CNN(畳み込みニューラルネットワーク)とは?特徴や仕組み、機械学習との関係性を簡単に解説!
INDEX
- CNN(畳み込みニューラルネットワーク)とは?
- CNN(畳み込みニューラルネットワーク)の意味
- CNN(畳み込みニューラルネットワーク)の特徴
- 特徴量の抽出
- CNN(畳み込みニューラルネットワーク)の仕組み
- 畳み込み層
- プーリング層
- 全結合層
- CNN(畳み込みニューラルネットワーク)と機械学習との関係性
- CNN(畳み込みニューラルネットワーク)とDNNの違い
- CNN(畳み込みニューラルネットワーク)の活用事例
- 顔認証
- 医療分野での診断
- 画像を作り出す
- CNN(畳み込みニューラルネットワーク)が持つ問題点とは
- 結局のところ外から分かりにくい
- データがたくさんあってコストがかかりやすい
- CNNを行っていく技術面
- まとめ
- 生成AIパスポートとは?
皆さんはCNN(畳み込みニューラルネットワーク)をご存じですか?CNNだけだとアメリカのテレビ局を思い浮かべる人が多いでしょうが、最近流行のディープラーニングになくてはならないものです。
本記事ではCNNとは何かを中心に、CNNの特徴や仕組み、機械学習との関係性などをご紹介していきます。
CNN(畳み込みニューラルネットワーク)とは?
CNNとはそもそもどんな言葉の略称なのか、言葉の意味と基本的な情報について解説します。
CNN(畳み込みニューラルネットワーク)の意味
CNNはconvolutional neural networkの略称で、convolutionalは渦巻や畳み込みを意味します。元々畳み込みと呼ばれるものは画像処理で使われやすく、そのため、CNNも画像認識で用いられる技術になります。
neuralは神経という意味合いがあります。ニューラルネットワークは人間が持つ脳神経をモデルにしており、このニューラルネットワークに畳み込みの技術を追加したのがCNNです。
CNN(畳み込みニューラルネットワーク)の特徴
CNNにはどのような特徴があるのか、それは画像の特徴をピックアップするうまさにあります。ここからはCNNの特徴についてご紹介します。
特徴量の抽出
私たちが画像を認識する際、ピクセルを認識することでどのような画像なのかを判断します。ピクセルは画素を意味し、画素数が多ければ多いほどより自然な画像になります。これはデジタルカメラやスマホのカメラを思い浮かべていただければわかりやすいでしょう。
コンピューターが画像を認識する際、画素ごとに分けていき、特徴を抽出することで画像を判別していきます。こうした特徴を組み合わせていくことにより画像を構築していきます。画素は色の三原色の青、赤、緑によって決まり、それぞれの明るさによって色が決まります。その集合体が画像です。
CNN(畳み込みニューラルネットワーク)の仕組み
CNNは主に3つの層で構成されているネットワークです。ここからはそれぞれの層の仕組みについてご紹介します。
畳み込み層
CNNの根幹を担うといっても過言ではないのが畳み込み層です。畳み込みという作業では、フィルターを用いて画像の特徴となる部分を見つけていき、画像処理を行っていきます。
CNNが登場するまではこのフィルターは人間の仕事であり、人間がフィルターをかけないと画像の特徴をスムーズにつかむことができなかったのです。しかし、機械学習が登場したことでフィルターを人間が設計しなくても済むようになりました。ですので、特定の画像を抽出するフィルターの学習をさせておけばいいようになったのです。
畳み込みによってデータをまとめることができるので、色んな計算が行えるようになり、その分、特徴をつかみやすくなります。
プーリング層
プーリングは分かりやすく例えると、抽出した情報を圧縮することを指します。画像を圧縮する場合、画像の情報は多少切り捨てられる形になりますが、少々切り捨てられても大きな影響は受けません。
プーリングを行うことで画像を壊すことなくデータをまとめることができます。畳み込み層のあとにプーリング層があることで大事な情報だけを残しつつ、データの圧縮につなげられます。
全結合層
畳み込み層、プーリング層とつながり、最後に出てくるのが全結合層です。この2つの層で出された特徴、情報をすべてまとめていき、画像の認識を行う仕組みになっています。
全結合層にはその画像が持つ特徴が反映され、それを踏まえた上でこの画像が何かを識別していくことになります。
CNN(畳み込みニューラルネットワーク)と機械学習との関係性
機械学習は、ニューラルネットワークを用いることで人工知能としての機能を持つことができ、どんどん学習することができます。たくさんの情報をニューラルネットワークに入力していき、人工知能に学習させ、学習したものを使って考えを膨らませていくのが基本的な機械学習の仕組みです。
機械学習の中でニューラルネットワークを用いて行われるのがディープラーニングです。機械学習とディープラーニングの大きな違いは特徴量の違いを自ら学習していくこと。画像認識だけでなく自動運転、自動翻訳などたくさんのデータ処理が求められる時にディープラーニングは欠かせなくなります。CNNはこのディープラーニングの中の1つという見方ができます。
CNN(畳み込みニューラルネットワーク)とDNNの違い
CNNとは別にDNNというものもあります。DNNはディープニューラルネットワークの略で、ニューラルネットワークをより進化させ、より人間と同じように思考を深めていくのに用いられます。
CNNは画像認識に特化したニューラルネットワークですが、DNNには汎用性があり、ゼネラリスト的なニューラルネットワークと言えます。ニューラルネットワークには他にもRNNがあります。RNNはリカレントニューラルネットワークといい、自然言語処理において用いられるものです。
ニューラルネットワークでも色々な種類がありますが、これらのニューラルネットワークなしには文字認識や音声認識などはあり得ません。私たちの生活をより便利にしてもらう上で必要不可欠な技術であることは間違いないのです。
CNN(畳み込みニューラルネットワーク)の活用事例
CNNは実際にどのような場面で用いられているのか、活用事例についてご紹介していきます。
顔認証
iPhoneでは認証の際に顔認証が行われ、ロックの解除が行えます。このような顔認証はCNNの代表的な活用事例の1つであり、事前に登録した情報を踏まえ、全く新しいデータが入力されても判別できるようになっています。
以前は顔の一部だけでは判別できないということもあり、マスクをしていると認証できない状況もありましたが、顔の一部であっても認証できるようになってきており、高いレベルのセキュリティにも応用できるようになってきました。
医療分野での診断
レントゲンやCT、MRIなどの医用画像と呼ばれるものから、何かしらの診断を行えるようになっています。人間が見落とすようなものもCNNは瞬時に判断し、人間の疾患をかなりの早期に見つけ出し、早期治療につなげられるようになりました。
実用化にはまだ時間はかかるものの、既に早期発見につなげた事例も出てきており、皮膚科の分野ではメラノサイト病変の診断精度がCNNによって改善したという研究結果も出ています。今後多くの医療的分野で応用される可能性が高まっているのです。
画像を作り出す
AIグラビアなど、AIに指示を出すことでまるで本物の人間のようなグラビアを作り出せるようになり、AIグラビアの写真集も出始めています。このように画像を作り出す技術はCNNなどの技術によって成り立っているのです。
CNNは画像が持つ特徴を高い精度でピックアップしていけるため、画像認識でかなり重宝されます。画像を作り出す作業においてこの画像認識の精度の高さが非常に役に立っており、様々な画像生成において欠かせない存在になりつつあります。
CNN(畳み込みニューラルネットワーク)が持つ問題点とは
CNNにもいくつかの問題点が存在します。どのような問題点があるのかをご紹介します。
結局のところ外から分かりにくい
CNNは専門的な知識がある人には専門用語を羅列してもわかりますが、全く専門知識がない人にとって見れば何のことやらわからないのが実情です。わかりやすくCNNを例えようにも限界があるくらい、CNNの仕組みや原理を明確に説明することは難しいと言われています。
ディープラーニングによって複雑な計算を行い、動いていることは明らかであっても、原理がイマイチわかっていないために実用化が大変なのです。そのあたりがCNN導入の大変さを表します。
データがたくさんあってコストがかかりやすい
CNNを行っていくには膨大なデータが必要になります。画像を認識していくのはそれだけ大変であり、ディープラーニングを活用する際にはディープラーニングを円滑に行うための学習データが大量に必要です。
すると、大量の学習データを活用するマシンもそれだけ立派なものでなければなりません。当然コストはかかり、維持費も相当なものになります。コストがかかりやすいというのがCNNを推し進める上で大変なポイントと言えるでしょう。
そもそもCNNを行う必要はあるのかという部分を含め、CNNの必要性から検討していかなければならないのがネックになると言えます。
CNNを行っていく技術面
CNNも決して完璧なシステムとは言えません。画像認識においてわずかでもノイズが発生することがあり、このノイズが悪さを働くことがあります。ノイズの存在が画像認識を邪魔し、取り扱うものによっては致命的な出来事の誘発にもつながるので慎重を期さないといけません。
活用事例でもご紹介した通り、例えば画像生成程度であれば少々のノイズの影響はさほどありませんが、自動運転において画像認識を邪魔されれば、重大な事故を招きかねません。取り扱うものが命にかかわるものだとCNNの技術がまだ甘いことで大変な事態を招くことがあります。
克服すべき課題が多いことがCNNの完全な実用化に向けて乗り越えなければいけない部分と言えるでしょう。
まとめ
CNNは画像認識において必要不可欠であると同時に、まだまだ改良の余地がある分野と言えます。仮に改良が進めば、自動運転はより安全なものとなり、より早期の段階で病気を見つけられ、長寿を目指せるようになるでしょう。だからこそ、改良すべき点をどんどん見つけ、精度を高めなければいけません。
人間の脳の仕組みはニューラルネットワークとして活用されていますが、まだまだ謎の多い部分もあります。まだまだ伸びシロを感じさせる技術であることは明らかです。
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