GLOSSARY

AI(人工知能)技術とは?仕組み・できること・活用事例をご紹介します

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
ai 技術

INDEX

ai 技術

AI(人工知能)は、学習方法とアルゴリズムの進歩により思考・理解・分析などの精度を向上させています。

これらの技術は既に多くのシステムや機械に統合されており、どのように技術的に応用されているのかをご存知でしょうか。

この記事では、AI技術のしくみ・AIでできること・AI技術の活用事例を解説します。

AI(人工知能)技術とは?

ai 技術

AI(人工知能)技術とは、人間と同じような知的な行動の一部をコンピューターが再現するものです。人間と同じように情報を学習し、新たな答えを導き出します。

近年では、囲碁や将棋をプレイするコンピューターや自動運転・画像認識・音声認識など、さまざまなAI技術が活躍している点が特徴です。

具体的には、優れた自然言語生成能力を持っている「ChatGPT」や、どのような質問でもすぐに答えてくれる「Siri」などがあります。

そのほかにも、Google・Apple・IBMなど世界を代表する企業がAI技術の開発に力を入れています。

AIの仕組みは?

ai 技術

AIの仕組みは、機械学習をもとに実現しています。機械学習は、大量のデータからパターンを抽出し、識別と予測を実行する技術です。

主要な学習には、教師あり学習・教師なし学習・強化学習・深層学習(ディープラーニング)があります。

教師あり学習は、ラベルが付いた大量のデータを使用し、モデルを学習して未知のデータに対応させる方法です。

例えば、犬・猫・鳥というラベルが付いた画像を学習させるとしましょう。そして、新しい画像が与えられた際に、モデルが犬・猫・鳥のどれに該当するかを判断します。

教師なし学習は、正解ラベルのないデータを使用し、データ自体からパターンを見つけ出す方法です。例えば、画像の特徴や共通点に基づいてデータをクラスタリングできます。

強化学習は、データから直接学習するのではなく、環境内で最適な報酬を獲得するために試行錯誤する方法です。

深層学習(ディープラーニング)は、大量のデータからパターンを学習し、データの特徴を自動的に抽出する手法で人間の介入を最小限にします。

AIでできること

ai 技術

AIは、画像認識・音声認識・自然言語処理・異常検知・予測・検索・探索などのタスクを実行できます。

AIの機能が製品やサービスに組み込まれている実際の活用例について、以下で詳しく見ていきましょう。

画像認識

ai 技術

画像認識技術は、画像・動画から人や物・文字を識別するために利用されています。さまざまな場面で採用されているといっても過言ではありません。

近年、ディープラーニングの発展により、識別の精度が向上しています。

たとえば、帳簿入力業務を画像認識技術で代替することが可能です。帳簿から文字を画像として抽出し、文字認識をしてデータ化できます。

画像認識を導入することで、手動入力に比べて帳簿1枚の登録時間を10分の1に短縮し、コストを約半分に削減できるでしょう。

音声認識

音声認識技術は人間の音声データを認識して、テキストデータに変換するだけでなく、声の特定が可能です。

この技術は、コンピューター上で人間が発する音声の振動から波形データを取得し、それを文字データに変換しています。

音声認識技術を応用することで、会議の議事録の自動作成や窓口業務の翻訳が容易に行えるでしょう。

また、スマートフォンに搭載されている音声アシスタント機能も、音声認識技術を活用しています。

自然言語処理

自然言語処理は、通常の人間の言語をコンピューターで処理し、その内容を抽出する技術です。

この言語処理と解析によって得られる情報は、Web検索エンジン・文字入力変換・音声入力システム・機械翻訳などの多くのアプリケーションで有効に利用されています。

具体的な例として、Web検索エンジンではコンピューターが自然言語処理技術を駆使して文章を理解します。

文章を理解することで、Webサイトを見つけるために必要なテキスト情報を効率的に処理できるようになるでしょう。

異常検知

ai 技術

異常検知は、蓄積された大量のデータと比較して、異なる挙動やデータを探し出す技術のことを指します。

この技術は、単純な異常の発見から、人が気付かない微細な変化や機器の故障前の兆候など、さまざまな異常の検出が可能です。

異常検知は、クレジットカードの不正利用の検出・システム障害の検知・異常行動の識別など、多岐にわたる分野で利用されています。

予測

ai 技術

予測は、気候データや過去の販売実績などをもとにして、商品や部品の需要を予測する技術です。

この需要予測を用いることで、販売や生産のペースを事前に把握できるため、商品や部品の発注を効果的に計画できます。

発注数を最適化することにより、在庫の損失を削減し、リードタイムを短縮することも可能になるでしょう。

検索・探索

検索と探索は、AIが得意とする分野の一つです。これらの処理は、特定の条件の下で最適な結果を予測することを指します。

また、AIが「将棋名人や囲碁名人に打ち勝った」というニュースを聞いたことがあるかもしれません。これらのAIも、検索と探索というAIの機能を活用して開発されたものです。

AI技術の活用事例

ai 技術

AIの技術は絶えず進化し、多くの企業が業務やサービスに適用しています。金融・製造・農業・医療・物流といった各業界において活用されていることが現状です。

AIがどのように活用されているか、具体的な事例を紹介しましょう。

金融業界における活用事例

ai 技術

みずほ銀行は業務の効率化を図るため、凸版印刷株式会社が開発したAI校閲・校正支援システムを導入しています。

金融業界特有の表現や専門用語を学習したAIが、各企業の規定に合致する形で文章を校閲・校正するシステムです。

また、媒体制作における規制管理がシステム上で可能となり、異なる制作者や管理者による品質のばらつきを防ぎます。

さらに、制作業務のデジタル化と効率化を実現するため、最適なインターフェースを提供し、制作時のチェックから修正までのフローを改善しました。

このシステムの導入により、実際に従業員の業務負担の軽減やヒューマンエラーの減少などが確認されています。

製造業における活用事例

全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会によれば、製造業分野でもAIが幅広い業務に適用されています。

主要な電機メーカーの中には、ロボットの製造・販売をしている企業があり、AIの採用により工場の人員を削減しました。

通常、300人の従業員が必要な工場を、約100人の規模で効率的に運営できるようになっています。

ロボットをライン作業や搬送などに活用することで、業務プロセスの効率化と生産性向上を実現しました。

将来的には、高度な技術が必要な精密機器の調整作業にもAIを導入する可能性が高まっています。

熟練工が調整作業を設定し、それに基づいてロボットが効率的に動作し、自動的に学習することが期待されています。

農業における活用事例

ai 技術

株式会社クボタが提供しているのは、AI技術を活用したスマート農業サービス「KSAS(KUBOTA Smart Agri System)」です。

「KSAS」は、農業ロボットやICT・地理情報システム(GIS)などの技術を採用しています。

例えば、トラクターはAIによる自動運転を実現しており、GPS情報を利用して自動的に経路の設定が可能です。

さらに、天候や作物の生育状況などの多くのデータを活用し、耕作・種まき・収穫などの農作業を自動化できます。

スマート農業では、畑の状態や作業内容・収穫情報・農機の運用データなどが可視化され、効率的に管理できるでしょう。

このため、従来の農業では把握が難しかった農業情報やノウハウが蓄積され、管理が容易になっています。

将来的には、AIカメラによる自律的な農機具の活用も期待されており、AIを活用したスマート農業は、農業の産業構造に大きな変革をもたらすでしょう。

医療における活用事例

聖マリアンナ医科大学病院では、看護記録に音声入力システムを活用しています。

専用アプリを搭載したスマートフォンを使用し、医学辞書を組み込んだアプリを起動することで、AIが音声を認識して自動的に入力が行われる仕組みです。

また、スマートフォンに蓄積された音声データは、電子カルテに転送されます。

音声認識の精度は、個別のログインIDによって機械学習をして、個人の音声や話し方に適応して向上するでしょう。

この技術の導入により、記録スピードが4.5倍に向上し、看護記録の時間削減効果が確認されています。

さらに、電子カルテの移動化や看護記録の標準化などの取り組みにより、最終的には時間外労働が半減しました。

加えて、看護記録に費やす時間の短縮により、患者への直接的なケア時間も増加しています。

物流における活用事例

日本通運は、NECとの業務提携により、AIを活用して業務の効率化を進めています。

通関業務の改善において、全社で「関税計算書システム」を導入しました。

この「関税計算書システム」では、送り状などのさまざまな文書をAI-OCRを用いて自動的にデータ化できます。

AIは収集したデータを活用し、関税計算や申告書の作成など、業務全体をトータルでサポートが可能です。

AIによって帳票から自動的にデータ化された品目の詳細登録情報は、一覧で表示されます。

この一覧表示により、ミスの発見と修正を一括で行い、従業員のチェック作業の負担が軽減されました。

さらに、AIは通関士の専門業務も自動的にサポートし、人材不足をカバーしています。

今後も日本通運は、AIを活用したデータのチェックや転記などの機能を強化し、従業員の負担軽減や業務のペーパーレス化を推進していく予定です。

まとめ

ai 技術

AIの技術・仕組み・できること・活用事例を紹介しました。人間の思考プロセスと同様に動作するAIは、広範なシーンで利用されています。

特に、AIの手法である「機械学習」は人間の学習に相当するプロセスをコンピューターで再現できるため、AIの適用範囲が急速に拡大しました。

AIを活用すると、画像認識・音声認識・自然言語処理など、多岐にわたるタスクを自動化できます。

AIを活用することで業務を自動化すれば、業務の効率化や生産性向上が可能です。日々進化するAI技術に注目しましょう。

さらに、今注目を集める生成AIリスキリングの第一歩を。生成AIパスポートとは?

生成AIパスポートは、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が提供する、AI初心者のために誕生した、生成AIリスクを予防する資格試験です。AIを活用したコンテンツ生成の具体的な方法や事例に加え、企業のコンプライアンスに関わる個人情報保護、著作権侵害、商用利用可否といった注意点などを学ぶことができます。

⽣成AIの台頭により、AIはエンジニアやデータサイエンティストといった技術職の方々だけではなく誰もがAIを使えるようになりました。今、私たちがインターネットを当たり前に活用していることと同様に、誰もが生成AIを当たり前に活用する未来が訪れるでしょう。

そのような社会では、採用や取引の場面で、生成AIを安全に活用できる企業・人材であることが選ばれる前提条件になり「生成AIレベルの証明」が求められることが予測できます。生成AIパスポート試験に合格すると、合格証書が発行されるため、自身が生成AIを安全に活用するためのリテラシーを有する人材であることを、客観的な評価として可視化することが可能です。

ぜひあなたも生成AIレベルを証明し「生成AI人材」に仲間入りしましょう!

詳細はこちら