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DNN(ディープニューラルネットワーク)とは?仕組みや種類、課題やCNNとの違いから活用方法まで解説

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皆さんはDNN(ディープニューラルネットワーク)をご存じですか?DNNはディープラーニングを行うにあたって必要不可欠なシステムです。DNNがどんなシステムなのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

本記事ではDNNとは何かを中心に、DNNの仕組みや種類、課題などをご紹介していきます。

DNN(ディープニューラルネットワーク)とは?

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DNNとはどういうものなのか、DNNの基本的な内容を中心にご紹介していきます。

人間の脳神経回路のようなもの

DNNは人間の脳神経回路をモデルにしたニューラルネットワークをより深いレベルまで動かせるようにしたもので、ディープラーニングを行う際の学習方法の1つでもあります。

人間のような思考を行えるようになったため、学習を行っていく中で精度を高めていくことが可能になるほか、画像認識や音声認識などAIを活用する場面が増えていく中で欠かすことのできない学習方法と言えます。

DNNの歴史

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DNNはニューラルネットワークの進化の歴史でもあります。人間の脳神経回路を数理モデルとして構築したニューラルネットワークは、実は1940年代には既にモデルとして提唱されていました。

その後、ニューラルネットワークは1950年代には登場しており、定期的にムーブメントを巻き起こしていきます。しかし、その当時の技術的な問題が露呈し、ブームは下火になります。

ネットの普及が難題を克服する

DNNに関しては1980年代後半から技術的にはすでに語られており、DNNで精度を高められるという指摘はありました。しかし、80年代後半では学習を行う環境がまだまだ整っていなかったこともあり、研究が進みませんでした。

その研究を可能にしたのがインターネットであり、インターネットの普及により積極的に学習が行えるようになり、30年来の議論が正しかったことが証明されました。

DNN(ディープニューラルネットワーク)の仕組み

DNN

ここからはDNNの仕組みについてご紹介していきます。

DNNの簡単な仕組みについて

DNNはデータを多層パーセプトロンと呼ばれる脳神経回路的なところに入れてデータに関する学習を行わせることで、新たにデータを入れた際に結果の判定や分類を行っていくという仕組みです。DNNはたくさんの学習を行っていく中で精度の高い結果が出るようにしていきます。

DNNには入力層・中間層・出力層とが存在し、これまでのニューラルネットワークだと中間層は1つのみでした。この中間層を複数にできたのがDNNであり、複雑な計算なども行えるようになりました。

学習の流れ

DNNには大きく分けて2つの学習の流れが存在します。1つは順伝播です。入力層から中間層、出力層まで順番に伝わっていくため順伝播と呼ばれます。順伝播の特徴は最初だけ教師データなどを使って予測計算を行い、予測計算で出された数値と教師データと比較し、誤差の計算によって学習を行います。

もう1つは逆伝播です。こちらは出力層で誤差を算出し、入力層に向かって重みづけの値などを変えていくというものです。順伝播を行い、その後逆伝播で再び入力層に向かって流れてその間の数値が更新されていくという形で学習が行われていきます。

DNN(ディープニューラルネットワーク)の種類

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ここからはDNNにも通じるディープラーニングの種類についてご紹介していきます。

RNN(再帰型ニューラルネットワーク)

RNNは時系列で扱うデータに関して行われるディープラーニングの1つです。売り上げデータをはじめ、毎日変化するデータを活用し、今後どのような変化になっていくかを予測するのがRNNです。

パターンを読んでいくのがRNNの特性であり、その見立てを外さずに正確に読み解いていくのが特徴的です。一方で数値にはしにくいようなものにも応用でき、翻訳の分野においてもRNNが用いられています。

RNNを詳しく紹介した記事はこちら

https://gen-ai-media.guga.or.jp/columns/rnn/

LSTM

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LSTMは「Long short-term memory」とも呼ばれ、RNNでは扱いきれなかったデータを確実に読み込めるようにしたディープラーニングの1つです。大きな違いはLSTMの中間層にあります。

記憶をさせる部分であるLSTM blockを用いるなどして処理をしやすくしました。このLSTMの存在によって、より将来的な予測、長期の時系列データでも対応できるようになっています。

LSTMを詳しく紹介した記事はこちら

https://gen-ai-media.guga.or.jp/columns/lstm/

GAN

GAN(Generative Adversarial Network)は、2つのネットワークで学習を行うディープラーニングです。正解のデータをチェックしながらその正解に近いものを作り出す生成ネットワークと、正解のデータと生成ネットワークのデータを照らし合わせて判定を行う識別ネットワークに分けられます。

この2つを比較しあうことで精度の高いデータが作られるようになります。AIを使ってカラー化を目指すケースやより芸術的なデザインを作り出すケースにいて威力を発揮するのが特徴的です。

GANを詳しく紹介した記事はこちら

https://gen-ai-media.guga.or.jp/columns/gan/

DNN(ディープニューラルネットワーク)の課題

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ここからはDNNの課題についてご紹介していきます。

根拠を見つけるのが難しい

たくさんあるデータから分析を行う中で結果を導き出すのがDNNです。しかし、あまりにも大量のデータから結果を導き出す中で、なぜこのような結果になるのかという根拠を見いだせない場合があります。この時、DNNがあまりにもうまくいかなくても、なぜうまくいかないのかの理由すら見つけられなくなるのです。

DNNは自動運転を始め、生命にかかわるような分野においても用いられるため、致命的な欠陥が生じた際にその欠陥の要因をつかみきれず、同じような失敗を繰り返す可能性があります。

人間の脳神経回路とはいえ心まではわからない

人間の脳神経回路を模したものがDNNですが、人間の脳神経回路を模しているから人の気持ちまでわかるとは限りません。人の気持ちがわからないことは善悪の判断などもわからない可能性が高いでしょう。

要するに倫理観に欠ける判断をしてしまう可能性を秘めています。倫理観に欠ける判断をしないようにチェックしなければならないのが人間の役割です。すべてをDNNに委ねられないのが大きな難点であり、人が関与すればそれだけコストもかかりやすくなります。

性能が低下する場合がある

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ディープラーニングで時折問題とされるのが、せっかく学習をさせているのにさらに学習をさせると性能が低下してしまうことです。ニューラルネットワークの欠点として今まで学習したものを忘れてしまうというのがあります。

こうした現象を「破局的忘却」と言います。せっかく学んだものがうっかり抜けていくことには気を付けなければなりません。

DNN(ディープニューラルネットワーク)とCNNとの違い

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ここからはDNNとCNNの違いについてご紹介していきます。

そもそもCNNとは何か

CNNは畳み込み層を使ったニューラルネットワークです。ディープラーニングを画像認識で応用する際に用いられます。CNNには畳み込み層とプーリング層があり、この構造によって画像の認識などを行う流れになっています。

画像の特徴をチェックしていくのが畳み込み層、特徴が移動しても影響を受けない形で認識していくのがプーリング層です。この2つの層を基に全結合層と呼ばれるところで予測し、最終的な判別を行います。

CNNについて詳しく紹介している記事はこちら

https://gen-ai-media.guga.or.jp/columns/cnn/

CNNはDNNの中の1つ

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CNNはニューラルネットワークを活用しているほか、中間層が複数になっているため、ディープラーニングの一種です。DNNはディープラーニング全般を指し、汎用性のあるものですが、CNNは画像認識などに特化したものなので、専門性の高いニューラルネットワークと言えます。

DNN(ディープニューラルネットワーク)の活用方法

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DNNはどのように活用されるものなのか、活用方法をご紹介していきます。

自動運転

DNNは自動運転にも用いられる手法です。自動運転で欠かせないのは前方や側方などから来る人間や車など、いわゆる物体の認識です。この物体の認識のために、DNNを用いて学習を重ねていきます。

この学習を踏まえて実際に作動させてみて正しく分類できるかどうかをチェックしていきます。実際に自動運転をするには大量のメモリを必要としてきましたが、そのメモリの問題も解決しつつあります。自動運転の成功にはDNNが欠かせません。

通販におけるおすすめ商品の紹介

通販・ECサイトでは、「あなたにはこの商品がおすすめです」というようなおすすめ商品の紹介が行われます。購入履歴から判断できる一方で、購入はおろか、閲覧もさほどしていない中でおすすめ商品を提示するのは大変です。

しかし、行動を認識し、その中で訪問したユーザーの動きからおすすめ商品を表示できるようになりました。その人にぴったりな商品の提示を行えるのもDNNのおかげです。

まとめ

DNNは私たちの生活にはなくてはならないもの、そして、今後必要になるかもしれないものを作り出すために必要なシステムです。その一方で扱いもまた難しく、DNNを始めようとするのもなかなか大変です。

裏を返せば、DNNをうまく使いこなせることができれば、様々な問題を解決してくれる可能性が出てきます。ディープラーニングにはどうしてもコストがかかるため、コストを考慮して計画を立てていくことが求められます。

何より破局的忘却を避けるために疑似リハーサルと呼ばれることを行い、コンピューターに学習させつつ学習済みデータとの紐づけを行う手法も出ています。DNNはより進化を遂げようとしているのです。

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