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DXとは?IT化との違い・DX推進の進め方を解説

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dxとは

INDEX

dxとは

最近、DX(デジタルトランスフォーメーション)が多くの産業や業界で注目されています。

DXという言葉を聞いたことはあっても、「具体的に何をすべきか分からない」とか、「IT化やデジタル化との違いは何か?」といった詳細が分からない方も多いでしょう。

DXの要点や目標が理解されていない場合、DXの推進を成功させることは難しいかもしれません。

この記事では、DXの定義や意義、なぜDXが必要なのかそしてその背後にある問題について詳しく説明します。

DXとは?

dxとは

そもそもDXとは、経済産業省が2019年に作成した「DX推進ガイドライン」のなかで、以下のように定義されています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に製品やサービス・ビジネスモデルを変革すること。また業務そのものや、組織・プロセス・企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

これからDXについて具体的に説明します。

DXの本来の意味

dxとは

DXとは、ITツールやデジタルテクノロジーを駆使して全く新しいビジネスやサービスを生み出し、同時に新たな顧客価値を提供し会社の成長を促進する活動といえます。

IT化との違い

DXとIT化との違いは、DXはデジタル化を手段としてビジネスを変革することを主要な目標とするのに対し、IT化は業務の効率化を主要な目的とし、デジタル化を推進することを追求します。

戦略的な視点から考えると、IT化は手段でありDXは戦略といえるでしょう。

これらの用語はしばしば同じように使用されることがありますが、厳密には異なる目的を持っています。

DX推進が注目される理由

DX推進が注目される背景には、データ化によって顧客の属性・行動履歴・および地域の特性などが収集され、それに基づいて多様な顧客の要望に対応できる可能性があるためです。

現代の生活では、インターネットやSNSを通じて情報が豊富に流れ、個々の顧客に適切なアプローチが必要です。

デジタル技術の進化により、かつては不可能だった新たな商品やサービスが次々と市場に登場しています。今後の競争市場で生き残るためには、DXを通じたビジネスモデルや業務プロセスの最適化が必要不可欠といえます。

日本企業が抱えるDXの課題

dxとは

企業が競争力を向上し新たな価値を生み出すためにDXを進める企業は増加していますが、効果を実感できている企業は少ないといえます。DXを進めたにもかかわらず効果が現れない理由は何でしょうか。

DXに成功していない多くの企業が直面している課題が4つあります。

  • 必要性を理解できても方法がわからない
  • データが豊富でも活用方法を知らない
  • 現場と経営層で認識が異なる
  • DXを推進するための人材が足りない

これらの課題について詳しく説明します。

必要性を理解できても方法がわからない

dxとは

DXの必要性はわかるのですが、どのように進めるのか方法がわからないという課題があります。

DXの推進を目指す場合、DXに対する正確な理解が不可欠です。しかし、現在の状況では、DXの方法を理解せずに単に取り組む企業や、DXの定義を誤解して進めてしまう企業が存在しています。

DXの推進を成功させるためには、DXの目的・メリット・課題を具体的に把握し、目的達成へ導くリーダーシップが求められますがその段階までたどり着いていない場合が多いのが

現状です。

社内に人材がいない場合は、DXを外注して専門家からアドバイスを聞くことも重要です。

データが豊富でも活用方法を知らない

日本の多くの企業は、データは単なる情報の記録と考えています。蓄積されたデータは、不測の事態に備えて保管することにとどまっている場合が多いといえるでしょう。

DXにおいてはデータを活用し、新たな可能性を模索することが重要です。データを活用しない限り、そのデータの価値は実現されません。

このような、データを活用できる人材が少ないことがDXを推進できない課題となっています。

現場と経営層で認識が異なる

dxとは

経営層でDXを推進すると決定しても、現場に受け入れられなければなりません。

現場は、日々の業務をこなすのが精一杯の場合があります。また、DXの理解が不十分です。

その状態でDXをしようとしても不満がでるでしょう。具体的な「DXで何を達成するか」や「どのように達成するか」という戦略が不明確な場合、現場が受け入れないことが考えられます。

経営層だけがビジョンを描いていても、それを現場で共有できなければ、社員のDXへの取り組み意識が希薄になりDXの実現が遠のくでしょう。

このように現場と経営層での認識が異なることが課題といえます。

DXを推進するための人材が足りない

DXを推進するためには、業務全体をデジタル技術で改善し、データの専門家などが必要です。

ただし、単にデジタル技術に詳しいだけでなく、DXの理解とプロジェクトのリーダーシップが発揮できる人材が必要です。

しかし、このような人材は稀有で、確保が困難な状況に直面しています。したがって、DX人材の確保は喫緊の課題となっているのです。

DX推進の進め方

dxとは

これまでに、DXとは何か・課題をあげました。それでは、DXをどのように進めていけばよいのでしょうか。DXの進め方について順を追って説明します。

  •   現状のリサーチ:自社の経営課題・市場状況・競合動向・顧客ニーズ・デジタル化手法などを広く調査します。過去のDX事例を分析し、成功要因を把握します。自社のリソース(システム・人員など)を整理します。
  • ビジョンと計画策定:DX推進のビジョンを明確にし、なぜDXを進めるのかを明確にします。

           中期事業計画と具体的なロードマップを策定し、段階的な計画を立てます。

  • 組織体制と人員配置の整備:DXに特化した部門の新設や既存IT部門の拡張など、組織構造を整えます。各部門にデジタル施策を進めるためのチームを編成し、DX推進に備えます。
  • デジタル施策の実行とマネジメント:DX推進を大規模に進める前に、小規模なテストをします。マネジメントを通じて計画を改善し、段階的に規模を拡大します。

これらのステップを踏みながらDX推進を進めれば、効果的なデジタル変革を実現できるでしょう。

DX推進を成功させるポイント

dxとは

DX推進を成功させるには次の4つのポイントがあるといわれます。それぞれについて詳しく説明します。

  •  DX人材を確保する
  •  新しい開発手法や思考法を取り入れる
  •  データドリブン経営に切り替える
  •  組織全体でDXを推進する

DX人材を確保する

dxとは

DX人材を確保するためには、以下の5つの方法が考えられます。これらについて説明します。

  • 既存社員の育成:既存社員にデジタルリテラシーを身に着けさせ、企業におけるDXの理解を深めます。彼らが企業の事業やニーズをよく理解しているため、DX推進に貢献できます。
  • DX人材の離職防止:DXの成果を出すには時間がかかることがあります。DX人材を引き留めるために、適切な報酬やフォローアップを提供しましょう。
  • DX人材の中途採用:DXの推進を急ぎたい場合、DX専門家を中途採用することが効果的です。募集要件を明確にし、競争の激しい市場でアピール力を高めましょう。
  • DX人材の新卒採用:新卒者の中から最先端のIT技術を学んだ者をDX人材として採用し、育成することが有益です。学生の多様性を受け入れ、DXポテンシャルを見極めましょう。
  • 外部リソースの活用:DX人材の採用や育成が追いつかない場合、外部から必要なスキルを持つ人材をアウトソーシングすることが選択肢としてあります。外部の視点から新たな観点を提供するメリットも考えられます。

これらの方法を組み合わせて、DX人材を確保しましょう。

新しい開発手法や思考法を取り入れる

dxとは

DXの主要目標は、生産性を向上させて競争優位性を確立することです。競合他社に対抗するために、新しい開発手法や思考法を取り入れる姿勢が重要となります。

たとえば、開発の段階で小規模な機能を繰り返し実装し、テストをする「アジャイル開発」が一般的です。

また、発想の方法として、ユーザーの隠れたニーズをシステムに反映させる「デザイン思考」も進化を遂げています。

しかし、経営層にITの専門知識が不足している場合、最新情報を正確に取り入れることは難しいかもしれません。

そのような場合には、外部からデジタル戦略のアドバイザーを招き入れることを検討するのも一つの方法です。

データドリブン経営に切り替える

DXの成功の鍵は、ビジネスにおいてデータを効果的に活用する「データドリブン経営」にあります。

データドリブン経営は「データを中心にした経営手法」です。これは、過去の経験や直感に依存せず、収集・蓄積されたデータの分析結果に基づいて戦略と方針を決定します。

日本全体でデータに対する意識が高まり、データ収集をする企業は増加していますが、そのデータを効果的に活用できている企業は少ないのです。

従って、データを効果的に活用し、生産性を向上することは競争上の優位となります。これを実現するためには、機械学習やAI技術の導入が考えられます。

組織全体でDXを推進する

DXの成果を最大化するには、組織全体でデジタル化を推進する必要があります。

これを実現するためには、部門間のデータ連携がスムーズに行える組織改革や、経営層・管理職・社員全体にDXの重要性を普及・教育する取り組みが不可欠です。

DX推進に特化した新しい部門を設立する方法も考えられます。また、タスクフォースを立ち上げ各部署から社員を募る方法も検討しましょう。既存のIT部門を拡充し、DXに資源を割り当てることも考慮できます。

また、デジタル化が現場で負担とならないように、社内のITリテラシーの水準を考慮に入れ、適切なツールの導入が重要です。

ITに慣れていない社員が多い場合、ツールの機能性だけでなく、使いやすさにも注力しましょう。

まとめ

dxとは

DXは単なるデジタル化ではなく、ビジネスモデルや企業自体の革新を実現するための取り組みです。

そのためには明確なビジョンのもと、現場と協力しながら進めることになります。

日本企業にとって、DXの達成は多くの課題を抱えており、容易なことではありません。しかし、今日の市場は不透明であり、企業の生存にはDXが不可欠です。

したがって、この内容を参考にし、できるだけ早くDXを推進しましょう。

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