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AIフレームワークとは?人気フレームワークの紹介とメリット・デメリットの比較、選択のポイントを紹介!

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AIフレームワーク

INDEX

プログラミングを効果的に行うためにはフレームワークが必要不可欠であり、AI開発を行う際にはAIフレームワークがとても重要になります。

フレームワークという言葉を聞いたことのある方が多いと思いますが、具体的にどのようなものか理解していない方は少なくありません。

今回は、AIフレームワークや人気のAIフレームワークとそのメリット・デメリット、選択のポイントについて紹介します。

AIフレームワークとは?

フレームワークとは、プログラミングに必要な機能をまとめた枠組みのことです。

1部のプログラムを修正するだけで利用できるので、プログラミングを効率的に行い開発工数を削減させることができます。

AIフレームワークは、AI開発を行う際に利用できるフレームワークのことです。

AI開発では、高度な専門知識やスキルが求められるので、AI開発に必要な機能をまとめたAIフレームワークは必要不可欠な存在です。

人気フレームワーク5つ

AIフレームワークは、目的や開発内容によって多くのものが存在しています。

また、その中でも人気のフレームワークは、主に以下の5つです。

  • TensorFlow
  • PyTorch
  • Keras
  • Microsoft Cognitive Toolkit
  • MXNet

以上5つのフレームワークは、AI開発で必要な機能を多く兼ね備えており、AI開発を行うエンジニアから高い人気を集めています。

そのため、これからAI開発を始めようとしている方やAI開発でフレームワークを選んでいる方は、以上5つの中から選んでみてはいかがでしょうか。

フレームワークの選択のポイント

フレームワークを選ぶ際に、どのようなポイントを意識して選べばいいのか悩んでいる方は多いです。

これからフレームワークを選ぶ際は、以下のようなポイントを意識してみることをおすすめします。

  • サポート体制が充実しているか
  • ドキュメントが充実しているか
  • 対応しているプログラミング言語
  • 主に対応している機能や作業
  • そのフレームワークのスケーラビリティ

主に以上のようなポイントを意識してフレームワークを選択することで、AI開発やプログラミングで効果的に利用することが可能です。

そのため、これからフレームワークを選ぶ際の参考にしてみてください。

TensorFlow

TensorFlowとは、Googleが提供しているライブラリです。

主に、Gmailの分類・YouTubeの広告最適化・Google音声検索などで利用されており、AIシステムの構築にとても優れています。

また、多次元データ構造を意味する「テンソル(Tensor)」という高速計算できるライブラリでAI処理を行なっています。

メリット

TensorFlowのメリットには、主に以下のものがあります。

  • 利用者が多いから公開されている情報も多い
  • ライブラリが豊富に提供されている
  • 犯罪対策・捜査に活用できるAIシステムの構築ができる
  • C++がメインのプログラミング言語だが、Python・Java・Goでも実装できる
  • GoogleだけでなくAmazonのクラウド上でも開発ができる
  • 即時デバッグ機能を備えている
  • GPU意外にも複数のCPUから実行できる
  • 音声認識・画像認識・言語翻訳・画像のテキスト化などに幅広く対応している

デメリット

TensorFlowのデメリットには、主に以下のものがあります。

  • 高機能なフレームワークだから慣れるまでに時間がかかる
  • 高度な処理を行う場合は十分なハードウェアの性能も必要になる
  • GPUがなければ十分なパフォーマンスを発揮できない
  • 1度構築した計算グラフを後から変更することができない
  • ソースコードが独特で専門知識が求められる部分が多い

PyTorch

PyTorchとは、Facebook(現Meta)が提供しているAIフレームワークです。

「Torch」という機械学習の自然言語処理のライブラリを元に2017年にリリースされた比較的新しいAIフレームワークになります。

そのため、ディープラーニングの学習や情報収集を目的としている方にとって、最適なAIフレームワークの1つです。

また、近年利用者が急増していることから高い注目を集めています。

メリット

PyTorchのメリットには、主に以下のものがあります。

  • 構文がわかりやすく可読性が高い
  • 直感的にコードを書くことができる
  • 動的な計算グラフで設計された「define by run方式」を採用している
  • 利用者が多く参考文献や資料が豊富に提供されている
  • ディープラーニングの開発・研究で効果的に使える
  • 有名なクラウドサービス(Alibaba Cloud・AWS・Google Cloud Platform・Microsoft Azure など)に対応している
  • PyTorchコミュニティが活発に活動している

デメリット

PyTorchのデメリットには、主に以下のものがあります。

  • 学習速度が低下する場合がある
  • 参考文献や資料は豊富だがほとんど英語で日本語のものが少ない
  • APIのレベルが低いからプログラミングの難易度が高い
  • 学者や研究者の研究がメインで開発ではあまり使われていない
  • メモリ不足に陥りやすい

Keras

Kerasとは、Googleが開発したニューラルネットワークのライブラリです。

ソースコードがPythonで書かれているので、構文がシンプルで扱いやすく機械学習やディープラーニングを効果的に行えます。

現在は、TensorFlowに取り込まれTensorFlowのバックエンドとして動作しているので、利用する場合はTensorFlowをインストールして使用するライブラリです。

メリット

Kerasのメリットには、主に以下のものがあります。

  • 構文がシンプルでわかりやすいから初心者でも扱いやすい
  • NetflixやUberなどの世界的有名企業でも活用されている
  • さまざまなフレームワーク(TensorFlow ・Microsoft Cognitive Toolkit ・Theano・Microsoft Cognitive Toolkit など)をサポートしている
  • プロトタイプ作成時に便利に使えるから試作モデル作成に効果的
  • モデルの製品化が容易でさまざまなプラットフォームでデプロイができる
  • 作業量が急増しても対応できるスケーラリビティを備えている

デメリット

Kerasのデメリットには、主に以下のものがあります。

  • TensorFlowやPyTorchと比較すると処理速度が遅い
  • 1度構築した計算グラフを後から変更できない
  • オリジナルの処理をさせるためには手間がかかる
  • コードだけでは処理内容を理解できない

Microsoft Cognitive Toolkit

Microsoft Cognitive Toolkitとは、学術期間であるMicrosoft Researchが開発したフレームワークです。

2016年に大幅なアップデートが行われるまでは、「CNTK(Microsoft Computational Network Toolkit)」と呼ばれていました。

その後、解明され現在のMicrosoft Cognitive Toolkitになりました。

主に、ディープラーニングを容易に利用するために開発されたものであり、実装効率を向上させる機能が搭載されていることが特徴的です。

メリット

Microsoft Cognitive Toolkitのメリットには、主に以下のものがあります。

  • オープンソースのツールキットを使いたい方に効果的
  • Python・C#・C++のライブラリとして使用できる
  • 64bitのLinux・64bitのWindowsで動作できる
  • 「Open Neural Network Exchange(ONNX)」フォーマットをサポートしている
  • ニューラルネットワークを有向グラフで表現できる
  • さまざまなニューラルモデル(DNN・CNN・RNN・LSTM など)に組み合わせやすい
  • 拡張性と効率性が高い

デメリット

Microsoft Cognitive Toolkitのデメリットには、主に以下のものがあります。

  • 参考文献や資料があまり多くない
  • コミュニティが少数で扱っている人も少ない

MXNet

MXNetとは、ワシントン大学とカーネギーメロン大学で開発されたオープンソースの深層学習フレームワークで、2016年にAmazonのAWSがサポートを開始しました。

柔軟性や拡張性が高いフレームワークであり、ディープラーニングの処理を高速で行うことが可能です。

そのため、画像認識・自然言語処理・レコメンド生成などで活用されています。

メリット

MXNetのメリットには、主に以下のものがあります。

  • 対応しているプログラミング言語が多い(Python・C++・Scala・R・Matlab・Julia など)
  • さまざまなOS・プラットフォームに対応している(Windows・MacOS など)
  • 膨大な処理を高速でできる
  • 命令的プログラムと宣言的プログラムを併用できる
  • AndroidやiOSなどのモバイルデバイスで稼働できる

デメリット

MXNetのデメリットには、主に以下のものがあります。

  • 参考文献や資料があまり多くない
  • 初心者には少し扱いにくいフレームワーク

まとめ

AI開発は年々活発になっており、今後も数多くのAI技術が誕生・発展していくことでしょう。

また、AIフレームワークを使うことで、効率的にAI開発を進められるようになります。

これからAI開発を始める方は、ぜひ今回の記事を参考にAIフレームワークを使用してみてください。

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