クラウドAIとは?基礎知識や活用事例、導入のメリット・デメリット、エッジAIとの違いを解説!
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クラウドAIとは?基礎知識や活用事例、導入のメリット・デメリット、エッジAIとの違いを解説!
皆さんはクラウドAIをご存じですか?クラウドAIはクラウド上で提供されるAIです。一般的なAIと何が違うのか、クラウドAIならではのメリットとは何か、最初に理解しておきたいところです。
今回はクラウドAIとは何かを中心にクラウドAIの活用事例や導入する際のメリット・デメリットについてご紹介します。
クラウドAIとは?
クラウドAIとはどういうものなのか、クラウドAIの意味も含め、基本的な情報をご紹介していきます。
クラウドAIの意味
クラウドという言葉を最近聞く人も多いのではないでしょうか。クラウド(cloud)は雲を意味しており、ネット用語ではインフラなどがなくてもネットを通じてサービスの提供ができる状態を指します。
つまりクラウドAIはネット上にAIがあり、ネットを通じて活用できるAIとなります。AIを導入する際にインフラなどがないといけないと考えている人が多いですが、クラウドを活用すればインフラ整備をしなくても利用できるというわけです。
クラウドAIの基礎知識
本来AIはハイスペックなパソコン、コンピューターがないとフルに活用するのは難しいと言われています。正確にはハイスペックなコンピューターでないと性能のいいAIは作れないので、設備投資だけで相当な費用がかかってしまうことがあります。
その点、クラウドAIは自前でハイスペックなパソコンを持つ必要がなく、設備投資を行わなくて問題ありません。クラウド上のコンピューターがハイスペックであればあとはネット上でやり取りをするだけで十分です。
クラウドAIの中にはすでに学習済みのものも存在しており、準備期間をさほどかけずいきなり作成に取り掛かるようなこともできるようになります。クラウドAIはある程度お膳立てができているAIと言えるでしょう。
クラウドAIとエッジAIとの違い
クラウドAIとは別にエッジAIと呼ばれるものがあります。この両者の違いについてご紹介していきます。
最大の違いは学習場所
違いを説明する前にまずはエッジAIの説明をします。エッジAIはAIがデバイスの中に入っており、デバイスの中で処理されるのがエッジAIです。クラウドAIはネット上でクラウドと通信しながら学習を行いますが、エッジAIはデバイスの中で完結します。
つまり、クラウドを管理するデータセンターを通じて学習するのがクラウドAIで、エッジAIはデバイスですべて完結しアウトプットを行うのが大きな違いです。
エッジAIについて詳しく解説している記事はこちら
処理スピードと処理能力
クラウドAIとエッジAIの大きな違いとして処理スピードと処理能力が挙げられます。まず処理スピードに関してはエッジAIの方が優れています。デバイス内ですべてが完結するため、すぐに処理できるからです。
一方、処理能力では圧倒的にクラウドAIの方が上です。クラウドのスペックが大きな影響を与えるため、クラウドAIの方がスペックが高くなりやすく、処理能力は向上しやすいと言えます。どちらにも一長一短がある状態ですが、それぞれの良さを活かしながら組み合わせていくケースもあります。
クラウドAIの活用事例
クラウドAIは様々なケースで活用されていますが、具体的な活用事例についてご紹介します。
自動運転で用いられている
クラウドAIは自動運転で用いられています。言ってしまえばカーナビの性能をクラウドAIに組み込むような形になるので、交通情報を入手しながら運転を行うことになります。
ただクラウドAIが活用されているのはリアルタイムな情報収集程度で、エッジAIがブレーキングなどを担当することになります。はっきりとした役割分担ができていますが、クラウドAIの存在が欠かせないことは間違いありません。
需要と供給に関する予測
クラウドAIでは需要と供給に関する予測を行うものとして活用されているケースがあります。販売実績などをリアルタイムで更新していくことで未来の需要と供給に関する予測を立てることが可能です。
その上で来店客の数などを予測するほか、在庫の管理を行うことができます。在庫の管理を常に安定したものにできれば効率よく店舗運営が行えるようになり、効率化が図れるでしょう。
クラウドAI導入のメリット
クラウドAUを導入するとどんなメリットがあるのか、クラウドAIを導入した際のメリットについてご紹介します。
ハイスペックな環境で動かせる
クラウドAIはデータセンターのスペックが良ければその分、複雑な処理が必要なものでも対応しやすくなります。ハイスペックな環境で動かせるのがクラウドAIを導入するメリットです。
複雑な処理を必要とするケースではそれなりのコンピューターなどを用意しなければなりませんが、クラウドAIであれば大容量の端末を抱えるデータセンターであれば高い処理能力を誇るため、大規模なものであればあるほどクラウドAIの本領発揮です。
コストをかけずに本格的に行える
高い処理能力が必要となると、それなりのサーバーを用意しなければならず、その維持費もかなりのものがかかります。コストはかかりやすく、AI導入において少し躊躇してしまうこともあるでしょう。
その点、クラウドAIであればサーバーなどはデータセンター側で用意しているので、コストとして必要なのは利用料ぐらいのものです。ゆえにわざわざ設備投資をするよりも月々の利用料を支払うだけで本格的なことが行えるというわけです。
最初からデータが揃っている
クラウド上に置かれているため、クラウドにあるたくさんのデータを活用することができます。わざわざデータを用意し、活用していく必要がないため、手間が省けるのはクラウドAIを導入するメリットの1つと言えるでしょう。
また学習済みのAIもクラウドAIの中にはあるので、学習済みであれば学習させる仕事がなくなる分、別の作業に集中できます。特に既にAIの使い方として一般的になりつつあるものを作りたい場合には、学習済みAIの活用がおすすめで、それが利用できるのもクラウドAIのいいところです。
クラウドAI導入のデメリット
ここからはクラウドAIを導入する際のデメリットについてもご紹介していきます。
ネット環境が最重要課題
クラウドAIにとっての生命線はネット環境です。クラウドと接続できなければ何の意味もなく、停電や回線トラブルなどはクラウドAIからすれば致命的です。ネットワーク障害が起きた場合のバックアップをどうするかなど、有事の際の対応が求められます。
以前までのネット環境はどうしても遅延が発生してしまう状況でしたが、近年はネット回線も改良が進んでおり、以前ほどではなくなりました。とはいえ、ネットワーク障害のようにいつ何時起きるかわからないからこそ、気を付けるべきポイントです。
実例をご紹介すると、Amazon Web Services、通称AWSは時折大きな障害を起こし、影響を与えています。AWSを活用し、スマホから家電の操作が行えるサービスが提供されていますが、この操作が行えないという事態にもなりました。仮に自動運転などでこうした事故が起きた場合、致命的な事態に発展する可能性も想定できます。
セキュリティの問題
ChatGPTなどを使用禁止にする企業が増えています。ChatGPTは業務効率化にも使えるアイテムでありながらなぜ使用禁止にするかと言えば、それはセキュリティの問題が大きいからです。情報がサーバー内に補完されてしまい、情報漏洩につながるのではないかと言われています。
情報漏洩を避けるほか、サーバー内の情報がサイバー攻撃によって流出することを防ぐためにも、クラウド上は決して安心できる場所ではないことを認識する必要があるでしょう。
クラウドAIを導入すべき企業とは
クラウドAIのメリット・デメリットを理解したところで、もしも導入するのであればどんな企業が導入すべきなのかをご紹介していきます。
費用面に不安があるベンチャー企業
ハイスペックな環境で開発を行うには一定の設備投資が必要になります。しかし、設備投資をしてもすぐに利益をもたらすわけではないので、コストばかりに目がいってしまいます。ハイスペックな環境でAIを活用したいけれどできない、そんな時にクラウドAIであればコスト面を抑えらえながら開発ができます。
リモートでの仕事を行う企業
コロナ禍でリモートでの仕事が増えてきました。やはりオフィスで仕事をしてもらいたいというケースもありますが、リモートの方が働きやすいという方もいます。リモートでの働き方とクラウドAIはとてもマッチするのがポイントです。
ネット環境さえ整っていればクラウドAIを活用できるわけですから、自宅に居ながらにしてハイスペックな環境でAIの開発が行えます。
まとめ
クラウドAIは費用をあまりかけずにシステム開発を行いたい企業や学習済みデータを最初から活用したい人にとってとても便利であり、リモートワークにも相性がいいのが特徴的です。
クラウドAIではなく自前で用意するとなると様々な維持費がかかり、コストがそれなりにかかり、運用も難しいですが、クラウドAIならばその心配もありません。様々な面で優れているクラウドAIを積極的に活用していき、企業活動を支える存在として活用していければ最高です。
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