用がなかったかをチェックするのにAIが用いられています。AIはその人物の買い物履歴をチェックした上で、その傾向から外れた買い物をした際に、不正に利用されていないかという警告が発せられるようになります。

こうした不正検知は保険金における不正請求、銀行での不正取引など様々な場面で利用できます。今までは人間の長年の勘など、担当する人間のスキルによって左右されてきた分野でしたが、AIがあることでいい意味でクオリティが安定し、セキュリティ対策にもつながります。

様々なマッチング

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金融業では投資分野におけるマッチングなどにもAIが用いられています。どこに投資を行えばより効果が得られるようになるかをAIに吟味してもらって投資が行えるようになります。

こうしたマッチングは投資に限らず、採用活動や社内の人事など色々なことにも言えます。適材適所を目指す中では人間の判断も当然大事ですが、客観的に見たAIの判断も意外とバカになりません。よりフェアに経営を行うことを考えると、人事的な分野においてAIを導入することはアリです。

まとめ

日本の産業は全体的に危機的であり、これだけ日経平均株価が上昇していても、本当に実体が伴っているかは疑わしい状況です。見方を変えれば、AIに対する認識を最初からプラスに捉え、積極的に活用してきた業界に追い風が吹いているとも言えます。

金融業などは仮想通貨など新しい技術に対して投資を行い、AIに対しても前向きなスタンスをとっています。今のビジネスモデルではなかなか太刀打ちできない状況だからこそ、それぞれの金融業の会社がAIの取り扱いを模索して、オリジナリティを出して勝負に挑む姿が垣間見えます。

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