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アルファ碁(AlphaGo)とは?AIが人間を超える?何がすごい?概要や仕組みを徹底解説

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アルファ碁

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アルファ碁

皆さんはアルファ碁をご存じですか?アルファ碁は囲碁のAIソフトであり、10年近く前に大きな話題を集めました。アルファ碁はどんなソフトで、どんな偉業を成し遂げたのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

本記事ではアルファ碁にスポットを当て、アルファ碁の概要や歴史、仕組みなどをまとめています。

アルファ碁とは?

アルファ碁

アルファ碁とはどういうソフトなのか、概要などをご紹介します。

アルファ碁の概要

アルファ碁はGoogle DeepMindが開発した囲碁のプログラムです。囲碁AIとして知られており、囲碁に特化したAIです。Google DeepMindはGoogleに買収される前からニューラルネットワークを作成し、ビデオゲームをプレイさせ、人間の脳の短期記憶を人工知能で再現できるのではないかと考えていました。

このプログラムを進化させてできたのがアルファ碁です。アルファ碁には進化系としてマスター、アルファ碁ゼロ、アルファゼロなどがあります。マスターに関してはネット上において多くのプロと対局し、その中には日本における囲碁の第一人者であり、国民栄誉賞も受賞している井山裕太氏もいました。

囲碁の世界では知らない人はいないといっても過言ではないくらいに、超有名なソフト・プログラムです。

なぜ囲碁なのか

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1990年代にはチェスのプログラムが登場し、コンピューターが人間に勝ち、大きな話題を集めました。チェスを活用したのは欧米ではチェスが有名だからですが、Google DeepMindがあるイギリスではお世辞にも囲碁が人気とは言えません。その中で囲碁をピックアップしたのは囲碁が非常に難易度の高いゲームだからです。

囲碁は局面の数が、10の170乗×2と想像を絶する数になり、片っ端から検討していくのは不可能に近い困難ぶりが容易に想定できます。だからこそ、囲碁をクリアできれば人工知能の可能性を証明できると判断し、囲碁に挑戦したのです。

アルファ碁が出る前のコンピューター囲碁の歴史

アルファ碁

アルファ碁が出る前からコンピューター囲碁は存在していましたが、その強さは到底プロにはかなわないレベルとされていました。

人間の初段にすら勝てない時代

2000年代前半においては、人間の初段とすら戦って勝つのは不可能と評される状態でした。

それでもある程度のハンデをつけてもらえればプロにも勝てるようになり、アマチュアの中では上位の棋力にある物も出てきました。しかし、将棋と比べると一回り程進化が遅く、これ以上は難しいのではと言われてきました。

あっという間に飲み込んでいくアルファ碁

アルファ碁

その状況において突然出てきて、あっという間に飲み込んでいったのがアルファ碁でした。アルファ碁はヨーロッパで活躍するプロを相手にハンデなしで勝つことができました。その直前まで一定のハンデがなければ勝てなかったために、限界説があったコンピューター囲碁の世界において救世主が出てきたようなものです。

当時将棋界では将棋AIが人間と対等に渡り合っていた中、まだまだ時間がかかると思っていた人が多い囲碁界において、突如として自分たちにも大いに関係する話になったことで大きな注目を集めるようになります。

アルファ碁が人間を超えた瞬間

アルファ碁

2015年10月にプロを倒したアルファ碁でしたが、その半年後に対戦したのがイ・セドル氏でした。

アルファ碁と対戦したイ・セドル氏とは

イ・セドル氏はわずか12歳でプロとなり、囲碁の国際大会では10代でタイトルを獲得しています。当時33歳とまだまだ第一線で活躍し続ける囲碁棋士なので、アルファ碁がどこまでやれるのかに注目が集まりました。

囲碁が盛んな中国と韓国では大勢の人々が中継を見守り、総視聴者数は6000万人に達したと言われています。世界的に有名なコンピューターと世界王者のチェス対決に匹敵する話題となりました。

アルファ碁の勝利も人間が意地を見せた

アルファ碁

第1局からアルファ碁がイ・セドル氏をリードし、解説者ですらどちらが勝っているかわからない中、アルファ碁だけが勝利を確信して指し続けていました。全5局の対局であっさりと3連勝し、アルファ碁が世界トップレベルの棋士を打ち負かしたのです。それでも4局目にイ・セドル氏が意地を見せたことで全敗を避けることはできました。

アルファ碁はコツコツと有利を固めていく戦略だったことをイ・セドル氏が見抜き、イチかバチかの状況に持ち込みました。その中でアルファ碁のミスを誘発し勝利を収めたのです。明らかにアルファ碁がすごいことは多くの人がわかっていましたが、人間も状況次第では勝てるということを証明し、賞賛の声が上がりました。

アルファ碁の仕組み

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世界王者をもあっさり倒していったアルファ碁ですが、なぜそんなことが可能となったのか、その仕組みをご紹介します。

機械学習とモンテカルロ木探索の組み合わせ

アルファ碁の原動力は機械学習とモンテカルロ木探索の組み合わせによるものです。アルファ碁は人間の棋譜で学習を行う「教師あり学習」のほか、アルファ碁内で対戦を重ねていく中で強化を重ねてきました。

教師あり学習で使われたのはアマチュア棋士の棋譜で、その数はおよそ16万局、手数にすれば3000万手にもなりました。これらによって人間がどんな手を指すものなのか、真似できるようになりました。その状況から古いバージョンのアルファ碁と対戦を繰り返していき、最終的に他のプログラムとほぼ無敗の状況になったのです。

モンテカルロ木探索とは

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モンテカルロ木探索とは次の一手を考える際に用いられるボードゲームではよく用いられるアルゴリズムの1つです。2006年に考案された考え方で、モンテカルロ木探索が考案されたことでようやく囲碁の世界でアマチュアの上位者にも勝てるようになりました。

可能性が低い手、評価が低い手を早々に切り捨てて、評価が高い手などを集中的に探索していき、最も勝つ可能性の高い手を指せるようにしたのがモンテカルロ木探索です。この技術を極限まで高めていったのがアルファ碁なのです。

アルファ碁の何がすごい?

ここからは改めてアルファ碁の何がすごいのかについて解説します。

進化の速度が異次元

日本の将棋界ではだいぶ前からコンピューター将棋とトップ棋士の対戦が行われており、数年前からほぼ互角の争いになっていました。そのため、いずれはコンピューターが人間を上回ることは予見できていたのですが、囲碁ではアルファ碁が突然現れた形です。

ヨーロッパのトップと勝利したといっても、プロの中ではまだまだレベルは下だったため、イ・セドル氏との対戦が決まっても人間が全勝するとまで言われていました。わずか数か月で一気に人間を追い抜いて行ったのです。

この異次元ぶりを支えたのがディープラーニングの存在でした。畳み込みニューラルネットワークを活用して画像認識を行い、たくさんの特徴量から判断していったのです。高次元となれば次元の呪いも想定しないといけませんが、それすらも克服したのです。

深層強化学習の数

アルファ碁は深層強化学習の中で段々と強くなっていったことが言われています。深層強化学習は、強化学習とディープラーニングの組み合わせによる手法です。重要なのはどれだけの深層強化学習が行われてきたかです。

前のバージョンのアルファ碁と数千万局に及ぶ対局を行う中で精度を加速度的に高めていきました。対局の数だけ学びがあるとすれば、強くなるのは当然と言えます。これだけの数をこなしたからこそ加速度的な成長につながったと言えるでしょう。

アルファ碁と同じくらいすごい将棋AI

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ここまでアルファ碁についてご紹介しましたが、囲碁と同じくらい難しく、いまだに最短経路での勝利が見つかっていないボードゲームとして将棋が挙げられます。この将棋AIも将来的な可能性が秘められています。

将棋AIから自動運転へ

プロのトップである名人を倒した将棋AIとして知られる「Ponanza」の生みの親である山本一成さんは、現在自動運転システムの開発に着手しています。優秀な頭脳がないと完全自動運転はできないと考え、日々開発に心血をささげている状態です。

一見すると関係なさそうな将棋と自動運転ですが、将棋の棋力を高めていく過程が自動運転にも応用できると言われています。AIに人間が知識を叩きこんでいくのではなく、AI自身が学習するやり方であればどんな道を運転させる場合でも応用でき、完全自動運転につなげられます。

囲碁や将棋への挑戦は、人工知能が人間を超えることを端的に示すために取り組まれたものであり、いわば1つのステップです。将棋AIを開発した企業がその後AIをビジネス領域に広げるケースは目立っており、人間の能力を上回るプログラムを作り上げた成功体験が、色々なものを変えようとしています。

まとめ

囲碁のソフトを作ったのは決して囲碁ソフトで稼いでいくつもりで行ったのではなく、あくまでも人工知能の性能向上のために行ったことが言えます。囲碁や将棋のソフトで人間を大きく超えるきっかけになったのはディープラーニングの存在、そして、おびただしい数の強化学習です。

加速度的な進化を遂げる人工知能の世界ですが、もはや囲碁や将棋の世界ではいかに人工知能を活用しながら学習を進めていくかで棋力が変わると言われています。少し前まで人工知能に嫌悪感を示していた人たちが、自分の生活のために人工知能をフル活用する時代です。

人工知能にすべてを任せられないと嘆く人も多いですが、完全自動運転など人工知能でもできる時代になれば、人間はできる限りのことを人工知能に委ねることでしょう。そのプロセスをアルファ碁などが見せてくれたという点が大きなポイントと言えます。

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