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機械学習のクラスタリングとは?|意味や定義、分類との違い、具体的な方法や注意点、メリット・デメリット

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クラスタリング

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クラスタリング

皆さんはクラスタリングをご存じですか?クラスタリングは機械学習を行う際に必要な学習の1つです。このクラスタリングがなぜ必要なのか、どのような影響をもたらすのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

本記事ではクラスタリングに着目し、クラスタリングを行うメリット・デメリットやその定義などをご紹介していきます。

機械学習のクラスタリングとは?

クラスタリング

機械学習におけるクラスタリングとはどのようなものなのか、その意味、基本的な情報をご紹介していきます。

クラスタリングの意味

クラスタリング(clustering)はブドウなどの「」という意味合いがあり、これが転じる形で並列計算や負荷分数、複数の機械をつなげて一体的に使うことなどの意味合いにつながります。

しかし、機械学習におけるクラスタリングは若干違います。データをいくつかのグループに分けてその中で特徴を見出して分類を行っていく手法がクラスタリングです。ビッグデータの活用で用いられるほか、教師なし学習の1つとして知られています。

クラスタリングと分類との違い

クラスタリング

クラスタリングを語る上で頻繁に混同されるのが分類です。クラスタリングと分類の違いにはどんなことがあるのかをご紹介します。

そもそも分類とは何か

クラスタリングと分類の違いの前に、まずは分類の説明を行っていきます。分類とは文字通りデータを分類することを指し、例えば画像にそれぞれ数字をつけて、新たなデータが来た際にどちらに近いかを分類していきます。

この時につけられる数値を「離散値」と言います。0や1などで表現されるもので、整数で表すことが基本です。分類は最初に答えを設定し、その中で新しいものを入れていき、どれに近いかを学習させていくことになり、いわゆる「教師あり学習」の1つです。

教師なし学習と教師あり学習の違いに

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クラスタリングと分類の違いは早い話が教師なし学習と教師あり学習の違いであり、既に答えがあるものの中で学習を行えば分類となり、教師なし学習において分けていけばクラスタリングとなります。

教師あり学習で分類されていれば明確な基準で分類されていることがわかりますが、クラスタリングはAI側で自由に分類した結果なので、どのようなグループに分けられたかの判断は人がすることになります。

クラスタリングの具体的な方法

クラスタリング

クラスタリングはどのようなやり方で行われるのか、ここからは具体的な方法についてご紹介します。

階層的クラスタリング

階層的クラスタリングは似ているデータをまとめていくタイプの方法です。それぞれのデータをクラスタリングする中で、データにつけられた数値が近いものをまとめていきます。このデータ同士の数値の近さを「距離」と称します。

階層的クラスタリングではグループを形成していく中で「樹形図」と呼ばれるものでまとめることができます。どのようにグループが形成されていくのかのプロセスが分かるのが特徴的です。

一方でクラスタリングの数が多いとそのプロセスがわかりにくく、判断ができない場合があります。そのため、対象となるデータはある程度少なめな方がいいとされています。

非階層的クラスタリング

非階層的クラスタリングは段階的に階層を作らずにグループ分けを行っていく手法です。k-means法と呼ばれる方法では何個か中心を決め、中心に最も近いクラスタに分けていきます。そしてまとめられたら、そのクラスタたちの平均値を算出した上で再び計算をし直し、グループ分けが行われます。

またウォード法と呼ばれるものは、目標として定めたクラスタ数になるまで統合を目指していく手法で、凝縮されていく中でクラスタリングが完成されます。

非階層的クラスタリングの場合はクラスタリングの対象が多くても成立しやすいため、多くのデータの分類に活用できます。

クラスタリングの手順について

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実際にクラスタリングを行っていく手順について解説していきます。

何をクラスタリングするかを決める

クラスタリングをする際にはまず何をクラスタリングしていくか、対象となるデータを決めていきます。なぜクラスタリングを行うのかという目的はもちろん、そもそもどんなデータをクラスタリングするのかを決めていきます。

対象物によってはクラスタリングの適した手法が変わってくるため、その目的や何をクラスタリングするのかまでを決めていくのが理想的です。

クラスタリングの手法を決める

先ほどもご紹介したクラスタリングの手法の中から、適したものを選んでいきます。他にもまだまだたくさんあるクラスタリングの手法の中で、目的に見合ったものを選んでいくことになります。

クラスタリングの手法の決め方はクラスタリングの数や初期値の設定など様々な想定を行って決められます。間違った方法でやってしまうと信頼性にかかわるため、慎重な判断が求められる作業です。

データ間の距離を決める

次にデータ間の距離を決めていきます。クラスタリングで重要なのはデータ間の距離であり、近ければ近いほどそれだけ似ていることを意味します。距離をどのように設定していくかにもクラスタリングの信頼性を高めるポイントが隠されています。

分析結果から結論を導く

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クラスタリングを行うことでいくつかのクラスタに分けられます。しかし、このクラスタはなぜこのような分かれ方をしているのかというのは分析しなければわかりません。そこで分析結果の解釈を行い、結論を導くことになります。

この結論を間違えばすべてが水の泡になるため、正しく解釈し結論を導き出せるかどうかが問われます。

クラスタリングの注意点

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クラスタリングを行うにはどんな注意点があるのかをまとめました。

クラスタリング前に仮説を立てる

クラスタリングでは事前に仮説を立て、おおよその見立てをつけておくことが求められます。ですので、どんな分類になるかフタを開けなきゃわからないという感覚でクラスタリングをやることは適さないと言えます。

そもそもなぜクラスタリングを行うのか、その目的をしっかりと定めて仮説を考えることで意味のあるクラスタリングになっていきます。

誤差が生じやすくなる

クラスタリングを行う際には誤差が生じやすくなるという点に注意しなければなりません。この場合の誤差はクラスタリングの手法で生じやすくなり、やり方を変えることで結果が変わることもしばしばです。

ですので、どのやり方が適しているのかを慎重に検討することが非常に重要であり、何度やっても同じような結果になるという再現性があるのが理想的です。

クラスタリングのメリット

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ここからはクラスタリングのメリットについてご紹介していきます。

セグメンテーションに最適

この時代はマーケティングをいかに行って、訴求できるかが重要とされています。そのマーケティングにおいて適した手法とされるのがセグメンテーションです。セグメンテーションは顧客の属性を分けていき、どの属性に強いかなどを見ていきます。そのセグメンテーションに適しているのがクラスタリングです。

属性を色々と決めていけばそれに応じて対応を変えていくことができ、ターゲットを変えたい時にもやりやすいでしょう。マーケティング、とりわけセグメンテーションを行う際にクラスタリングは重要な存在となります。

外れ値を見つけやすくなる

クラスタリングを行うことで外れ値が見つけやすくなります。外れ値は分析を行うことで信頼性に大きな影響を与えかねない厄介な存在であり、外れ値は外れ値として除外していくことでデータとしての精度が高まります。

この外れ値をいかに見つけていくかは統計解析を行う際にも重要であり、外れ値の吟味が必要になります。クラスタリングを行うとその外れ値の吟味がしやすくなり、結果的に精度の高いデータとなっていくのです。

強みを見つけられる

クラスタリングを行うことで特定の傾向を探ることができます。そして、特定の傾向を探ることにより、特定の顧客層を見つけられれば、その顧客層に絞って様々な施策が行えるようになります。その企業にとってのストロングポイントを見つけられるのがクラスタリングを行うメリットです。

特にキャンペーンに使えるお金、広告宣伝費が限られている場合に特定の顧客層の根強さがわかれば、その顧客層に向けたキャンペーンが行えます。強みを見つけられることは軸となるものを見つけられることにもつながると言えるでしょう。

クラスタリングのデメリット

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最後にクラスタリングのデメリットについてもご紹介していきます。

クラスタリングを行う際にはとにかく色々な計算を行っていきます。ビッグデータを扱うことになればその計算はより多くなり、結果が出るまでに時間がかかります。しかも、結果が出たからといって、解釈もしなければならないので、計算が終わったらそこでおしまいとはなりません。

ゆえにビッグデータを扱う際には非階層クラスタリングがいいとされています。もしも階層クラスタリングでビッグデータを扱う場合、樹形図がかなり複雑なものとなり、取り扱いが難しくなります。このあたりもクラスタリングの難しさであり、慎重な判断が求められます。

まとめ

クラスタリングを適切に行うことでサービスの強みや弱みといったものまでわかるようになります。もちろん、クラスタリングはAIを活用したサービスの開発にも応用でき、今まで人の手で対応しなければならなかったことが、AIに任せられるようになったサービスも増えています。

画像認識においてもクラスタリングは威力を発揮するなど、生活の便利さにつながっています。一方でクラスタリングは扱い方を間違えると信頼に欠けるデータになりやすく、いかに取り扱っていくかも大事な要素となるでしょう。

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