GLOSSARY

AI-OCRとはなに?OCRとの違いや基本の仕組みと機能、導入メリットと選び方について徹底解説!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

INDEX

ai-ocr

皆さんはAI-OCRをご存じですか?外国ではICRとも呼ばれるもので、文章の読み取りにおいて欠かせない技術となっています。日本のメーカーも積極的に開発するAI-OCRとはどういうものなのか、気になる人も多いはずです。

本記事ではAI-OCRとは何かを中心に、文字の読み取りを行える仕組みや機能、導入メリットなどをご紹介します。

AI-OCRとはなに?

AI-OCRとは一体どういうものか、そもそもどのような略称なのか、AI-OCRに関する基本的な事柄についてまとめました。

AI-OCRの意味

OCRは「Optical Character Reader」の略称で、AI-OCRはOCRにAIをつけたものと言えます。OCRは画像データの中にあるテキストを認識して文字データに変換していく機能を指します。

分かりやすい例ではスキャナーが挙げられます。スキャナーは文章を読み込んで、デジタルに置き換えていきます。コピーをするようにスキャンしてそれをデータ化していく、それがOCRです。AI-OCRはAI技術が乗っかったものであり、より文字の認識の精度を上げていく狙いがあります。

AI-OCRとOCRとの違い

AIを用いることで文字の認識を向上させていくことができるAI-OCRですが、これまでのOCRの弱点を補うことができ、それが旧来のOCRとの違いになっています。

旧来のOCRの弱点は近い文字を認識するのが苦手というのがありました。特に濁点や半濁点のあるひらがなに弱く、は行のひらがな全般の認識が弱いという傾向にあったのです。また書類を読み取る際にも、読み取る書類のフォーマットがバラバラだと処理能力が落ちやすく、正確に処理できないという傾向もありました。

AI技術を用いることで、は行の認識も強くなったほか、フォーマットがバラバラでもしっかりと処理できるようになったのです。AIは常に学習を行い、間違った認識をするケースを学んでいきます。また、人によって癖が出やすい手書き文字に関しても、たくさんの学習を行う中で精度を高めていくため、間違いが起こりにくくなるのです。

AI-OCRの基本の仕組み

AI-OCRはどのような仕組みで動いているのか、これまで用いられてきたOCRの技術も含めてご紹介していきます。

今までのOCRの技術

これまでのOCRの技術は、まず画像をインプットし、1文字ずつ切り出していく作業から入ります。その上で文字の特徴をチェックし、今までにインプットされてきた文字と照合して近いものをピックアップし、処理していきます。その上で単語情報と照らし合わせて、より自然な文書を作り上げます。

一連のプロセスは人間が考え、人間がある程度の道筋を作る中で決められていきます。ルールを定め、ルールの中で判断をしていくのがこれまでのOCRでした。だからこそ、例外への対応がしにくくなり、認識率が一定以上にならないケースが出始めたのです。

AI-OCRの技術

一方、AI-OCRの技術は最初から最後まですべてAIを活用しているので、例外への対応もしやすいのが特徴的です。何度も行われる学習によって、様々なパターンを把握し、多少癖の強い文字でも認識できます。

たくさんの文字を認識し、その特徴を学び、近いものを見つけ出していく作業をたくさん行えるのがAIのなせる業です。より正確に文字を認識して読み取っていく、それがAI-OCRです。

AI-OCRの機能

AI-OCRには読み取り、修正といった機能があります。中でも修正の機能はAI-OCRならではと言えます。単に読み取るだけの場合、1文字ずつを認識し、似たような言葉を当てはめて終わりということも考えられます。しかし、修正がないと、めちゃくちゃな変換になり、全くもって使い物になりません。

これを修正するには、登録されている単語と比較して近いものを見つけ出し、正しい言葉に変換していく作業が必要です。この役割をAIが担い、学習を行うことで精度の高い判断がなされるようになります。

癖の強い文字や印鑑を使った文字の修正などを正しく認識し、正確な読み取りにもつなげられます。これまでのOCRではできなかった芸当と言えるでしょう。

AI-OCRを導入するメリット

AI-OCRはとても便利なシステムですが、導入するとどのようなメリットがあるのか、詳しくご紹介していきます。

作業効率が格段に上がる

AI-OCRを導入することで、作業効率が格段に上がります。今までのOCRの場合、間違いが起こりやすかったため、その都度間違いがないかをチェックしなければなりませんでした。しかも、間違いがあればその修正作業が必要になるため、手間がかかります。

その点、AI-OCRであれば間違いが少なくなり、間違った際の作業が起こりにくく、効率化します。また人間は人間で間違いを起こすため、新たな作業が生じる可能性もあるので、その余地がなくなるのもAI-OCRのポイントです。

ペーパーレス化がしやすくなる

近年はペーパーレスが当たり前のようになってきており、ペーパーレスでないこと自体がおかしな状況になりつつあります。特に電子帳簿保存法など帳簿を電子化し、紙で保存することができないようになっています。ペーパーレスを日々行っていくには、AI-OCRが欠かせません。

読み取るにも時間がかかり、ペーパーレスの作業が負担になってしまうことも過去にはありました。この負担が軽減されることが重要であり、よりペーパーレスを進めていくのに必要不可欠なアイテムになっています。

管理がしやすくなる

紙の文書をデジタル化させることで、文書管理や検索がしやすくなるのも特徴的です。例えば、論文から該当する言葉を探す場合、最初から最後まで読んで見つけていくのはあまりにも非効率です。しかし、デジタル化することで検索をかければすぐに見つけられます。

今までかかっていた時間がウソのように全く時間がかからなくなるだけでも十分なメリットと言えるでしょう。文書管理がしやすくなることは、不必要な時間をさらに削減でき、生産性の向上につなげられます。

AI-OCRを導入するデメリット

AI-OCRにはメリットがある一方、導入するデメリットも存在します。どのようなデメリットがあるのかをご紹介します。

まだ完璧に認識できるわけではない

AI-OCRを導入することで間違いなく今までよりも識字率は上がるため、それだけで導入する価値はあります。しかし、完璧に認識できるとは限りません。どこかで間違いが生じたり、認識できなかったりします。

どんな場面で間違いが起こりやすいのか、そのチェックをする必要があります。もちろん、今までよりミスは少ないものの、結局は人間のチェックも状況によっては必要になるのです。

コストがかかる

AI-OCRを導入するには当然のことながら費用がかかります。AI-OCRを導入する費用としては初期費用のほか、ランニングコスト、AI-OCRのサポート費用などがかかってきます。それだけの費用を出して得られる効果もあるので、コストをかけることはそこまで悪いことではありません。

しかし、AI-OCRを導入してどれだけのコスト削減につながるのか、そのチェックは常に行う必要があります。以前のOCRとAI-OCRで作業時間にどれくらい違いがあるのか、その上でコストに見合うものかどうかを判断していくことが大切です。

AI-OCRの選び方

AI-OCRを選ぶには選ぶべきポイントがあります。AI-OCRの代表的な選び方をまとめました。

料金面

AI-OCRのデメリットのところでコストがかかることをご紹介しましたが、やはり料金面のチェックは欠かせません。同じAI-OCRでもクラウド型は初期費用がさほどかからず、場合によっては初期費用0円というケースもあります。

またランニングコストも読み取る項目が少なければ基本使用料が下がるなど、AI-OCRの活用状況によってコントロールできる部分となっています。また便利に活用していくオプションの費用やサポート費用もチェックしなければなりません。その上でベストな選択をしていくことになります。

AI-OCRの作業範囲

AI-OCRを導入することで作業効率を向上させていくことになりますが、AI-OCRを導入することでどこまで効率化を図るのか、どこまで自動化を行っていくか、作業範囲を定めておくことも大事な要素です。

AI-OCRにも、単に読み取るだけに特化したものもあれば、修正にも力を入れたものもあります。作業範囲によっては導入コストを下げることも可能です。AI-OCRを導入する際にはどこまでAI-OCRに仕事を任せるかという部分が問われます。

例えば、文書をデータ化させて応用していきたいという目的もあれば、単に事務的な作業を効率化させたいという目的もあります。なぜAI-OCRを導入するのか、そこも踏まえて選んでいくことが求められます。

AI-OCRの特徴

AI-OCRはAIを導入している一方、それぞれに特徴があります。例えば、様々な言語に対応するものもあれば、手書きに強いAI-OCR、認識精度が高いAI-OCRなど様々です。完璧を求めるのであれば、認識精度の高さをポイントに探していけばいいでしょう。

一方、手書きの文書をやり取りする機会が多いのであれば手書きに強いAI-OCRの導入が必要になります。AI-OCRが持つ特徴が自分たちのニーズにマッチしているかどうかも、AI-OCRの選び方においては欠かせないポイントになるのです。

まとめ

AI-OCRの種類は年々増えており、それぞれに強みや弱みがあります。手書き文字も認識できるものがある一方、手書き文字は人間が管理する代わりに導入費用が安いというものも存在します。

結局のところ、どのAI-OCRを使えば費用対効果がいいのかという観点で探していくことが求められます。たとえ、フルスペックではなくとも、効果的にカバーできるものであればそれで充分と言えるでしょう。結局はAI-OCRをどのように活用していくかという、活用する側の手腕が試されます。

さらに、今注目を集める生成AIリスキリングの第一歩を。生成AIパスポートとは?

生成AIパスポートは、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が提供する、AI初心者のために誕生した、生成AIリスクを予防する資格試験です。AIを活用したコンテンツ生成の具体的な方法や事例に加え、企業のコンプライアンスに関わる個人情報保護、著作権侵害、商用利用可否といった注意点などを学ぶことができます。

⽣成AIの台頭により、AIはエンジニアやデータサイエンティストといった技術職の方々だけではなく誰もがAIを使えるようになりました。今、私たちがインターネットを当たり前に活用していることと同様に、誰もが生成AIを当たり前に活用する未来が訪れるでしょう。

そのような社会では、採用や取引の場面で、生成AIを安全に活用できる企業・人材であることが選ばれる前提条件になり「生成AIレベルの証明」が求められることが予測できます。生成AIパスポート試験に合格すると、合格証書が発行されるため、自身が生成AIを安全に活用するためのリテラシーを有する人材であることを、客観的な評価として可視化することが可能です。

ぜひあなたも生成AIレベルを証明し「生成AI人材」に仲間入りしましょう!

詳細はこちら