AIを活用した業務効率化とは?主要な6業務と導入のメリット、導入事例について徹底解説!
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AIを活用し業務を効率化したいと思われている企業の方の中には「AIでどんな業務が効率化できるのか分からない。AIに任せられる主要業務や導入メリットが知りたい。導入事例を知りたい。」
このように思われている方も多いのではないでしょうか。
当記事では、このような悩みを解決していきます。
記事を最後まで読んでいただければ、上記悩みについて理解できるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
それでは解説していきます。
AIでの業務効率化とは
AIを活用した業務効率化とは、AI技術を業務やビジネスプロセスに組み込むことで、業務を自動化させたり、効率化させたりすることです。
例えば、自然言語処理技術を使って、顧客から問い合わせがあった際に自動で応答するシステムを作った場合、カスタマーサポートにかかっていたコストが削減でき、より効率的なサポート体制が構築できます。
また、データマイニングや機械学習技術を利用し、多くのデータから特徴や傾向を分析し、その分析結果を利用して自動で業務が実施できるシステムを構築できます。
AI技術をビジネスに活かすことで、これまで人が手作業で取り組んでいた業務の自動化が可能となり、コストや作業時間の削減、生産性アップにもつながる可能性が高いです。
AI活用が増加している理由
近年では、AIを活用し業務効率化に取り組む企業が増えています。
その理由の多くが、労働力不足が深刻化していることです。
日本では、出生率が低下したことで人口が減少し、少子高齢化社会となっているため、働き手の人材が不足し深刻化しています。
人間が手作業で行うしかない業務もあるものの、一部の業務においてはAIが代替で行うことができるため、AI活用により効率や生産性を上げる取り組みが多くの企業でされています。
一部の業務をAIにより自動化することで、日本の働き手不足の問題を減らせる可能性が高いです。
AIで効率化できる主要な6業務
AIで効率化できる主要な6業務は、以下の通りです。
問い合わせ対応
問い合わせ対応における業務を効率化できます。
カスタマーセンターに顧客から問い合わせがあった際に対応したり、社内に設置されているヘルプデスクで対応したりと、問い合わせへの対応にもさまざまな種類があります。
電話対応の場合は、オペレーター1人で顧客1人にしか対応は不可能ですので、とても効率が良いとは言えません。
人員を削減させて効率化させたい場合、似た質問に関する問い合わせへの対応はチャットボットがおすすめです。
AI技術を活用したチャットボットを導入することにより、自動で対応したり、24時間対応ができたりするだけでなく、人件費の削減や、迅速な問い合わせ対応が実現できます。
AIを搭載しているチャットボットは、年々増加し問い合わせへの回答に関しても精度も非常に高くなっています。
問い合わせの中でも定型文であれば、AIチャットボットで業務を自動化することで、オペレーターはその他の複雑な問い合わせに時間を使うことが可能です。
自然言語処理や音声認識を使ったシステムの場合は、顧客音声を自動で分析し対応できるため、電話への応対業務も効率化できます。
その結果、顧客満足度が向上するのはもちろん、社内でも導入すれば従業員満足度も向上できる可能性が高いです。
人事
近年ではAIを活用し人事業務の負担軽減、および業務効率化に取り組む企業も多いです。
人事業務には幅広い業務が存在し、採用や異動・配置・評価・労務管理・制度策定・勤怠管理・教育とさまざまですので、業務の中でも負担が大きくなり、リソース不足に陥っている企業も多く存在します。
そこで、人事業務をAIに代替することにより、人事担当はコア業務に注力でき、業務の品質が高められたり、属人化が解消できたりといった効果が期待できます。
在庫管理
在庫管理でAIを活用すれば、正確に在庫を把握できたり、在庫の最適化や最適な仕入れなどができたりといった効果が見込めます。
例えば、AIを活用した在庫管理システムの導入により、在庫状況がリアルタイムで確認できるため、在庫の数量や品数、保管している場所などを自動で管理可能です。
常に在庫数を正確に把握できるため、過剰に在庫抱えたり、欠品であったりといった問題発生が防止できます。
また、AIを活用することで仕入れタイミングも正確に判断可能なため、需要予測データや販売履歴を分析し、需要が増える前に必要在庫数が確保できます。
その結果、在庫を過剰に抱えたり、欠品があったりといったリスクが最小限に抑えられるのです。
このようにAIを使えば、正確かつ効率的に在庫が管理できます。
正確な在庫の把握や仕入れタイミングの最適化などにより、コスト削減や業務効率化につなげられる可能性が高いです。
営業
営業では、インサイドセールス時にAIを使うことで、高い確度の顧客を洗い出せます。
具体的には、CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援)といったツールです。
また、AIを活用し予測分析を行えば、データ分析にかかる時間を削減でき、売上の予測や商談スケジュールの予測も可能です。
物流
物流では、AIを活用した業務効率化が非常に著しく、入出庫作業から受注処理、荷物仕分けといったそれぞれの工程におけるすべての業務を自動化できます。
例えば、これまでは入出庫の際にWMSと呼ばれる倉庫管理システムに入出庫データを入力する手間がありましたが、AIで画像認識することによって自動化されているケースが一般的となっています。
また荷受けや発送に限らず、渋滞情報があった際にドライバーに最適な配送ルートを表示したり、危険運転を検知したりなど、倉庫内外のさまざまな場面で活用可能です。
保守・保全
設備が老朽化したり、機械が故障したことを検知したりといった保守・保全においてもAIを活用できます。
専門担当者が設備を目視で確認していた点検作業が自動化できたり、点検が困難な建物や設備の外観劣化点検をしたりなど、さまざまな保守・保全作業で活用可能です。
メンテナンスの効率化や省力化で適切な人員配置が可能になるだけでなく、担当者により点検の精度が異なるといった問題も発生する心配がありません。
AIを導入するメリット
AIを導入するメリットは、以下3つです。
業務時間が削減できる
AIを活用することで、業務時間を大きく削減できます。
これまで手動で実施していた書類整理やデータ入力、ファイリング、データ集計といった業務が自動化できるため、24時間処理が可能になります。
その結果、作業時間が大きく削減でき、業務を迅速にこなすことが可能です。
従業員はこれまでと比べ多くの時間を戦略的な顧客サービスやタスクに使えるようになるため、より重要な業務に集中できます。
顧客満足度を上げられる
AIを顧客への対応サービスを使うことで、顧客満足度を上げられる可能性が高いです。
AIチャットボットを導入し問い合わせ対応するシステムにすることにより、24時間365日いつでも顧客の問い合わせに対応できます。
また、AIスピーカーを活用すれば、呼びかけのみで自動で買い物を完了できるシステムも存在するため、既存システムと上手く合わせることで顧客満足度が上げられます。
高い精度のデータ分析や予測ができる
AIでは、多くのデータから分析を行い予測する業務が得意なため、人間の手でデータ分析や予測を行うのに比べ、遥かに効率良く分析することが可能です。
また、分析データの結果を企業のマーケティングや経営戦略に反映すれば、業績をさらにアップできる可能性もあります。
実際に、日本コカコーラや、株式会社ゑびやなどの企業では、データ分析にAIを活用し売上アップに成功しています。
AIを導入するデメリット
AIを活用するデメリットは、情報漏洩のリスクがあることです。
AIでは、さまざまなデータを利用し分析や判断を実施するため、企業秘密や顧客情報といった機密情報がネットワークを通じて伝わります。
そのため、外部にハッキングされてしまった際には、さまざまな情報が漏洩してしまうリスクが存在することに加え、社内の人間が情報を漏らしてしまう危険も考えられます。
特に、クラウド上の権限管理やシステムに慣れていない人であれば、気付かずに情報漏洩してしまっていたということも少なくありません。
しかし、このようなリスクはAI導入におけるリスクだけではなく、現代の情報社会では、セキュリティ対策は必要不可欠です。
専門家が社内に不在の場合は、担当者の雇用も検討してみましょう。
AIの導入事例
AIの導入事例を2つ紹介します。
明治安田生命
明治安田生命では、人事異動や評価にAIを使った人事運用を行うために、社員に関する情報を一元化できるシステム運用を2020年からスタートしています。
このシステムの導入により、一般社員は従来の評価や経歴、自己開発といった情報が確認可能になったため、これからのキャリア形成に取り組みやすくなりました。
また、上司・先輩社員の経歴が閲覧可能ですので、上司や先輩の情報を参考にキャリア設計ができます。
人事では、人材検索機能を使うことにより、これまでの経歴や実績を確認した上でポジション候補が迅速に決定できるため、ミスマッチを防止でき人材のアサイン効率化に成功しています。
ユニクロ・ニトリ
ユニクロやニトリにおけるECサイト向けの物流倉庫では、荷下ろしやコンテナ用ロボットが多数導入されています。
本格的に稼働したのは2018年頃からであり、商品保管に限らず、梱包やピッキングなどの工程でロボットが利用されています。
また、作業を完全に自動化させることにも本格的に取り組み、特定の倉庫における商品の入庫作業におけるスピードが80倍になり、出庫におけるスピードは19倍にもなりました。
その結果、作業にかかる人員の9割削減に成功しています。
無線での自動識別タグを使ったことで、一つ一つの商品を区別し、商品の位置や動きの識別が可能です。
これによって商品入庫や検品、仕分けといったピッキングを除く作業を自動化しています。
AIを活用し業務効率化を狙う際のポイント
AIを導入することで、業務を効率化できる可能性は高いですが、ただ単に導入しても業務効率化に繋げられる可能性は低いです。
AIの導入により業務を効率化させるためには、AIの導入により、どんな状況に持っていきたいのか、目的およびゴールを明確にする必要があります。
そして、どのツールを導入し、どんな設定・学習をすれば目的やゴールが達成できるのか細かくプランを立てることが重要です。
目的やゴールが明確に定まっていない場合、AIを導入することが目的となってしまったり、ただ技術検証を行うだけで、なかなか成果が出なかったりといった問題に直面してしまう可能性が高いです。
具体性がないままAIを導入してしまうと、思うような成果を得られず失敗してしまう可能性が高くなりますので、目的やゴールは明確にしておきましょう。
AIを活用する際の注意点
AIを活用し業務効率化に取り組む際には、導入や運用にかかるコストを事前に計算しておきましょう。
導入には、システムや機器、専門家に依頼する人件費、システムをカスタマイズする場合などにコストがかかってきます。
これらにかかる費用を事前に算出しなかった場合、AIを活用しても生産性が上がらなかったり、コストが削減できなかったりといった可能性も少なくありません。
また、AIを導入することで業務プロセスを改善したり、社員を教育したりしなければならない場合もあります。
この際にかかる費用も含め、導入にかかるコストを事前に算出することで、計画的にAI導入を実現できます。
まとめ
AIを活用した業務効率化とは、AI技術を業務やビジネスプロセスに組み込むことで、業務を自動化させたり、効率化させたりすることです。
AIで効率化できる主要な業務には、問い合わせ対応や在庫管理があります。
AIを導入することで、業務時間が削減できたり、高い精度のデータ分析や予測ができたりといったメリットが得られます。
しかし、その一方で導入することにより情報が漏えいしてしまうリスクがあることがデメリットです。
AIの導入を検討されている企業の方は、メリットやデメリット、注意事項を十分理解した上で導入を検討するようにしましょう。
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