AI(人工知能)の歴史|時系列でAIブームについてや今後の流れについて簡単にわかりやすく解説!
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AIは、近年急激に普及・発展しており、さまざまな分野で導入されるようになりましたが、そんなAIにはどのような歴史があるのか気になります。
また、歴史が浅く思われがちなAIは、1950年に誕生してから70年もの歴史がある技術です。
今回は、AIの歴史を時系列でわかりやすく解説します。
AI(人工知能)とは?
AI(人工知能)とは、「 Artificial Intelligence」という言葉の略称で、人工的に開発された人間の脳と同じような思考・処理ができる知能のことです。
近年、さまざまな分野に浸透しており、iPhoneの「Siri」やAmazonの「Alexa」、Googleの「Googleアシスタント」などのAIサービスや製品が提供されています。
このAI技術は、AIにデータを与えることで自動で学習する「機械学習」という仕組みによって実現しているものです。
また、機械学習ではAIに与える学習データが多いほど、より精度の高い分析を行うことができます。
1950年〜1960年
AIの歴史は、1950年にイギリスの数学者であるアラン・チューリンが発表した著書からAIという概念が誕生したことが始まりです。
AIの出現・概念の誕生
1950年に世界で初めてAIの概念が誕生しました。
イギリスの数学者であるアラン・チューリングが「計算する機械と知性」という著書を発表しました。
その内容は、機械が思考することができるのかという議題に対して、思考実験を行うというものです。
思考実験の結果、「機械が思考するかどうか判断するための材料には、人間との会話が成立するかどうかが必要」と結論付けました。
また、これを「チューリングテスト」と呼びます。
「人工知能」が言葉として誕生
その後、1956年にアメリカの数学教授であるジョン・マッカーシーが人間のように思考できる機械のことを「AI(人工知能)」と名付けたことによって、世界で初めて人口知能という言葉が誕生しました。
人工知能という言葉が誕生した経緯は、1956年に開催された科学者たちが集まる「ダートマス会議」で行われたことが挙げられます。
その後、ダートマス会議で「人工知能」という言葉を定義したことで、AI(人工知能)は世界中の科学者たちに認知されるようになりました。
1960年〜1974年
1960年〜1974年の間には、主に「第1次AIブーム」「ELIZAの誕生」の2つの出来事がおきました。
第1次AIブーム
第1次AIブームは、主にアメリカやイギリスを中心に起こったと言われています。
1964年には、IBMがメインフレーム・コンピュータシリーズである「システム360」というモデルを発売したことで、コンピューターの黎明期にも突入しました。
そのため、コンピュータを使ってさまざまな研究・開発を行える方が急増し、それに伴いAIの開発・研究も盛んに行われるようになりました。
ELIZAが開発される
第1次AIブームで多くのAI研究・開発が進められる状況で、最も大きな注目を集めたことが「ELIZA」の開発です。
1966年にマサチューセッツ工科大学のジョセフ・ワイゼンバウムによって開発された世界初の自然言語処理プログラムである「ELIZA」を開発しました。
このELIZAは、iPhoneやiPadなどのApple製品に搭載されている「Siri」の起源になったAIでもあります。
このELIZAによって、AI研究・開発はさらに加速していきます。
1974年〜1980年
1960年代〜1974年は、AI研究・開発が加速した時期でしたが、その後の1974年〜1980年にかけては、「冬の時代」と呼ばれ、AIブームが終了した時期に突入します。
冬の時代
冬の時代は、AIブームが落ち着き世界中の多くの科学者の間でAIの性能が疑問視されるようになりました。
特に、当時のAI技術は現在のAIのような高い性能を持っていなかったので、複雑な要因を含んだ問題の解決が困難でした。
そのことから、AIは社会問題には対応できないなどのネガティブなイメージが強まりました。
そしてその後1974年〜1980年代までの期間は「冬の時代」と呼ばれるようになりました。
1980年〜1987年
冬の時代を経て、1980年〜1987年は「第2次AIブーム」に再突入しました。
第2次AIブーム
「第2次AIブーム」に再突入した大きな要因は、多数のエキスパートシステムが実現されたことが挙げられます。
エキスパートシステムとは、特定の専門分野の知識をもち人間の専門家のように特定の出来事に対して推論や判断ができるコンピューターシステムのことです
1972年には、このエキスパートシステムを搭載した細菌感染診断システムが開発されました。
主に、体温や体調などをYES・NOの2択で答えてもらうことで、患者が感染症に罹患しているのか判断することができます。
ただ、このシステムは実用化されることはありませんでした。
また、1986年に「誤差逆伝播法」が発表されたことも、AIブームを加速させる大きな要因の1つです。
誤差逆伝播法とは、ニューラルネットワークを学習させる際に使用されるアルゴリズムのことで、機械学習ではディープラーニングの基本にもなったものです。
1987年〜1993年
「第2次AIブーム」に再突入したきっかけになったエキスパートシステムにも限界や欠点があると指摘され、1987年〜1993年は再度「冬の時代」になりました。
冬の時代
当時のエキスパートシステムは、データ収集・蓄積を自動で行う能力が不足していたので、エキスパートシステムにデータを入力する作業は手作業でした。
そのため、コンピュータを活用するための手間がとても大きいとして、エキスパートシステムを継続的に活用することが厳しいと判断しました。
また、例外処理や矛盾したルールへの対応も当時の技術では十分に対応することが難しく、エキスパートシステムの実用化は難航していました。
その後、日本ではエキスパートシステムの課題を解決させるために「5Gプロジェクト」を1982年に約540億円規模の国家プロジェクトとして開始しました。
しかし高い成果をあげることなく1992年は終了しました。
1993年〜現在
1993年〜現在にかけては、第3次AIブームに突入しており、現在まで急速にAI研究・開発が進められています。
第3次AIブーム
第3次AIブームは、主に機械学習の実用化やビッグデータ、ディープラーニングの誕生などが大きな要因です。
機械学習が実用化されたことによって、AIの成長は急速に進むようになり、これまでのエキスパートシステムと違い、自動でデータ収集・蓄積が可能です。
さらに、ビッグデータのようなさまざまなデータが集まったデータ群を活用できることで、高度なデータ学習を実現させられるようになりました。
その結果、現在まで世界中でAI研究・開発が活発になっており、今後も第3次AIブームは続くことが予想されています。
機械学習とは?
機械学習とは、コンピュータにデータを与えることで、コンピュータがそのデータのルールやパターンを学習する仕組みです。
また、機械学習には、正解データを与える「教師あり学習」と正解データを与えない「教師なし学習」と正解がない時の最適な方法を学習させる「強化学習」の3種類があります。
ビッグデータとは?
ビッグデータとは、明確に定義されていませんが、主に以下3つの要素を持っている膨大なデータ群のことをいいます。
- 量
- 多様性
- 速度もしくは頻度
また、最近では以上3つの要素に加えて、「正確性」と「価値」を加えた5つの要素を持っている膨大なデータ群のことをビッグデータといいます。
このビッグデータは、人間では扱うことがほぼ不可能なほど膨大なデータが集まっているので、ビッグデータをAI活用することで、さまざまな分野で応用が可能です。
実際に、多くの企業ではこのビッグデータを使った研究や開発が進められており、GoogleやFacebookなどのIT企業は世界中のビッグデータを保有しています。
ディープラーニングとは?
ディープラーニングとは、深層学習とも呼ばれる機械学習の1つです。
主に、与えられたデータの傾向やルールを多層的な構造を持ったニューラルネットワークで学習していく仕組みです。
また、大量のデータから自動で分析して学習すべき内容をAIが自律的に判断して学習するので、与えられているデータからより正確な結果を導き出すことができます。
実際に、医療現場や建設現場の安全管理、自動運転や顔認証システム、音声認識など、さまざまな分野でディープラーニングは活用されています。
特に、医療や建設、運転などの場面では、精度の高さがとても重要になってくるので、従来の機械学習ではなくディープラーニングによる精度の高い結果の出力が大切です。
そのため、ディープラーニングはより多くの場面で活用されていくことが期待されています。
まとめ
AIは、概念が誕生してから約70年以上も経過しており、現在でも世界中で研究・開発が進んでいます。
さらに、現在は第3次AIブームでもあるので、今後もさらにさまざまなAI技術の研究・開発が進んでいくことが期待されています。
日本でも、AI技術を活用したサービスやシステムの導入は普及しているので、今後のAIno動向に注目です。
さらに、今注目を集める生成AIリスキリングの第一歩を。生成AIパスポートとは?
生成AIパスポートは、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が提供する、AI初心者のために誕生した、生成AIリスクを予防する資格試験です。AIを活用したコンテンツ生成の具体的な方法や事例に加え、企業のコンプライアンスに関わる個人情報保護、著作権侵害、商用利用可否といった注意点などを学ぶことができます。
⽣成AIの台頭により、AIはエンジニアやデータサイエンティストといった技術職の方々だけではなく誰もがAIを使えるようになりました。今、私たちがインターネットを当たり前に活用していることと同様に、誰もが生成AIを当たり前に活用する未来が訪れるでしょう。
そのような社会では、採用や取引の場面で、生成AIを安全に活用できる企業・人材であることが選ばれる前提条件になり「生成AIレベルの証明」が求められることが予測できます。生成AIパスポート試験に合格すると、合格証書が発行されるため、自身が生成AIを安全に活用するためのリテラシーを有する人材であることを、客観的な評価として可視化することが可能です。
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